雷の季節の終わりに

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著者 : 恒川光太郎
  • 角川書店 (2006年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048737418

雷の季節の終わりにの感想・レビュー・書評

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  • ◆先入観で8月だと思った雷季とは、冬と春の間にある神の季節。◆恐ろしかった。舞台描写は『夜市』同様キラキラと美しかったけれど、描かれている暴力の連鎖が恐ろしい。キュウちゃん・ナギヒサ・沙智子・トバムネキのおぞましさ。「殺さなければ殺される」…卑劣な暴力に立ち向かうため、思考を停止し、同じ土俵に立つことを強いられ、自らの手を血で汚すことを正当化せざるを得ない恐怖。◆高天原の草原の上を飛び交う風わいわいを想像することはとても素敵。本当にふと「穏」に迷い込んでしまいそうなその世界観は流石。◆読後、無性に『ゲド戦記』を再読したくなりました。【2013/08/27】
    ◆「風わいわい」…勝手にハシビロコウのビジュアルを当てて読みました(笑)

  • 「隠」という地図上に無い閉じた世界から始まる物語。
    恒川氏の言葉選び、造語の妙と巧みな描写力で冒頭から物語の世界に引き込まれます。
    古い因習・風習の残る「穏」という場所は郷愁を誘うけれども、閉鎖社会の息苦しさや余所を受け入れない頑なさがどこかリアルでもあり、まるで本当にこの世界と隣り合わせに存在するのではないかと思わせる。
    現実世界との境界・歪みを表す描写も、目に浮かぶようでした。
    中盤から少し色を変え、ラストはちょっと駆け足で過ぎた感はありますが、恒川氏の世界観は本当に素敵です。
    本当に怖いのは人の歪んだ悪意。

  • 恒川光太郎2冊目。(一冊目=夜市)
    いやー、この方の独特の妖しくて美しい世界、素晴らしいです。
    でも「夜市」にはかなわないかな。
    ・・・長編=登場人物が多く、その登場人物に寄りそうように細かく描写しているせいか、ちょっと全体的にボヤケた感じになってる気がするのはワタシだけでしょうか?
    でも、それでも素敵な本でした。
    まだまだ恒川光太郎氏の本、読み続けたいと思います♪

  • 現世から隠れて存在する小さな町・穏で暮らす少年・賢也。彼にはかつて一緒に暮らしていた姉がいた。しかし、姉はある年の雷の季節に行方不明になってしまう。姉の失踪と同時に、賢也は「風わいわい」という物の怪に取り憑かれる。風わいわいは姉を失った賢也を励ましてくれたが、穏では「風わいわい憑き」は忌み嫌われるため、賢也はその存在を隠し続けていた。賢也の穏での生活は、突然に断ち切られる。ある秘密を知ってしまった賢也は、穏を追われる羽目になったのだ。風わいわいと共に穏を出た賢也を待ち受けていたものは―?透明感あふれる筆致と、読者の魂をつかむ圧倒的な描写力。『夜市』で第12回日本ホラー小説大賞を受賞した恒川光太郎、待望の受賞第一作。
    (BOOKデータベースより)

  • 「夜市」で日本ホラー小説大賞を受賞した恒川光太郎さんの2作目。「夜市」(というより一緒に収録されていた「風の古道」)がよかったので期待しつつ、期待しすぎないように気をつけながら読み始めました。2作目だからね。でもそんな気を配る必要はなかった。面白いです、これ。ここではない別の世界が舞台なんですが、細かい描写もしっかりしてて薄っぺらくなっていない。雰囲気あります。伏線もうまく張られ、きれいに収まっていて。ラストの展開が微妙っちゃ微妙。それでも次の作品(もう出てるみたいね)も必ず手に取ろうと思えるくらいよかったです。

  • 暗めのファンタジー。こういう雰囲気好きだなぁ。風わいわいがいるような世界観も、茜の話と賢也の話の繋がり方も好き。お姉ちゃん!!最後の2ページは胸が苦しくなった。賢也のこれからの人生が、穂高と姉の人生とは交わらないであろうことが辛い。でも、賢也にとってはその方がいいのだろう。

  • この世界とどこか接点を持った異世界を舞台に,悪意が行き来する.「風わいわい」という鳥のようなもの,神の使いのような存在なのかもしれない.この存在は不思議だが,どちらの世界にも同じような悪もあれば善もあるということかな.

  • 読み終わった。この寂寥感をどう表現したら良いのか言葉がうまく見つからない。
    バラバラだったひとつひとつの断片が徐々に組み合わさって全体像がだんだん見えてくる時のゾクゾクした感じもなんとも言えない。
    出逢えて良かったと思える本。この人の文章、やはり好きだ。しばらくは本の世界観にどっぷり浸っていたい。でもこの人のほかの本も早く読みたい。

  • 楽しめた。でもやっぱり短編の方が読みやすくて好きかもしれない。早田は結局何者だったんだろう。以下に詳しい感想が有ります。http://takeshi3017.chu.jp/file6/naiyou17008.html

  • ファンタジー、ホラー、フォークロアの要素を巧みに融合した世界観が素晴らしく、いつまでもこの作品世界に浸っていたい気持ちになりました。
    冬と春の間に二週間だけあるとされる「雷季」の設定や、風霊鳥、墓町、闇番、鬼衆などの不思議さを感じる数々のものにも想像力を掻き立てられます。
    長編ならではと言えそうな構成の工夫もあり、興を削がれることなく最後まで楽しめる作品でした。

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雷の季節の終わりにの作品紹介

現世から隠れて存在する小さな町・穏で暮らす少年・賢也。彼にはかつて一緒に暮らしていた姉がいた。しかし、姉はある年の雷の季節に行方不明になってしまう。姉の失踪と同時に、賢也は「風わいわい」という物の怪に取り憑かれる。風わいわいは姉を失った賢也を励ましてくれたが、穏では「風わいわい憑き」は忌み嫌われるため、賢也はその存在を隠し続けていた。賢也の穏での生活は、突然に断ち切られる。ある秘密を知ってしまった賢也は、穏を追われる羽目になったのだ。風わいわいと共に穏を出た賢也を待ち受けていたものは-?透明感あふれる筆致と、読者の魂をつかむ圧倒的な描写力。『夜市』で第12回日本ホラー小説大賞を受賞した恒川光太郎、待望の受賞第一作。

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