つくもがみ貸します

著者 :
  • 角川書店
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感想 : 253
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048737869

感想・レビュー・書評

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  • ほのぼのしつつも、先が気になりページが進む畠中ワールド全開
    でありました。

    付喪神のみなさんがヤリ手でステキだった。
    畠中さんちの妖怪は結構みなさん、お節介で世話好き噂好き、ちょっとどころでなくお人好し~な感じがするな笑。

    付喪神が出てくる話は、ほのぼのしか読んだことがないけど、
    室町お伽草紙なんかには、粗末に扱った持ち主をさらっては
    切り刻む恐ろしい酒池肉林話があるそうだから、怖いものみたさでちょっと
    読んでみたいかも。

  • 江戸は深川、お紅と清次、血の繋がらない姉弟二人で切り盛りする小さな古道具屋兼損料屋、「出雲屋」。
    調度品から小物類、鍋、釜、布団から果てはふんどしまで何でも貸し出すのが損料屋ですが、このお店(たな)には他所ではちょっと見られない、妙な品も混じっている様子……。その妙な品というのは、生まれて百年を経て付喪神という妖怪に化した古道具たち。
    気位が高いくせにお喋りな上いたずら大好きでおせっかいな付喪神たちは、今日もせっせと、貸し出されては行く先々で色々な噂を仕入れ、お紅と清次、そして周囲の人々を引っ掻き回すのでありました。
    でも、そんな騒動の中に、お紅の探す『蘇芳』という名の香炉が見え隠れして――?

    付喪神たちが巻き起こすちょっとした騒動。
    他所様の揉め事に進んで首を突っ込んでは引っ掻き回す付喪神。他人に言うにいえない(だってまさか付喪神がやったんですなんて言えないし)そんな騒動の火消しに追われるお紅と清次。
    そんな騒がしさの中に見え隠れするお江戸の人情にほろり。お紅と清次の微妙な恋にやきもき。そして最後にはほっこり心が温まるお江戸妖怪ファンタジー。

    人気シリーズ『しゃばけ』とはまた違ったお江戸もの。妖怪もの。
    畑中先生の描く妖怪は湿気っぽいところが全然なくてさっぱりしてます。妖怪にも江戸っ子気質ってあるんでしょうか。

  • 時代物ホラー・ファンタジー短編5編連作集。江戸の片隅で、親を亡くしたお紅を叔父の養子である清次が助け二人で切り盛りする古道具屋・損料屋出雲屋。鍋釜、布団にふんどしまで、何でも貸し出す店ですが、ちょっと妙な品も混じっているようで…。彼らは、生まれて百年を経て妖しの力を携えた、つくもがみという妖怪に化した古道具。その古道具を貸し出した先で情報を集めたり幽霊騒動を収めたり…。紅に惚れた大店跡継ぎ佐太郎とお紅を姉さんと呼ぶ義弟清次の恋模様を絡めて進行します。貸し出され付喪神達の仕入れた情報の会話が面白い。

    しゃばけシリーズは未読ですが、畠中ファンタジー面白いですね!5編は、利休鼠・裏葉柳・秘色・似せ紫・蘇芳。《裏葉柳》が構成に凝っていて良かった。ほのぼのし表紙が好みならお勧めします。次巻『つくもがみ、遊ぼうよ』

  • 江戸時代、今で言うレンタル店のような店にいる古道具たち。百年以上経ってつくも神となり、噂話に花を咲かせます。
    店の主である男女二人にはお構いなしで、あれこれとしゃべる様子は、とてもコミカルで楽しいです。
    ただ、人間とは口を利かないので、お互いさりげなく頼みごとを話の中に紛れさせたり、それとなく意思疎通を行っていたりします。
    やがて、つくも神をあちこちに貸すことによって頼まれごとを解決するようになるのですが、話の最後まで蘇芳という人物を引っ張ります。
    いったい主とどんな関係にあるのかが少しずつつくも神たちの話からわかっていくのです。
    それが気になって、結構一気に読んでしまいました。
    後味も悪くなく、どちらかというとほのぼのとしていて、時代物らしからぬ読みやすさでした。

  • 再読

  • 読み終わってなんだかほっこり。
    読んでいくうちにつくもがみたちがだんだんかわいく思えてきました。

  • 「可愛い江戸」を純粋培養

    100年の時を経て器物に宿るという付喪神。様々な物を貸し出す古道具屋兼損料屋を営む出雲屋の店先は根付けに掛け軸、人形に櫛など今日も付喪神たちのおしゃべりでかしましい。彼らの話題はもっぱらこの店を切り盛りするお紅と清次の姉弟のことだ。

    おしゃべり好きなつくもがみたちは、自分の貸し出された先での体験や噂話を店に戻ってくると面白おかしく語る。彼らのおしゃべりは人間であるお紅と清次にもちゃんと聞こえているのだが、その内容に2人が反応してつくもがみたちに呼びかけたとたん、話はぴたっと止む。まるで「だるまさんがころんだ」みたい。

    彼らの間にはお紅・清次に決して応えてはならないという不文律があるらしい。二人のことが気になって気になってしょうがなく、まったく勝手なことばかり言っているにも関わらず、つくもがみ一同がかっちりこれを守り「モノ」としての矜持を守ってるってところが妙に笑える。

    なので、結局のところこのつくもがみたちと人間との直接の交渉は最後まで無い。けれども、おきゃんなお紅、実姉ではないものの姉思いの清次は、そのあたりのこともよくわかっていて、二人の周りに起こる事件の解決のために彼らを巧みに動かしていくのだ。

    ストーリー自体は込み入ったものではなく、お紅の長年の思いにまつわる「蘇芳」の香炉の話をベースに、二人の周囲に起こる事件を描く。江戸時代のことを知るにつけ、江戸の人ってなんだかとってもお茶目で可愛いらしいと感じるのだが、おなじみの「しゃばけ」シリーズはもちろん、この「つくもがみ」にしても、畠中さんの小説はその可愛らしさや茶目っ気を純粋培養して出来ているようなところがあって憎めない。

  • 2013.2.12

  • 最初、ちょっと違うかもなぁと思ったけど、1話毎に面白味が増していく感じ。
    「裏葉柳」が愉しかった。

  • 俺は畠中さん作品が大好きですo(^o^)o
     
    しゃばけシリーズ12巻
    まんまことシリーズ3巻
    モチロン読破してます('◇')ゞキリッ
     
    こちらは‥
    今のところシリーズ展開は無いみたいですが‥
    読み易く/楽しい作品に思いますヽ('ー'#)/
    (※他の畠中作品も読み易く楽しいですが‥
    他の方のレビューには酷評が多く‥大変驚きました(ΘoΘ;))
     
    ■□■□■□■□
     
    壁に耳有り/障子に目有り‥
    目や耳が壁や障子で無く‥あんなもんやこんなもんに有ったなら?
    そしてそれらがしゃべったなら(・ω・)ノ?
     

    この手のおはなしは‥ウチの大好物♪

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著者プロフィール

高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学卒。2001年『しゃばけ』で第13回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、小説家デビュー。「しゃばけ」シリーズは、新しい妖怪時代小説として読者の支持を受け、一大人気シリーズに。16年、同シリーズで第1回吉川英治文庫賞を受賞。他に『つくもがみ笑います』『かわたれどき』『てんげんつう』『わが殿』などがある。

「2023年 『あしたの華姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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