世界の終わりの終わり

著者 :
  • 角川書店
3.24
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本棚登録 : 297
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048737944

感想・レビュー・書評

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  • 脳内に妹と影という存在を持つ男。
    作家を目指し書籍化するが6冊出して全部売れず、講談社から見捨てられた作家。
    復習のための小説を書くため北海道から上京するが、小説が全く書けない。
    変な宗教少女と同棲することになり、その少女も自殺する。
    狂気のはざまの中で、男は再生できるのか?という話。
    面白いかどうかは、人によるかもしれない。
    創作をやっている人なら、読む価値があると思う。

  •  作家になるという夢をかなえたものの、そのあまりの売れなさに作家としての道を閉ざされた「ぼく」が、田舎町を捨て都会に復讐するために上京し、頭のおかしな行為を繰り返しながら、何度も自答して何度も自滅して何度も終わりを迎えるおはなし。

     この作者ほんとうに妹が好きなんですね。こわい……。

  • 佐藤さんの表現は好き。
    ただ、登場人物(特に女性)が
    自分的に気に食わない(笑)感じで
    読んでいて複雑な思いをした。
    読み進めたいのに、
    腹がたつ感覚。

  • 【188】

  • 2014 3/28読了。
    ゆやたんがマジで売れていない時期から復活してくる時期くらいにかけて、新現実に書いていた話。
    ずっと前に買ってたのにしばらく置いていたのを再読。
    ジャケット外して、隠れていたカバーを見て「ああ、こういう感じなんか懐かしい」とか思ったり、なんだり。
    妹押しとか、一見のギャルゲっぽさとか、中身の妄想的な感じとか、サリンジャーっぽさとか。ゼロ年代を感じて良い。

    最後、まったくの絶望で終わることはないだろうと思ったけど、案の定かというか、ゆやたんが立ち直ってきたからこっちに行ったんだろうか。
    夢が叶うってどういうことなのか、とかなんとか。

  • 作家の今までに辿って来た経緯、それからの悩みをコミカルに描いたのかな、という印象。
    孤独に物語の重要性があると思いこんでいたが、主人公が脳内で創造した妄想の産物の妹と話すという場面がちらほらあったり、人物との会話がメインになっているような気がした。これじゃラノベじゃないか。言葉遊びによる文章は改行も含め字数稼ぎにも思えてならない(こういう小説に読みなれていないからかもしれない)。内容を説明すると、まあ何とも難しい代物だが、現代版メフィスト風「ライ麦畑でつかまえて」とかになるのかな、またはそれを壊そうとするかのような反社会的方向に向かう小説。結論を言えば違うだろうけど、大筋はそんなところから大きく外れたりはしてないと思う。
    自分が読んだのは単行本なのだけれど、表紙は東京タワー(?)なんかを彷彿させる網目の影が交差しているだけの特徴もないようなデザイン。しかし、そのカバーを取るとまるっきり違うデザインが! これには一杯食わされた。

  • 佐藤友哉さんの小説である。

    『1000年後に生き残るための青春小説講座』で書いていたことを、小説で実践した作品なのかなと思って手にとった。

    作家の挫折と再生。夢を叶えたあと、いかにその夢を持続させるか。
    個性的なキャラが出てきたりして、寓話的な感じ。イチオシ作品だ。

  • 2012/12/13
    復路

  • かなり久々の佐藤友哉。相変わらずの自虐ネタを織り交ぜたような何とも言えない作風である。でも嫌いじゃないよ。

  • 目次
    『世界』の終わり
     悪いのは全部 君だと思ってた くるっているのは あんたなんだって つぶやかれても ぼんやりと空を 眺めまわしては 聞こえてないふり(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT/世界の終わり)
    『世界の終わり』
     人々は愛し合い 傷付け合う機会を もてあそんだ(THEATRE BROOK/世界の終わり)
    『世界の終わり』の終わり
     Why do the birds go on singing? Why do the stars glow above? Don't they know it's the end of the world It ended when I lost your love(Skeeter Davis/The End of the World)

    ここは世界の終わりの終わり。
    ここぞ世界の終わりの終わり。
    ここで世界の終わりの終わり。
    ここが世界の終わりの終わり。
    青春という青春を地獄の業火で焼きつくし、
    才能という才能が絶望の業火で燃え終わり、
    最後という最後に勝利の聖火で世界を行進。
    すばらしく最悪ながらも美しき世界の更新。
    これは……そうした物語だ。
    誰も読んだことがない物語。
    誰も読んではいけない物語。
    それでは、お楽しみ下さい。
    願わくば、どうか最後まで。

    ここは世界の終わりの終わり。
    ここぞ世界の終わりの終わり。
    ここで世界の終わりの終わり。
    ここが世界の終わりの終わり。
    世界が終わり、さらにもう一度終わったら、そのあとには、はじまりしか残っていないのだから。

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著者プロフィール

1952年北海道釧路市生まれ。
1974年に北海道教育大学札幌分校特設美術課程卒業(美学・美術史専攻)。1976年に北海道教育庁北海道新美術館建設準備室の学芸員、翌年には北海道立近代美術館学芸員となる。1985年北海道立旭川美術館学芸課長。1990年からは北海道立近代美術館に戻り、2004年同館学芸副館長。2012年から2022年まで札幌芸術の森美術館館長を務める。この間、それぞれの美術館で数多くの北海道ゆかりの作家の個展や現代美術展を企画開催。
現在、AICA国際美術評論家連盟会員、北海道芸術学会会員、北海道美術館学芸員研究協議会会員。また旭川市中原悌二郎賞、札幌市本郷新記念札幌彫刻賞、ニセコ町有島武郎青少年公募絵画展、北海道陶芸展などの審査員を務める。

「2023年 『北の美術の箱舟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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