あなたの獣

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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本棚登録 : 211
感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048739016

感想・レビュー・書評

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  • 「あたしが聞いているのは昔のことよ。どうしてあのとき、あたしじゃなくてあの人を選んだの?」

    一言で表すと・・・櫻田哲生の女との関係の歴史。
    というふうに、挟まっていたPR誌に載っていて初めてあぁ、繋がっているんだということに気付いたのでありました。
    1つ1つは灰色がかかっているようで、やだなぁとおもいつつ印象に残る作品なのです。そして先が気になるというところでは○。
    でもでもね、これって川上弘美の「ニシノユキヒコ」と似ているように感じたのは私だけかなぁ。

    【5/9読了・初読・市立図書館】

  • すごく後味が悪いです。でも好き。

    最初から最後まで主人公は同じだけれど時間が行ったり来たり
    しながら色々な人とのかかわりを描きつつどうやら人を殺した
    らしいとか妻もいて恋人もいたのに本当に好きだったのは違っ
    たらしいとか段々明らかになっていき、で、主人公の今はどう
    なっているのかとやきもきし。
    趣向もおもしろい。

  • 櫻田と、昌と、妻と、璃子と。
    あ、これ、連作短編集なんだ、と3章目で気付きました。
    もう一度読みたいな。

  • 最初は好きかも、これ、と思ったが、主人公の櫻田に魅力を感じず、なんとなく残念な気持ちのまま読了。
    一見草食動物系の櫻田とタイトルがピンとこない気がして、なんとなくもんもんとしながら読んでいた。しかし、いわゆる普通の社会生活を送らなかった櫻田は、ある意味本能のまま一生を終えたとすると、、そういう点が獣?なのだろうか。うーん。なんだろう。
    非常に僭越ながら、著者はこの櫻田のこと、好きになれなかったのではないだろうか。と思ったりした。

  • 雰囲気は決して嫌いじゃないんだけども…登場人物がどうも私の好みではないらしい。
    生き方、駄目さ加減、恐怖、それらすべてが「中途半端」であることが、現代という時代故というか、全体の成り立ちの条件なんだろうとは思うのだけど……。
    あらすじ読んで期待していただけに、ガッカリ度は高い。

    でも装丁がすごくいい。

  • 2/6 井上荒野好きだと思ってたんだけど。むむむ??て感じの本でございました。なんかやりたいことはわからないでもないけど時間軸とかぐちゃぐちゃで深追いする気にもなれず。残念。

  • もしかしたら直木賞を受賞した『切羽へ』だけが一般に受け入れられるストーリーだったのかもしれない。

    この作品にしてもやはりもう一つぴんと来ない。読者がぴんと来ようが来まいが著者にはあまりこだわりがないように思える。自分が書きたい作品を書くだけというような……

  • ストーリーの時間がすごく前後していて理解するまでちょっと時間がかかってしまった。
    それでも、『井上荒野』さんの作品は結構好きなので期待して結局読みきってしまいました。
    結局タイトルと本文の意味が最後までよくわからなかったけど 主人公の男性の気持ちをなんとなく共感できる部分と反感する部分とがありこれも『井上荒野』さんらしい作品だと思う。

  • 駄目で虚無的な男。このようなタイプは、ある種の女にとって、ほっとけないタイプです。何ともどうしようもないところが、良かった。

  • 「臨月になった妻のお腹は・・」から始まるので、すっかり若い大人の男の人の物語が始まるのかと思っていたら、びっくり。もちろんこの「砂」という章は妻の出産とまつわる話なのですが、次の「飴」の章では主人公は小学生で、しかも前章の主人公の小学生時代のお話。更に3つ目の「桜」では恋人・昌との物語。つまり、同じ主人公「櫻田」の思いでの切れ切れの短編、時間の前後や事件のつながりは読者に任せるという面白い本なのです。最初はあれれ?と思うことが多いのですが、あっというまに慣れて、楽しみになります。「櫻田」の人生、これもまた、普通にありそうで不思議で面白いです。

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著者プロフィール

井上荒野
一九六一年東京生まれ。成蹊大学文学部卒。八九年「わたしのヌレエフ」で第一回フェミナ賞受賞。二〇〇四年『潤一』で第一一回島清恋愛文学賞、〇八年『切羽へ』で第一三九回直木賞、一一年『そこへ行くな』で第六回中央公論文芸賞、一六年『赤へ』で第二九回柴田錬三郎賞を受賞。その他の著書に『もう切るわ』『誰よりも美しい妻』『キャベツ炒めに捧ぐ』『結婚』『それを愛とまちがえるから』『悪い恋人』『ママがやった』『あちらにいる鬼』『よその島』など多数。

「2023年 『よその島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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