スワンソング

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048737890

感想・レビュー・書評

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  • かつての恋人との思い出。

    同じ編集者であり同僚であった僕と由香。
    そこにアルバイトで入ってきた由布子のことを、僕は好きになってしまった。

    向き合おうとしなかった由香との別れ話。
    同じ職場という環境で、日に日に精神を削られていく由布子。

    真夜中に孤独に飲まれることを恐れ電話をかけてくる由布子のアパートへ駆けつけ
    身の回りの世話をし、泣きじゃくる彼女を寝かしつけ、
    翌日には会社へと向かう日々。

    それぞれの幸福だった思い出と同時に失ったもの。

    著者の本って久しぶり~。

    彼女の名前に由がつくの多いよね!ディスカスにパイロットフィッシュやら。

    って思ったけど編集者に北海道出身、ドイツ、恋人の別れ、死、
    話の内容も含めてまた似たり寄ったりな設定にちょっとうんざりした)^o^(




  • あまりにも哀しすぎる恋の物語


    略奪愛
    一言で言ってしまえばそれで終わりだけれど、そこにはたくさんの苦しみが含まれていて
    奪われる方だけでなく、奪う方にも


    それこそ、山手線のように、苦しみや哀しみ、辛さ、そして喜びが3つの駅でぐるぐるとまわっている

  • 静かな音楽が流れているのを感じられる本。

    恋愛は結局はエゴだ。
    新しい出会いは必ず別れを伴うし、誰かを笑顔にさせた行為が誰かを泣かせる。
    人と人の出会いは傷を負うけど、それでも一度好きになってしまったら、もうその気持ちをなかったことにはできない。自分の心に嘘はつけないから、気持ちがその人に流れたことは取り消せない事実になる。

    美術館の場面や電話の場面など、ひとつひとつのシーンが映画のように美しい小説だった。

  • 読んでてすごくイライラした。

    良、由布子、由香。どの人物にもまったく共感できない。

    良と由布子は共依存に陥ってるし、良は由布子を理想化しすぎてるし、由布子は嫌な甘え方してるし(あれは相手が自分のことを見捨てないと確信している女しかできないこと)、由香の「別れるってことは自分の人生を否定すること」とかなんとかいうのは全く理解できないし。じゃあ初めてつきあった人と結婚して添い遂げることでしか、価値のある人生は送れないの?

    なにより由布子が自分の娘に「由香」って名づけてるのが・・・狂気!
    仮にも自分の行動が引き金で自殺した女の人の名前だよ?
    なんの罪もない娘にそんなの背負わすなよ・・・

    とにかくイライライライラするお話です。
    好きな小説ではない。

    ただ、物語の質は悪くないから☆3つ。

  • 全般的に幻想的に話は進んでいく。まるで現実と病気の狭間のように。
    始めは、あまっちょろい男だと思った。女と別れるときは罵りあうべきだと思う。後腐れを無くすために。男の優しさと弱さを履き違えている。由布子の鬱の原因は、こいつのせいだろうと・・
    献身的な男には全く共感はできないが、ある意味ここまでくるとすごいと思った。
    最後に由布子の実家に行くくだりは、ドキドキした。ハッピーエンドにはならないとは予想していたが、ラストシーンは、さすがに感動した。

  • 三角関係。
    重い。

  • ずーっと手足が冷えるような心地悪さのままに読み進めてたんだけど、気が付いたら、ちゃんと人のやさしさが主人公を包んでた。すごく低温なんだけど。

  • 優柔不断で愚かな男が招いた事。
    きっと彼はこれから贖罪として生きていくんだと思います。

  • 負のオーラが特に強い本でした。
    落ち込んでいるときに読む本ではないですね。
    なかなか奥が深く、読んでいて、「ああ、これって完全に大人の世界の本だなあ」っと思いました。
    とてつもなく悲しい恋のお話。
    ただ、悲しいだけではなく、そこにはいろいろな苦しいなどが複雑に絡み合っているのだと感じました。
    特に、最後の方は胸にキュンっときて、泣きそうになるくらい辛い話です。
    結構、文章表現のレベルが高くて、読解しづらい部分があったので、もうちょっと読解力をつけてからまた読み直したいと思いました。

  • 相変わらずの大崎ワールドでした。
    「孤独」が強く感ぜられるストーリって
    嫌いな話ではないんですが、私が読了した時期が悪くて
    異様に悲しくなり、あまり好印象ではないのでした。
    ごめんなさい。

著者プロフィール

1957年、札幌市生まれ。大学卒業後、日本将棋連盟に入り、「将棋世界」編集長などを務める。2000年、『聖の青春』で新潮学芸賞、翌年、『将棋の子』で講談社ノンフィクション賞を受賞。さらには、初めての小説作品となる『パイロットフィッシュ』で吉川英治文学新人賞を受賞。

「2019年 『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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