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雷の季節の終わりに

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著者 : 恒川光太郎
  • 角川書店 (2006年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048737418

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雷の季節の終わりにの感想・レビュー・書評

  • 暗めのファンタジー。こういう雰囲気好きだなぁ。風わいわいがいるような世界観も、茜の話と賢也の話の繋がり方も好き。お姉ちゃん!!最後の2ページは胸が苦しくなった。賢也のこれからの人生が、穂高と姉の人生とは交わらないであろうことが辛い。でも、賢也にとってはその方がいいのだろう。

  • この世界とどこか接点を持った異世界を舞台に,悪意が行き来する.「風わいわい」という鳥のようなもの,神の使いのような存在なのかもしれない.この存在は不思議だが,どちらの世界にも同じような悪もあれば善もあるということかな.

  • 読み終わった。この寂寥感をどう表現したら良いのか言葉がうまく見つからない。
    バラバラだったひとつひとつの断片が徐々に組み合わさって全体像がだんだん見えてくる時のゾクゾクした感じもなんとも言えない。
    出逢えて良かったと思える本。この人の文章、やはり好きだ。しばらくは本の世界観にどっぷり浸っていたい。でもこの人のほかの本も早く読みたい。

  • 楽しめた。でもやっぱり短編の方が読みやすくて好きかもしれない。早田は結局何者だったんだろう。以下に詳しい感想が有ります。http://takeshi3017.chu.jp/file6/neta17008.html

  • ファンタジー、ホラー、フォークロアの要素を巧みに融合した世界観が素晴らしく、いつまでもこの作品世界に浸っていたい気持ちになりました。
    冬と春の間に二週間だけあるとされる「雷季」の設定や、風霊鳥、墓町、闇番、鬼衆などの不思議さを感じる数々のものにも想像力を掻き立てられます。
    長編ならではと言えそうな構成の工夫もあり、興を削がれることなく最後まで楽しめる作品でした。

  • はらはらどきどきして、最後まで一気に読みきった。穏という世界に取り込まれた感じだった。
    穏は、この世に重なってあるもの。この世であってこの世でないもの。
    下界にはたくさんの人がいて戦争をする。殺し殺される。だから危険だと穏では子供に教える。
    確かに穏には戦争も争いもないが、はみ出すと秘密裏に殺される。異端なものを排除することで平穏を保っている。
    トバムネキは穏の歪みを具現化したような存在で、人の気持ちが理解できず、利己的で暴力的、話が通じない宇宙人だ。だというのに、いなくなったあとの喪失感はなんなんだろう。寂しいとまで思ってしまった。彼もきっと被害者の一人に過ぎないのだと思う。

  • 「隠」という地図に存在しない土地を舞台に、雷という季節に繰り広げられる様々な不思議な現象に、ありえないと思いつつも、隠には現実にあるんじゃないかと思わされるほど入り込んでしまった。
    中盤で謎が一気に晴れた時には驚きとともに一瞬思考が止まった。

  • 地図には存在しない「穏(おん)」と呼ばれる街がある。
    現実世界とは少しずれた異世界。
    恒川さんの柔らかく淡々と描かれている世界観が健在だが、今回は少しばかりグロテスクな表現が多かった。

    再読したい一冊。

  • 梅田さんおすすめ

    冬と春のあいだに雷季がある場所
    ここではない地図にものっていない場所

  • デビュー作『夜市』に続いて読んだ。長編。
    世界観は変わらず、少しずれたところにある異界。
    読んでいても無理やりな設定とは感じず、
    外の世界との接点をあまり持たずに、
    独自に形成された社会の仕組み、しきたり、掟のようなものがきちんと感じられる。
    『風の古道』に通じる、同じ時間にある別の場所のようだ。
    絡み合う時間が最後に収束していく下りも素晴らしい。
    凄惨な描写が多くなったのが読んでてちょっと辛い。
    人を排除する理由の簡単さ、身勝手さ、
    正当化する位置に立った者の残忍さ、
    このアンバランスさが、現代的なのかなと怖くなる。

  • 墓町の亡霊よりも、奇怪な獣よりも、茜の継母 沙智子が断トツ怖かった…。

    ゆったりと落ち着いた文章で、どんなに奇抜なストーリーでも違和感なく読めてしまう。

    すべてのキャラクターの描き方に隙がなく、独特な世界観をグッと引き立たせていた。とくに、風わいわいの台詞がいい。彼女(?)のやさしい囁きが本当に心の中に響いてくるようだった。絶対的な悪役ながら、妙に人間臭いところがあるトバムネキの人物像もおもしろかった。

  • ファンタジックな世界観を把握していきながら、残酷な場面もふんだんに味わえる。「風わいわい」といった用語も面白い。

  • 日本のどこかにあるけれど、認識されていない土地・穏。
    世俗から離れた穏は雷季など独自の文化を形成していた。
    雷季あるいは神季と呼ばれるその季節は冬と春の間にあり、雷によって浄化されて春が始まると信じられていた。
    そんな土地で育った少年の話。

    墓町や闇番、脱走するまでのところが特に好きです。
    基本的には少年視点だけど、普通の日本で暮らす少女の話がどういう風に絡んでいくのか気になってあれこれ想像していたら全部外れた。
    穏から脱走した後はもう少しサバイバルの描写が見たかったなあ。
    終盤が少し駆け足に感じるのが残念。
    でも知られざる土地の独自の風習が出てくる度にわくわくしたし、可能なら穏に暮らす別の人の視点でもっと穏を知りたいと思った。

  • 2014/7/19。2014年19冊目。
    図書館で読んだ夜市の雰囲気が余りに好みすぎて勢いで借り…
    何故気付かなかったのかしらと呆れる位に、好み過ぎ。

    冬と春の季節の代わり目に雷季という神の顕現するような季節のある、こちらとは異なる場所「隠」。
    街と外とを隔てるハカマチ、不思議な存在、風わいわい…
    こちらとあちらを隔てた平原…
    読み応えがあって面白かった。

  • こちらの世界と共通する物もあるのに、明らかにこちらとは違う世界って、子供の頃から好きなんです。好きというより、今でもそんな世界が何処かに在ることを露ほども疑わないまま、此処まで来てしまったというか…
    この作品に出てくる穏(オン)の、漢字のイメージからは想像できないもう一つの世界。

    行ってみたいけれど、その住人になるにはかなりハードル高いみたいです(x_x)

  • 風霊鳥よ、降りてこい。ー

    ここはどこだ?分からなくて当然。この世界にはない、別の世界の話。
    でも、こちらと向こうは繋がってて行き来ができるのだ。
    向こう?穏って言う小さな国のような所のこと。
    昔、こちらから穏に渡った少女と少年がいた……

    楽しぃー。すごいスピードで読み終えてしまった。何の詰まりもなく、シュッと駆け巡った。ファンタジーなのかな、これ。
    この世界以外に異世界があることに疑問を持つ私は、こういう物語を読んで、あったらいいなーと空想する。この時だけ、あるような気がするのだ。

  • 自分たちが暮らしている世界のほんのすぐ側にあるかもしれないと思わせる、
    不思議で懐かしい世界観はこの作者の妙だと思います。


    ―――時が過ぎていくのが分かるでしょう?―――


    冬と春の間に、もう一つ別の季節である『雷季』を持つ世界、【穏】。
    外を風わいわいと呼ばれるおばけが駆け抜けていくその季節では、人はみな
    家の中で息を潜め、過ぎて行く時間の音を聞く。
    音を立ててはならない。
    注意をひいてはならない。
    だって風わいわいに魅入られると攫われてしまうから……。

    ある年の雷季に姉を攫われてしまった主人公は、他に身内もなくひっそりと
    穏の世界で生きていた。
    仲良くなった者たちもおり、いつまでもこのまま穏やかな時間が続くかと
    思われたが……。

    ストーリーはごちゃごちゃしておらず、読みやすい長編です。
    毎度のことながら、脅威となる存在をわる~く見せる描写力はスゴイ!
    読んでて本当に憎たらしくなってきます。

    色んな人がいて、色んな感情を持っていて、色んな結末があって……。
    そのどれもが静かに、穏やかに。陽だまりに滲んで消えていくような。
    そんな切ない終わり方をする物語でした。
    印象が強く残ったのでこの評価です。

  • 「穏」という地図にない土地が舞台で、春夏秋冬の他に雷季という雷の季節があり、雷季が過ぎれば世界は浄化される。閉鎖的な「隠」での風習・怪談から紡がれる物語が不思議と心地よい。夜市もそうだけど、作者の描く異世界に惹かれるのは何故だろうな...

  • 恒川さん2冊目。最初はナギヒサが怖くてどうなることかと思いながら読み進めていった。唐突だと思った茜のパートがうまく繋がっていって、構成の上手さに唸らされた。風わいわいがなんだか可愛くて好き。面白かった。恒川さんのこの幻想的な世界観好きだな。貴志祐介の『新世界より』と似た雰囲気。2011/627

  • 謎は残ってるけどオモロかった。 世界地図に載ってない場所『穏』、四季以外に雷季があり、雷季には鬼が歩き回り、『風わいわい』が人に取り憑く。この設定だけで引き付けられる。 強烈な悪役がいたから終盤は加速したんやろなぁ。賢也が下界に着くまでに、もう一悶着(獣が襲ってくるとか)欲しかったけど、今振り返ると無かったからテンポが良かったんやろな。 「風の古道」の世界との繋がりを匂わせてくれたので嬉しかった。

  • ホラー感はあんまりないですが、不思議な話です。

  • ◆先入観で8月だと思った雷季とは、冬と春の間にある神の季節。◆恐ろしかった。舞台描写は『夜市』同様キラキラと美しかったけれど、描かれている暴力の連鎖が恐ろしい。キュウちゃん・ナギヒサ・沙智子・トバムネキのおぞましさ。「殺さなければ殺される」…卑劣な暴力に立ち向かうため、思考を停止し、同じ土俵に立つことを強いられ、自らの手を血で汚すことを正当化せざるを得ない恐怖。◆高天原の草原の上を飛び交う風わいわいを想像することはとても素敵。本当にふと「穏」に迷い込んでしまいそうなその世界観は流石。◆読後、無性に『ゲド戦記』を再読したくなりました。【2013/08/27】
    ◆「風わいわい」…勝手にハシビロコウのビジュアルを当てて読みました(笑)

  • ファンタスティックノベル。確かにどこにあるのか分らない「穏」の出来事は不思議な魅力でした。主人公の賢也と穂高の友情は美しいし、最後に明らかになる賢也の生立ちと茜の出会いなども魅力的で、一気に読みました。しかし、やはりホラー小説家なのでしょうか、あまりにも残酷に簡単に人殺しが行われたり、突然信じられないような変貌が起こったり・・・。途中までの美しい世界が墓町へ一人行ってヒナの姿を見てからが、残酷すぎました。

  • あっと驚く展開に感動!!ホラーファンタジー!

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雷の季節の終わりにの作品紹介

現世から隠れて存在する小さな町・穏で暮らす少年・賢也。彼にはかつて一緒に暮らしていた姉がいた。しかし、姉はある年の雷の季節に行方不明になってしまう。姉の失踪と同時に、賢也は「風わいわい」という物の怪に取り憑かれる。風わいわいは姉を失った賢也を励ましてくれたが、穏では「風わいわい憑き」は忌み嫌われるため、賢也はその存在を隠し続けていた。賢也の穏での生活は、突然に断ち切られる。ある秘密を知ってしまった賢也は、穏を追われる羽目になったのだ。風わいわいと共に穏を出た賢也を待ち受けていたものは-?透明感あふれる筆致と、読者の魂をつかむ圧倒的な描写力。『夜市』で第12回日本ホラー小説大賞を受賞した恒川光太郎、待望の受賞第一作。

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