- Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048738736
感想・レビュー・書評
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人を好きになり心を寄せる。
素敵だなと心が温まる。
元恋人からのDVで深い傷を負った女性が、新たに男性と時間や経験を共有したいと感じられるようになる流れが、自然で巧み。心の繊細な行きつ戻りつを堪能。
全ては自分がダメだからだという思考の穴にはまり、世間から見放されている感覚をため込む。
もっと大変な人はいるのに、自分の痛みや辛さは重症じゃないのにと。
自分が自分である為に、丸ごと受け入れてくれる人の存在は大事なんだな。
誰かと一緒に生きることは簡単ではないが(実感)、やっぱり素敵。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
元カレのDVにより、男性に触れられる事に恐怖を感じるようになった麻由。
相談室というクリニックに通ううちに出会った蛍に心惹かれていく。
恋の始まりはキュンキュンする。するんだけど、麻由の事情もありなんとももどかしい。 -
すきなのに、身体と心に触れることができない。そんな主人公の話。この話でも男性の暴力からの心の傷によって、主人公の中はどこか湿っていて、暗い。
固くなった主人公をそれを少しずつ溶かしていこうとする蛍。この2人はゆっくりゆっくり進んでいく。そんな感じ。
個人的には蛍よりさとる君のキャラが濃いような気がした。でも、嫌いじゃない。『生まれる森』がすきならばこの話も気にいるんじゃないかと思う。
(203P) -
評価が分かれる作品。自分としては共感しなかった。読むタイミングでは、心に響くかも。
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宮下奈都さんのエッセイ集を読んで、手に取った。島本理生さんの作品は初読。繊細な恋物語。揺らすと壊れてしまいそうな危うさのある主人公・麻由と、その恋の相手である蛍、ふたりの恋。でも、大丈夫かな、この先もっとつよくなっていけるかな、という希望が見えるラストだったのではないかと私には思えた。たとえそれがふたりの恋が続くことを意味しないとしても。いつかまた変化したお互いとして会える、たぶん。ふたりとも孤独ではないから。さとるくんや紗衣子さんをはじめとした色々な人とつながっているから、絶望的に危うくはない。
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とても 読みやすかった。
でも この作家の小説に登場する主人公(女性)が
私は あまり好きじゃない
うじうじしていて、なんか、イライラしてしまう。
魅力もないし。
ストーリーは よくても 主人公にイライラしながら読んでいる。
イライラしながらでも 読んでよかったと思ったけど。 -
読む前の想像してた感じと違っていた。おばさん向きじゃない。間違えました。明らかに若い子対象。全然視点が違うからすごい辛口かもしれないが…
少女漫画の場面を繋いだ恋愛小説に、重たい内容を乗せた感じ。
私には重たい部分が浅く感じた。恋愛の方を気にするとあまりにも重くすると瑞々しい感じがなくなるからかな?こういうのは親子関係からもっと深く書かれてるのかと思ってたが違い、少ししか触れられてない。主人公は読者にまで何かを隠している感じ。
蛍は少女漫画の男の人を切り取ってきたみたいな感じ。私はこんな男性見たことない。リアルさがなく世界が違う。
書きたいカットされた場面がいくつもあり、それを繋げて物語にしているような感じを受けた。
とにかく、若い人で男性に優しく包まれたいと願っている女性向きなのかな。その点を踏まえたらバランスよく読みやすいのだろう。