天地明察

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著者 : 冲方丁
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2009年12月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (475ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048740135

天地明察の感想・レビュー・書評

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  • 冒頭の満開の桜のごとき絵馬の群れを描いた
    「算額奉納」のシーン。

    壮大な物語の幕開けに相応しい
    ロマンあふれる導入部に
    まず心を奪われました。


    しかし暦と天文学と数学という難しいテーマを
    見事にエンターテイメントに仕上げ
    一気に読ませる技量にはホント脱帽です。

    それにしても江戸時代に
    これほどまでに情熱を持って
    星の動きを研究していた人たちがいたことには
    本当にビックリでした。

    暦を作ることに
    23年もの間命をかける人たち。

    人が命をかけ成就させようという
    強い思いを描いた物語に
    心打たれない人はいないんではないでしょうか(笑)


    主人公は碁打ち衆の一員でありながら、
    算術に生き甲斐を見いだしている
    23歳の渋川春海。


    一瞥即解で難しい算術を解く
    謎の武士、関孝和や
    17歳の若手の碁打ち
    本因坊道策、
    優れた算術の腕を持つ安藤有益、
    会津藩藩主、保科正之、
    豪放磊落な水戸光圀など
    様々な歴史上の人物たちが
    夢を追う気弱な主人公を
    盛り立ててくれるのも
    心躍ります。



    中でも
    関との算方勝負と、

    各地の緯度の測定を行う
    北極出地に向かうエピソードの
    素晴らしさが光ります。

    子供のような無邪気さで嬉々として星を測量する二人の老人、
    観測隊の隊長建部と
    医師の伊藤。


    487日かけて日本全土を巡り
    星々の並びを観測する旅なんて
    想像しただけで
    うっとりしてしまう。



    挫折に次ぐ挫折を経て
    中国の受時暦を日本風にアレンジした
    「大和暦」を
    ついに誕生させる春海。


    自分を信じ愛してくれた人たちが
    次々と志し半ばに死んでいくのを見送りながら、
    夢へと向かう気持ちは
    どんなものだったんだろう。



    暦には、
    明日を信じ
    平和を願う気持ちが込められている。

    何があっても
    明日もこの世は続くのだという事実が
    どれほど心強く
    人々を勇気づけるか。

    そう考えれば
    戦国の世を経た当時の人たちの
    暦に寄せる特別な思いにも共感できました。



    春海にとっての人生の音だった
    絵馬たちの立てる
    「からん、ころん」。


    自分にとっての人生の音は
    何だったんだろう。


    拳が空を切り裂く
    シュッシュッ、

    もしくはギターが奏でる
    ギュイ〜ンか、


    あなたにとって
    それは何ですか?

  • 歴史に疎く、「大奥」や「龍馬伝」のドラマを見て、ようやく歴史に興味が湧いたくらいの知識の私でもスラスラ読めた時代小説。

    もちろん渋川春海という人物がいたこと、算術が流行っていたこと、囲碁と幕府の関係などは知らなかったので、まるで未知の世界に足を踏み入れたようだった。(まぁ、江戸時代に生きたわけでもないから知っていても既知とは言い難い。)

    算術から囲碁、天文学とめくるめく魅惑の知の世界を垣間みる。学ぶことが楽しくなるような渋川春海のひたむきさに、こんな偉人がいたのかと驚く。そして彼を囲む天才たち。特に保科正之の描写には、私まで平伏してしまいそうになった。清廉でありたいと思った。本当にこのような人々がいたのか。先人をみて、先の我が世を想う。歴史を知る事がまた楽しくなった。

    小説から歴史を学ぶことがこんなに面白いとは。
    味気ない教科書に色をさしてくれる時代小説の1つなのではないでしょうか。

  • 歴史ものはちょっと苦手なために、読むのに時間がかかってしまった。
    しかも歴史上に存在した人物といっても、渋川春海なんて人の名前聞いたことないし、日本の暦を変えた人って言われてもピンとこない。
    でも読んでみて、江戸の時代にここまで現代の数学や天文学に通じる考えがすでにあったということに驚いた。世界の中でこんな小さな島国にあって、地球は丸いという事や、地球が太陽の周りを公転しているなんてことを知っている人がいたなんて。
    未知なるものを捕らえようとする探究心。その知識を持って、間違った方向に行ってしまいそうな日本の舵をとってくれようとする人。その改革への情熱。
    いつの時代も、日本にはそんな人がいて、今の日本があるんだなぁと思う。

    春海や周りの登場人物の描かれ方も魅力的だった。
    物語はいくつかの山場である、生涯にわたり春海の人生に影響を及ぼし続ける天才数術師との出会い。北極出地。1度目の暦改革への挑戦。そのたびに、深い挫折や喪失を経験する春海だが、自ら新しい暦を生み出し、最後には政治にまで頭を働かせて、採決させるに成長した姿に感動した。でも、いつもどこか不器用で、情にあつく、涙もろい性格はそのままで。春海の囲碁棋士としての側面や、恋愛部分もおもしろかった。

     最近の読書では、夢を追う人の話が続いているけど、やはり共通して「ひたむきさ」に感動する。夢がかなったかはさておき、夢を追うということだけで、追える夢があるということだけで、一つの幸せな生き方なのだと思う。

  • 人の一生を読んだ…という充足感に包まれております。

    若い頃の心の未熟さ、壮年の頃の疾走感。。。
    壮大なモノを目の当たりにし、胸がいっぱいになって涙がとまらなかったよ。
    託され、託しは世の常ですが、なんとも言えない寂しさと満足感と感動を覚えます。

    生意気なんですが。。。一生をかけるに値する『モノ』に出会える幸福は本当に羨ましいかぎりです。

  • あっぱれーー⭐⭐
    日本にこんな偉業を成し遂げた人がいたなんて知らなかった。囲碁打ちの渋川春海の生涯をかけ改暦に挑む傑作時代小説。春海の情熱的でまっすぐな生き方が羨ましい。
    日本には72の季節があると言われているが、季節と旬を感じ、楽しんで生活したいなと改め感じた。

  • 当たり前すぎて意識していなかった時間や暦の歴史を知りました。改暦は渋川春海さんの多彩な興味が統合されて成せる大事業だったのですね。面白くて4回読みました。主人公をとりまく人たちが皆、志があり優しい人たちで心が温かくなります。

  • なぜだか自分でもよく分かっていないのだが、
    この本は、今、読まなくてはいけない本だった。
    それが昨年でも来月でもいけなかった。
    明確な理由があるわけでもない、でも、それが自分にとって絶対だという
    ことだけは分かっている。

    春海のすごいところは、碁打ちとしてのお勤めを、
    きっちり守ったことにあると思う。
    沢山の偉い人たちに翻弄されながらも、
    ちゃんと自分のやるべきことをやって、
    その上で、やりたいことを大成させている。
    一手一手、悪手でも自分の糧としていく。

    かっこいい、とても。それでいて、愛らしい。

    なんとなく天文学の偉人というとガリレオにはじまる
    西洋の方ばかりに目が行くけれど、ちゃんと
    日本人の中にもやり遂げた人がいるんだね。

  • もうめっちゃ面白かった〜〜〜〜!!!


    ★で表したら文句なしの★★★★★です!!!
    渋川春海(またの名を安井算哲)っていう幕府お抱えの碁打ちさんが、なぜか日本の暦を作っちゃうお話です。ザ時代小説ですね!
    この春海さんのキャラがとっても親しみやすく、囲碁以外に算学や天文学に没頭するさまが本当に可愛いwそしてその情熱は本当に見習いたいところです。


    時代小説なので歴史的な用語がたくさん出てくるので、最初は読むの大変かもしれないけどすごく面白かったです。特に碁打ち衆に関する用語がちょっと苦労したかな。
    でもどの登場人物もすごく魅力的で飽きないです。有名どころだと水戸光圀とか出て来たり、結構知った名前が多数出てくるので夢中になって読めます。
    この本のおかげですっかり渋川春海のファンになってしまいました。


    また最初から読みたい♪


    時代小説やっぱいいですね〜。
    今度は時代小説を発掘しようかな〜。

  • 過去があり、明日があり、明後日から先にずっと時が続いていくという、当たり前に思っていたことを歴が約束してくれる。
    登場人物がどれも魅力的で、読んでいて楽しかった。

  • 江戸時代、四代将軍家綱から綱吉の時代。
    御城碁を打つ名門の家に生まれ、父から安井算哲の名を引き継いだ囲碁侍である主人公・春海。己の安泰で穏やかな境遇にあき足らず、父の名を受け継ぎもしたが、自らを渋川春海とも名乗り、算術や天文学など、いろいろな事を学んでいた。
    当時の暦は平安時代から朝廷と陰陽師たちが定めた、古いもの。間違いの多かった。会津藩藩主で、将軍家綱の後見人・保科正之から、新しい暦を作るよう命ぜられる。
    春海の20年にわたる奮闘、挫折。そして喜び。
    師となる者たちとの出会い、仲間、そして恋。
    時代小説だけど、熱い物語。

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江戸時代、前代未聞のベンチャー事業に生涯を賭けた男がいた。ミッションは「日本独自の暦」を作ること-。碁打ちにして数学者・渋川春海の二十年にわたる奮闘・挫折・喜び、そして恋!早くも読書界沸騰!俊英にして鬼才がおくる新潮流歴史ロマン。

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