俺、リフレ

  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048740180

作品紹介・あらすじ

俺、冷蔵庫。ままならない夫婦と暮らしてる。人間ってのは、おかしなもんだな。いろんなことで悩むらしい。仕事と才能に悩み、ぎくしゃくする夫婦の家に闖入した、天才少年ヴァイオリニスト。俺は、知らせたい。この家族に、崩壊の危機が迫っているってことを-。史上初!?冷蔵庫が語る、サスペンスフルな家族愛の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 私の家にも冷蔵庫がひとつあります。
    彼(彼女?)がいるのはまさに家の中心。
    私たち家族が笑いあい、喧嘩し、泣きだす現場をずっと見ていることになります。
    もし、彼に心があるのなら。

    この物語に登場する冷蔵庫「リフレ」には心があります。
    彼は体を流れる電気や電波をエネルギーとして、彼の旦那様「伊作さん」について学んでいきます。
    そして、伊作さんの奥様「悦ちゃん」のことも。
    2人の健康を守るのが自分の役目と使命感に燃えるリフレは本当に頼もしいです。
    まさかうちの冷蔵庫も…?定期的に掃除してあげなくちゃ…なんて反省してしまうほどに。

    冷蔵庫視点の小説ならきっとコメディだろうと勝手に思い込み、気楽に読み始めましたが、甘かった…。
    物語は徐々に重いテーマを抱えていきます。
    ひとつは「才能」。
    もうひとつは「神」。

    リフレは「才能」についてそれは家電の取り扱い説明書に書かれている機能のようなものであると解説します。
    家電にはその製品の機能や、取扱いにおける注意事項が全て書かれています。
    本来の機能以外の用途で使用し続ければ、その家電は壊れてしまいます。
    人間も同じだと。
    人間には取扱説明書はありませんが、その人の機能(才能)以外の役割を演じ続ければ、その人は壊れてしまうとリフレは言うのです。
    なるほどそうかもしれません。

    リフレの目の前で伊作さん達は少しずつ壊れていきます。
    手も足も声も出せないリフレに何が出来るのか。
    それは手足があっても何も出来なくなる時がある私たちに何が出来るのかという問いでもあるなと思いました。

    期待していたような楽しい物語ではなかったけど、優しい冷蔵庫に出会える素敵な物語でした。

  • ツライ話だった
    最後がすごく切ない

  • 冷蔵庫が語る物語。なんか途中で飽きるな~ 2014.1.17

  • 凶気の桜とはまったく違う作風で、伊作さんと悦ちゃん夫婦の日常を冷蔵庫のリフレが語る。
    200ページくらいまで読んだけど飽きてしまった。ただ、作中に登場する料理はうまそうだ。作ってみたい。

  • 話としてはたいして良いとは思わないのだけど、作中に出てくるちょっと変わった料理がやたら美味しそうなの。
    墨鍋のお茶漬けだったり、アウツマイターだったり、梅干しとひじきのパスタだったり。
    そういう食べ物の描写はキラキラしてるのに、物語自体はパッとしないんだよなぁ。

  • 冷蔵庫が語るままならない家族の話だけど、まさかここまで鬱っぽい話だとは表紙からは想像できない。

    アートディレクション・アートワーク / 伊藤 桂司(UFG)
    デザイン / 八田 貴光(UFG)

  • タイトルとカバーに惹かれて読み始めた。
    冷蔵庫目線というのが斬新でおもしろかった。
    うちの冷蔵庫にも名前をつけたい。

  • おれもリフレ( *`ω´)

  • 冷蔵庫のリフレが、ある家族の生活を見て、考えて、思うところを描いた作品です。
    そこに生活する3人3様の「挫折と再生」を描いているものです。
    なんとなく「暗い!嫌だな・・・」とコチラまで暗い気分で読み進んでいくと、
    ラストはちょっぴり悲しいながらも清々しい気分になります。
    そんなことでそうなる?!と思うところや、ちょっとムリがある部分も感じられましたが
    それが人というものなのかなぁ・・・とも思います。
    最初と最後は、冷蔵庫視点な語り口で正解だけど、
    途中は別に冷蔵庫が語る設定じゃなくてもいいんじゃない?!
    という気がします。
    ただし冷蔵庫が語り口という観点は、本屋で手にとって「読もう」と思うには十分でした。

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著者プロフィール

ヒキタ クニオ
1961年、福岡県福岡市生まれのイラストレーター、クリエーター、作家。1986年、九州産業大学芸術学部デザイン科卒業。大学在学中に日本グラフィック展で奨励賞受賞。1988年、JACA日本イラストレーション展銀賞。1998年にCD-ROMで、ブラウン管で読む小説「ブラノベ」『ブラノベ人生画報』を発表以降、作家業を営む。作家代表作に、2006年に第8回大藪春彦賞を受賞した『遠くて浅い海』。ほかの作品に映画化された『凶気の桜』『鳶がクルリと』、『触法少女』など。2019年10月に、『「ヒキタさん! ご懐妊ですよ」―男45歳・不妊治療はじめました』 が実写映画化される。

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