- Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048739597
感想・レビュー・書評
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冤罪はあってはならない。しかし、自分の命と引き換えにしても守りたいものがあったらこうなるのか。真相がわかるのはみんなにとって辛い。
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横溝正史ミステリー大賞受賞作。裁判の弁護の功罪を主題に丁寧に物語を構築している。
謎解きその物は特異性は無い。事件の真相は推測できる範囲の物で、複雑に殊更紙面を費やしているのはデビュー作ならではと判断する。
注目すべきは、作家自身が文学部出身者で法律家を目指した経験から、司法社会の問題点を浮き彫りにしていく手法に有る!!その点では横溝と言うよりも松本清張に近い!
犯罪者の内面の判断の難しさと、再犯防止の難しさ、冤罪判決の危惧など盛り沢山で、作家のライフワークが網羅されている。文学や演劇、合唱に宗教そして心理学と云うテーマも絡ませて描ききっている。今後の期待は推測できる。 -
冤罪や死刑制度について考えさせられる作品です
息子の無実を信じて一人で闘う元弁護士の父親
先が気になり一気に読みましたが、ラストがなぁ!
いじり過ぎな感じだし、理解?共感?できないなぁ!
ちょっと残念です -
図書館より。
十六年前に起こった殺人事件を巡り、事件の犯人と思われる死刑囚の父親と被害者遺族が真相を探る社会派ミステリー。
死刑と冤罪という重厚なテーマに対ししっかりとした作家さんの考えが見えて、読んでいるこちらとしても考えさせられるものがありました。確かに自分も作中の登場人物の言葉通りあまりにも簡単に死刑のことを考えているのかもしれません。
ミステリーとしてはラストの展開にきちんとついていけるかが楽しめるかのポイントとなりそう。結構人間関係が分かりにくくなってしまったので、ラストの解決のシーンですっと驚けなかったのがちょっと心残り……説明を読んで一拍を置いてから「ああ、そういうことか」と気づけた感じだったので。
終章が自分の中ではとても印象的に残っています。劇の台本調に語られる分余計にインパクトもあり、もの悲しさが残すあたりも巧いなあ、と感じさせられました。
それと持田のキャラがとても好感が持てたのもよかった。口は悪いけどいいやつ、というべたなキャラなんですが、なぜだかとても温かみを感じることができました。
第29回横溝正史ミステリ大賞〈大賞〉〈テレビ東京賞〉 -
第29回横溝正史ミステリ大賞&テレビ東京賞受賞作。
死刑制度の問題点に鋭く切り込む社会派小説&どんでん返しもの。
京都において、残虐な殺人事件で現場で目撃され逮捕された八木沼真一。
しかし真一は一貫して無実を訴えるが死刑判決が下ってしまう。
息子の冤罪を信じ、活動する父悦史のもとに真犯人からの電話が。
真犯人からの連絡はあるものの、自首することはなく、タイムリミットは迫る。
父の調査に寄り、事件の発端は過去にさかのぼっていく。
真一の罪を雪ぐことができるのか!?
走れメロスの登場人物と対比した演出で、少しごちゃごちゃした感がありました。
最後はどんでん返しに次ぐどんでん返しで、少々しつこいかなとも思わなくもなかったかな。 -
(雪冤とは無実の罪をすすぎ晴らすこと)
ある殺人事件が起こった。犯人として逮捕、起訴された青年は死刑を宣告された。
しかし彼は無実を訴えていた…。
疑問が解けたと思っても、結局は最後の最後まで読まないと分からない。
ストーリー自体は面白かったのですが、冤罪、死刑制度、被害者感情が重くのしかかってきて気が滅入りました。 -
序盤から中盤にかけて翻弄されるように読み進んでいくが、後半1/3はどこに着地するのか、動機は何なのか登場人物とどんな繋がりを持たせているのかが伝わりにくかった。
死刑廃止論、冤罪、犯罪被害者、加害者家族普段は新聞やニュースでしか関わりのないWordを考えさせられた本。 -
2009年度。第29回横溝正史大賞受賞作。
ミステリーというよりは、横溝というよりは、書きたかった伝えたかったことがあるんだな、って感じ。
死刑制度の是非。
そして文章がうまい。比喩がうまい。って、図書館に返してしまったから引用できないのだが。これは私の記憶力のせい。
この賞ならではの(ミステリーだからね)真相は、え?ってな感じ。ってか、最後のあれが真相なのでしょ? 冤罪で死刑執行される価値なくない?いや、冤罪詩形執行で、価値あるってパターン思いつかないけど。
坂東眞砂子が審査員のこの頃、彼女の書評を読むのが一番楽しみだった。彼女には、直木賞とった前後の頃の気合の小説を望むわ。長くて読むの大変なんだけどねー、読むわよ。 -
おもしろかったけど、少しやりすぎ感があるかな。読んでてちょっと登場人物の背景が分からなくなったりした。
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仮説のどんでん返しは混乱するだけで本筋が頭に入ってこない。