ホルモー六景

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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048738149

感想・レビュー・書評

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  • 『鴨川ホルモー』の続編、のようなもの。

    相変わらずのくだらなさが、肩の力をふっと抜いてくれる。ばかばかしくて、でもほんのちょっぴり教養も散りばめられていて、なんだか楽しくなってくる。

    定子と彰子なんて、古典を思い出して「ぬはっ!」っとなってしまいました。
    二人静、上手いなあ。
    紫式部、清少納言…平安を代表する二人の女流作家に仕えた、女中の名前。
    定子と彰子を「さだこ」と「しょうこ」で使ってくるなんて、となんだか嬉しくなっちゃいました。

    梶井基次郎の『檸檬』なんかも、ごく最初の方に「あれれ…?これって梶井基次郎?」「ん?『鼻』なら芥川龍之介だよな」など気づきながら読んでいたので、一層面白かった。
    気づいた瞬間の、「あれ、もしかして」っていう淡い期待感って、なんだかすき。

    そしてやっぱり、京都の大学に通ってる方々ほんとに羨ましい!!!
    名古屋にもホルモーあればいいのに、と思っていたら、今回東京にもホルモーがあったことがこの作品内で判明。
    万城目さん、やりよる。おもしろです。

    短編集で、時間軸もばらばら。
    読後にふわーんと余韻だけ残して終わるこの本。
    頭の中で想像だけがふわっと広がって、でも全然嫌な感じじゃなくて、むしろ心地よくて、
    つまり、この本も『鴨川ホルモー』同様好きでした。

    好きです。だって、くだらないんだもん。

    くだらないって、素敵だよ。

  • 本編には敵わなかった。

    筆者らしい、ばからしい青春エピソードが心地良いが、意外に長持の恋が一番良かった。最後にあるわずかな感動と肩すかし感がたまらない。こんな体験ができるなら、ホルモーに負けてもいいな。。

    各大学の面々も、普通に学生やっているんだなぁと思った。
    何より、東京にもホルモーがあるとは・・・

    『ありがとう、私を見つけてくれて』

  • 鴨川ホルモーが強烈だったので、勢い余って続けて読破。
    同じ背景設定の破天荒さはそのものだったが、改めて作者の異なる能力の高さを見た気がした一冊だった。
    前作のそこかしこに張り巡らされた伏線を丁寧に拾って繋げながら、男女の機微を柔らかにまぶしてホッとさせるあたりはさすが。
    特に気に入った一遍が「もっちゃん」。
    筋の背景がなかなか分からず、現代の京都かと思いながら読み進めると、あっという感じで(おそらく)五十年前に引き戻されて、それが古き良き小説とぐぐっと繋がるのだ。
    この構成には唸らされた。
    いやー、皆が騒ぐだけのことはある著者だと改めて納得したので、少し読んでみるとする。

  • 鴨川ホルモーを読んでから時間がたっていたので、登場人物の把握に時間がかかりました。
    鴨川ホルモーの世界が面白くて好きだったので、この本を手に取りましたが、少なくとも、鴨川ホルモーを読んだ人でないと、面白みはないかもしれません。
    万城目さんらしいストーリーに、楽しさが散らばっています。
    あ、そういうことね・・・と、何度も感じました。
    全部読んでから、もう一度プロローグを読むと、またもや
    あ、そういうことね…と。
    やっぱり、万城目さんのお話はすごいです。

  • 鴨川ホルモーのスピンオフ作品・6作品
    すべて恋話
    どれもたのしませていただきました

    第一景・鴨川(小)ホルモー
    女子ならわかる!ホルモーはプライベートでもやってOK?

    第二景・ローマ風の休日
    少年の切ない恋心。数学の勉強にもなりました

    第三景・もっちゃん
    あの有名な小説かもホルモーに関わっていたとは・・・・
    これもまた切ない恋と友情のお話でした

    第四景・同志社大学黄龍陣
    ホルモーの謎を追いかける少女
    そのゴールの先は鴨川の河原でした

    第五景・丸の内サミット
    京都市内を飛び出してでてくる鬼たち

    第六景・長持の恋
    長持を通して
    時代を超えてのラブストーリー一番感動しました

  • 鴨川ホルモーの外伝的な感じ。

    本編では名脇役だったり、歴代のホルモー参戦者だった人たちが、それぞれ主人公となる。

    個人的には楠木さんの話が大好きです。

  • こういう空想世界を書かせたら万城目さんはすごいですね。京都に縁があることもあり、楽しんで読みました。鴨川ホルモーの面々が色々繋がって、前作を読んだ人には楽しめる内容かと思います。

  • 鴨川ホルモーに続く話かと思ったら短編集だった。しかも時系列がバラバラだからどの時の話かな⁇ってややこしくなった。
    でも京大だけではない他のホルモーやってる大学の人らも出てきたから面白かったし、それぞれが重なってる所も良かった。
    あと一話一話が完璧に完結するのではなく、自分で解決しながら読む感じも。
    最後のおたまとなべ丸の話は泣けたー。チョンマゲにも理由があったんだなってすごいすっきり!!と同時にほろり。

  • ちくちょう、青春しやがって!!
    といいたくなる作品。スピンオフ作品というのか、番外編と言うのか、「ホルモー」の別サイドストーリー。ホルモーだから奇想天外なのに、日常に落とすのはさすが。

  • 単なる、鴨川ホルモーの続編ではなく、それぞれ別の物語。

    長持の恋に涙してしまった。

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著者プロフィール

万城目学(まきめ・まなぶ)
1976年生まれ、大阪府出身。京都大学法学部卒。
2006年、『鴨川ホルモー』(第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞)でデビュー。主な作品に『鹿男あをによし』、『プリンセス・トヨトミ』、『偉大なる、しゅららぼん』などがあり、いずれも文学賞ノミネート、映像化等など、大きな話題を呼ぶ。また、エッセイ集に『ザ・万歩計』、『ザ・万遊記』、対談本に『ぼくらの近代建築デラックス!』がある。

「2013年 『ザ・万字固め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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