夜は短し歩けよ乙女

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著者 : 森見登美彦
  • 角川書店 (2006年11月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048737449

夜は短し歩けよ乙女の感想・レビュー・書評

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  • 威風堂々と歩く彼女と路傍の石ころと甘んじつつ
    片思いしている男の子。

    好きな女の子をストーカーの如く追い回し、
    ご都合主義も恐れることなく、ぐいぐいと人も運命も繋げていくお話を
    かくも壮大な物語と足らしめる文章の妙が絶妙に楽しい。

    彼女の行く先々で偶然を装い出逢うべく、
    奔走する先輩と黒髪の乙女の間に起きる
    不思議で魅力的な出来事と縁の数々。

    残念にすれ違いながらも重なっていく思い出。

    妖怪の如く得体の知れない老人・李白さん。
    三階建の風変りな乗り物に、ぎっしりのお宝の本や浮世絵、
    口に含むたびにじつに可愛らしい花が咲き
    お腹の中がお花畑になっていくかのような感覚を覚える
    「偽電気ブラン」と名付けられた、幻のお酒。

    錦鯉と春画を愛する東堂さん、鯨飲の美人・羽貫さん、
    掴みどころなき天狗・樋口さん、詭弁踊りの考案者・内田さん。

    齢を重ねた木々が立ち並ぶ森の参道に幾つものテントが
    立ち並ぶ暑い夏の日の「下鴨納涼古本まつり」。
    本についてなんでも知っている少年。古本市の神様。

    学園祭でゲリラ的に細切れ開催される演劇「偏屈王」。
    パンツ番長の恋。

    嵐のように町に蔓延する強烈な風邪と神様の計らい。

    ―――今までの人生で読んできた本をすべて順にならべてみたい。

    ほんとにその通り。
    自分の読んできた本の歴史は、自分の思考の歴史の一旦。
    だから、ブクログなどのツールで読んだ本や持っている本を
    羅列して振り返ることができることがすごくうれしい。
    小さい頃からの忘れてる本の記憶も全部全部羅列できたら幸せだろうなぁ♡

    1つの恋を奇想天外に繰り広げた筆力に感嘆!
    じれる想いも可笑しみに変わり魅力となる森見ワールド。

    「夜は短し 歩けよ乙女」
    願わくは 恋する2人に 声援を。

  • 久しぶりに再読です。

    黒髪の乙女と彼女に恋する先輩の、不思議でおかしな春夏秋冬を描いた物語。
    無邪気は無敵、を体現するような黒髪の乙女がかわいらしいです。
    登美彦氏の筆によりワンダーランドと化した京都の町を、ふわふわと歩き回る彼女のヒロインっぷりはあっぱれ。

    個人的には春の物語が好き。
    ぼんやり霞んだような季節と、あやしくおかしな京都の夜、そしてお酒の酩酊感の相性は抜群です。

  • 色々な方のレビューを拝見させていただき、独特な文章なので、大正ロマンチックな雰囲気の漂わせ方&後半からのキテレツな文章で、読者が好む好まないの大きく二つの結果に分かれていた意味を深く理解することができました\(^o^)/。
    京都を舞台に、好きになった同じ大学生の女性と、どのように自然な形でお近づきになれるのかと、主人公はストーカー的な感じで彼女のあとをつけ、いつも自分の妄想とは違い、とんでもない方向へ進んでしまうのですが、まるで漫画のようで面白かったです。
    私が特に好きだったのが、学園祭。
    ゲリラ的に出没する芝居&こたつ(豆乳鍋を食す)、象のお尻の模型展示(撫でてみたい)…なんとも本当にあったら是非楽しんでみたい〜♡。
    作品全体が着物をきての設定ならもっと違う形で楽しいのでは…なんて思いながら良いんに浸りました(^-^)/。

  • 何度読んでも、良いものは良い。
    主人公の、迂遠なるアプローチで黒髪の乙女に想いを寄せる男子、黒髪の乙女、その他魅力的なキャラクターが、京を舞台にお祭り騒ぎ。ごちゃごちゃとしていて、わけのわからんものが跳梁跋扈して、それでいて、楽しく、夢がある。
    まるでおもちゃ箱のような本である。
    文庫を持っていたが、読みすぎてぼろぼろになったので、長持ちするようにとハードカバーで買い直した。
    こんな素敵な本に出会えたのも、何かのご縁。

  • 黒髪の乙女と私の不思議で、かわいいお話です。

    古風な文体が大好きです。ゆっくりのんびり読書したい方にオススメ。

    逆に、その古風な文体が読みにくくて苦手な人もいるみたいですが、
    私は森見登美彦さんの独特な文体や言葉の使い方が可愛くてすきです(^^)

  • くるくる変わる場面と、現実非現実の曖昧な感じ。やはり、森見さんの小説だなぁとしみじみ思う。
    「先輩」より「黒髪の乙女」が語り手のパートが好きだった。どんな状況も前向きに捉えてしまえるのが、とてもステキだ。日常をキラキラした冒険に変えられる彼女に憧れる。
    あと、樋口君と羽貫さんが、個人的に好きだったのだけれど、この2人がメインで出てくる話はないものかしら。

  • 歩くこと。わくわくの始まり。

  • 『太陽の塔』で衝撃的デビューを果たした森見登美彦がこの作品で大ブレイク。
    京都を舞台にして硬派の男子学生が主人公なのはデビュー作や『四畳半神話大系』と同じだが、今回は主人公の視点とその後輩である無邪気な女子大生の視点とで交互に語られる。

    主人公の「私」は後輩の黒髪の乙女に恋をして、「ナカメ作戦」で苦闘している。これは「なるべく彼女の目にとまる作戦」を省略したものだ。
    主人公の行動や語り口はどう見ても三四郎と同世代の書生風なので、どっぷり浸かっていると「メール」などの現代用語が突然出てきてビックリする。ああ、現代の話だったんだなと我に返る。上手いねえ、相変わらず。

    そして、ついに女性をきちんと書いた。きちんとまではまだいかないか。
    とにかく、今までは本丸に突入できずに外堀ばかり埋めている男性側の事情に終止していたのが、今回は本丸側の事情も垣間見えるので楽しい。
    これは若者に受けるだろう、と思ったらマンガにもなっているそうで。なむなむ!

    第三章の「御都合主義者かく語りき」は本当に面白かった。
    学園祭の様子が書かれているのだけれども、学内全域に神出鬼没して人をコタツに誘い鍋を振舞う韋駄天コタツ、構内の路上で突如上演されるゲリラ演劇「偏屈王」、あちこちへ出現する謎の達磨、模擬店で売っている「おとこ汁」という汁粉、「象の尻」の展示、阿呆の祭典が次から次へと繰り広げられる様は圧巻です。ウチの大学もこのくらいやってくれればなぁww

    主人公である先輩と、後輩の黒髪の乙女との世にも不思議な恋物語、是非多くの方々に楽しんでいただきたいと思います。

    【気に入った文】
    そのとき、カンカンカンと甲高い鉦の音がすぐそばで聞こえました。続いて「ヨーソロー」「ヘイホー」といった不思議な掛け声が聞こえ、数人の学生たちが慌ただしく集まって来たのです。彼らは真紅の腕章を取り出すと、無駄のない動きで腕に巻きました。
    「午後二時、『偏屈王』開演!」
    鉦を叩いていた女性の大きな声が、階段から廊下へ響き渡りました。
    「第四十七幕!」
      *  *  *
    「恥を知れ!しかるのち死ね!」
      *  *  *
    「ひとりある身はなんとせう!」

  • 森見登美彦の独特の世界観と文体に浸りっぱなし。心地良すぎる。
    自分がこれまで読んできた数少ない本たちとの出逢いは奇跡だったのだな、としみじみ思うと同時に、なんだかその出逢いに改めて感謝した。

    毎度森見さんの物語を読んでいて思うのだが、本当に本当に京都で学生生活を送ってみたかった。のんべんだらりと青春を謳歌してみたかった。読んでいてそんな私情も交えつつ、甘酸っぱい気持ちになりました。

  • 何度も読んでいるが最後に読んだのも随分前のこと。
    アニメ化されるとのことなので再読しようと思う。

    「古本市の神様」「詭弁論部・詭弁踊り」「偽電気ブラン」「おともだちパンチ」

    適当に思い出した言葉を並べた。
    読んでいないとわからない。
    読んだことがあると、ニヤりとしてしまう。

    京都の街並みが、ファンタジーになる。

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夜は短し歩けよ乙女の作品紹介

私はなるべく彼女の目にとまるよう心がけてきた。吉田神社で、出町柳駅で、百万遍交差点で、銀閣寺で、哲学の道で、「偶然の」出逢いは頻発した。我ながらあからさまに怪しいのである。そんなにあらゆる街角に、俺が立っているはずがない。「ま、たまたま通りかかったもんだから」という台詞を喉から血が出るほど繰り返す私に、彼女は天真爛漫な笑みをもって応え続けた。「あ!先輩、奇遇ですねえ!」…「黒髪の乙女」に片想いしてしまった「先輩」。二人を待ち受けるのは、奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった。天然キャラ女子に萌える男子の純情!キュートで奇抜な恋愛小説in京都。

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