- Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048739597
感想・レビュー・書評
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横溝正史ミステリ大賞・テレビ東京賞(2009/29回)
「ディオニス死すべし」を改題・大谷剛史を改名詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
単行本・未入手
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もしも自分が冤罪で捕まったとしたら、
信じてくれる人はいるのだろうか。
もしも愛する人が、冤罪で捕まったとしたら、
私は信じぬくことができるのだろうか。
と、そんなことを考えた。
終わり方はえええええって感じはするけど、
まあ、フィクションなんで、アリ、の範囲だと思う。
心にしまい込むことがいいことなのか、
誰かかが傷つくことになろうとも事実を明かすことがいいのか、
答えに窮するところ。
最近の裁判、犯罪、
それに関わるメディア、世論、裁判員制度など、
いっぱい詰め込んだ感がある。
具体的に事件を思い起こせるほど。
地名の描写とか、固有名詞が多く出てきて細かいので、
その辺りはコンパクトにすると読みやすいかな。
書かずにはいられなかたんだろうと思う。
今書かなければ、今伝えなければ、
という筆者の想いが伝わってくる。
小説を書きたくて夢中になって書いた作品である
という馳星周さんの書評はうなずける。
次回作を読んでみたい。 -
横溝正史ミステリ大賞受賞作品。
期待して読みはじめたけど、人物が描ききれていないし、筋もわかりづらい。「ディオニス死すべし」が最初のタイトルで「雪冤」(無実の罪をすすぎはらすこと)に改題。作者の言いたいことはわかるが、それと最後のどんでん返しが結びつかない。死刑制度について国民に考えて欲しいからといって、ここまでやるか?無理があまりにも多い。 -
後半の流れはちょっとお粗末感があるけど、それは前半グイグイと引き込まれていたからこその感想かも。1日で読めた。
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初めての作品としては素晴らしいと思うが、どんでん返しが多すぎて、ちょっと疲れる。
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なかなかおもしろかったけれど、ラストの二転三転はいらないと思う。
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2010.04.04
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「ありがとうございます。でも今でも恵まれていますよ」
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2009年の第29回横溝正史ミステリ大賞受賞作品。
殺人事件の容疑で死刑囚となった息子の無罪を信じる父親を主人公とする犯人捜しミステリー。
終盤のめまぐるしい、どんでん返し連発の展開。そして、死刑の是非についての登場人物たちの考え方。骨太な社会派推理小説として、娯楽性と社会的メッセージの2つを両立させようとする作者の力業、意欲を感じる。
ただ、2つのどちらかを重視してくれた方が読みやすかったような・・・。気がしないでもない。