鳩とクラウジウスの原理

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著者 : 松尾佑一
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年4月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048740487

鳩とクラウジウスの原理の感想・レビュー・書評

  • 鳩への餌のやり方を見込まれて伝書鳩団体にスカウトされる青年。なんだか現実味のないふわふわした感じで頭に入ってこなかった。

  • ストーリーはともかく、登場人物にはおおいに魅力を感じる。
    著者の他の作品も読んでみたい、と思わせるだけの力はある。

  • 小さな広告会社で働く主人公 磯野君。アフロの老人に勧誘され、伝書鳩の管制官に。第1回野性時代フロンティア文学賞受賞作。
    不思議というか奇妙というか、ゆるーい空気に浸るのがなんだか楽しい本だった(笑)色々こじらせまくったロンメル、不思議系女子 犬さん、桃ジュースの間宮さんとかキャラも突飛(褒め言葉)。★3.5
    装画:しいら

  • 最近読んだ『昼寝の神様』の作者・松尾佑一さんのデビュー作。『昼寝の神様』同様に阿呆な主人公たちとばかばかしい設定。どこかほちゃごちゃした感じは否めないけれども、設定は魅力的だなと思う。メール全盛の今、手紙を認めることはあまりないし、ましてや伝書鳩なんて古典的な手法なんて…。「クラジウスの原理」とはエネルギーは必ず低いところから高いところへ移動するという原理のこと。2012/488

  • タイトル買い。なかなかイカした著書名だと思いませんか?こういう捻ったようで何も考えていないタイトルが大好きです。
    気分も左右したと思いますけど、たまにはこういう行き当たりばったりな小説を読むのも面白いと感じました。と言いますのも、内容にまとまりがないし、ジャンル的な方向性がまるでデタラメだしどこに向かってるのかはっきり言ってわからない内容でした。でも、そこに惹かれてしまうんだなぁ、という自分がいる。
    物語の中で幾度も語られていますが、このクラウジウスの原理『他の影響を一切出すことなく、熱を低温から高温へと移動することは出来ない』。一体何の意味を持たせてこんなことを書いたのかと。物語の本筋には一切関わってこないこの至言。笑ってしまいます。
    更にばら撒かれた伏線もほとんど回収されないまま物語は終わります。なんだこれはと怒号をあげる気にもなれないほどに、バカっぽさが前面に押し出されている。
    嫌いじゃありません、真面目にやらない小説。ただ、この作者さんはこういうものは単発でコレっきりにしたほうがいいでしょうけれどね。

  • モリミーでしたねぇ!主人公たち三人の設定がモリミズムに満ちていてにこにこしちゃいました。犬さんかわいいよ犬さん。でもわたしは間宮さんが好きです。1048ですね。
    鳩と聞いて飛びついてしまった鳥好きのわたしですが、伝書鳩というのはこれほど高性能なんでしょうか・・・? むかし中学の近くに伝書鳩を育てているらしき建物があって、そこから大量の白い鳩が吐き出される光景があったのですが、それを思い浮かべながら読みました。うん、おもしろい。最後の展開は綺麗だったなー!

  • 人物設定は好きです。
    今後、もっともっといい作品が期待できる作家さんだなぁ。と思いました。

  • 小さな広告会社に勤める磯野(男性、25歳)が主人公。公園で鳩にせんべいをあげていた主人公は、一風かわった風体の老人に声をかけられる。一方、彼のアパートには、ここ2年ほど会っていない旧友と、大学時代の一学年下の女の子が押しかけてくる。
    アフロの老人や長身で軍服の友人など、独特の外見を持つ人物が多く登場するのに、性格はそれほど濃くはない。それなりに悩みをもつ、普通の人ばかりです。「クラウジウス団」の構成員の年齢がばらけているところは意外でしたが、全員が絵に描いたような「非モテ」で、逆に残念に感じました。
    伝書鳩の仕事も、各地に支部があるらしいけれど引継ぎくらいしか話にでてこないし、どういう組織なのかもあまりはっきりしなかった。伝書鳩自体も、いままで自分が伝書鳩に対して持っていたイメージから逸脱する描写がなく、主人公がはまるほどの魅力があるとは思えませんでした。
    「クラウジウスの原理」も、なんだかもやっとしていますね。要所で何度も出てくる割には効きが甘いように感じます。
    全体的に、もうちょっと何かあればなあ、という印象でした。

  • 野性時代フロンティア文学賞~磯野は瀬戸内の町から競馬で大穴を当て入学した大学を5年掛かけて卒業し小さな小さな広告会社に入って大阪のアパートで暮らす。生命保険の広告を「鳩に餌をやる祖父と孫」ででっちあげ,公園で妙な老人に声を掛けられる。アパートに帰るとドイツ軍のアマガエル色の服を着た大学時代の友人・ロンメルが派遣切りにあって転がり込んできたと思ったら,大学の後輩・犬さんもOL仕事に向かないと云って拾った柴犬を連れてやってきた。収入をあてにしてアフロヘアの老人・柳田に誘われ,難波の吉本のビルの屋上にある伝書鳩の管制室に連れて行って貰い,間宮という管制官の雑用を任される。薬剤や恋文も運ぶ今風の伝書鳩通信だ。女性に縁のない男達が作ったクラウジウス団が無線通信を傍受し鳩を捕らえて恋文をすり替える悪戯を仕掛けている。磯野は当然,団の中心メンバーがロンメルであることを打ち明けられない。一部屋で生活する内にロンメルは犬さんに恋をし,間宮はハトコイを断念しなければならなくなっている時,犬さんは自分の恋心を鳩に託すと云う。間宮の恋鳩トシヤをメインに30羽の白鳩を飛ばすことになり,ロンメルは複雑な気持ちで鳩を追うが~主人公の恋の話が薄のは仕方ないか。クラウジウスの原理とは「熱を低温の物体から高温の物体へ移動させ,それ以外に何の変化も起こさないような過程は実現不可能である」という事。解りにくいが,流石に工学の博士号を持つ研究者で,女性に縁のない男が多いのだろうとは思う。可愛い装丁にして貰って次も本を売って貰えるように頑張らなくてはならないね

  • 淡々と進む話。一風変わったキャラクターが、面白かったです。

  • なんかよくわからないけど面白かった。
    でも、どこをどう面白いのか説明できないので
    ☆3つ。でも、図書館に置かれたらすぐ借りる
    題名と絵の雰囲気で手にとらずにいられない。

  • 『昼寝の神様』のユーモアがなかなか好みだったので、著者が第1回野性時代フロンティア文学賞を受賞した本作を手にとってみました。
    こちらもライトかつあははと笑えるラブコメディ。

    インターネット等の通信網が発達した現代社会。
    しかし、実は重要な情報の一部は伝書鳩で担われていた!?
    主人公の磯野は大阪鳩航空管制部にスカウトされ、伝書鳩での通信に携わることに…。

    また、タイトルにある「クラウジウスの原理」とは、エネルギーは必ず高いほうから低いほうへ流れる、という物理法則。
    モテない大学生たちはこの法則を歪曲して解釈した…女の子たちは見てくれが良く、スタイリッシュな男のほうへと流れる。
    そして生まれたのが、モテない男の集う軍団・クラウジウス原理主義者の会であったのです。

    …ということで、阿呆な大学時代を送って社会に飛び出した登場人物たちは、やはり個性的なのでした。
    社会にも溶け込めず、恋愛に興味があるのに臆病で。
    なんだか応援したくなってしまうのです。

    恋文が伝書鳩で届いたら、私は結構嬉しいなぁ…なんて考えてしまいました。
    生き物の持つ体温で、運ぶ手紙がより温かみを増すような気がします。

  • この作者の方が読みやすいけど「夜は短し歩けよ乙女」と
    ちょっと似た世界観のお話☆

    素材はオモシロイ。
    もっとがっつりした展開を今後に期待。

  • 磯野は、恋愛に縁のない人生を送って二十五年の貧乏青年。ある日公園で出会ったアフロの紳士にスカウトされて向かった先は「鳩航空事業団」。そこでは伝書鳩が恋文を運ぶ「ハトコイ便」サービスを提供していた――。

  • 社長と僕の二人で営む広告会社の経営が苦しくなり
    僕はしばらく他の仕事を探すことにした。
    生命保険のコピーを考えながら公園で鳩にエサをやっていると
    アフロの老人柳田さんから伝書鳩管制官にスカウトされる。
    会社を辞めてアパートに転がり込んできた
    大学時代の友人の軍服を着た大男ロンメルと
    何故か僕らに興味を持った一つ年下の犬さんを養うためにも
    僕は大阪鳩航空管制部でボンテージの間宮さんの雑用係として働き始める。
    しかし最近「あまねくこの世の恋愛に復讐すること」を目的に
    ラブレター輸送用鳩を捕まえて
    ラブレターを奪い取ったり書き換えてしまう
    いたずらグループが出没しているという。
    彼らは犯行声明で自分たちをクラウジウス団と名乗っていた。
    奇しくも僕が大学生の時にロンメルたちと結成した会、
    クラウジウス原理主義者の会と名前が酷似しているのだ。
    装画:しいら 装丁:鈴木久美(角川書店装丁室)

    クラウジウスの原理によれば、
    エネルギーは必ず高いほうから低いほうへと流れていくものである。
    これを恋愛に当てはめれば、人は易きに流れるということである。

    伝書鳩管制官とあまねく恋愛に復讐することを行動原理とする
    クラウジウス団のラブレター伝書鳩を巡る攻防戦!
    モテない大学生時代を引きずった馬鹿馬鹿しさと
    主人公磯野の諦観や理屈っぽさ、変な引用が
    森見登美彦さんと伊坂幸太郎さんを思い出させます。
    そこにのだめ(犬さん)をヒロインに持って来た感じ。

    磯野の高校時代の想い人である夜羽子の断章が気になります。
    選評で池上永一さんも触れているけれど
    こちらの核があるのかなあ。

  • ★★★☆☆
    あらすじに触れると、ネタバレになっちゃうんで(^^)
    秘密のお仕事、面白かったんで、もっとクラジウス団との対決を見たかったかな?
    (まっきー)

  • 恋愛に縁のない貧乏青年・磯野のアパートに学生時代の仲間が転がりこんできた。磯野の新しい職場は「鳩航空事業団」。そこでは鳩が恋文を運ぶ伝書鳩サービスを提供している。ある日、伝書鳩が「クラウジウス団」なる連中に拉致されてしまう。彼らの目的は「この世のあらゆる恋愛を妨害すること」。磯野は無事に鳩を相手に届けられるのか?かくして鳩を巡るナンセンスな闘いが幕を上げた。第1回野性時代フロンティア文学賞受賞作(「BOOK」データベースより)

    エネルギーは必ず高い方から低い方へと流れてゆく。
    このクラウジウスの原理を、鳩と恋と奇妙な友情とユーモアとで描いた大変質の良い解説書。・・・のような小説。

    「俺たちはさっき起きたところだ。ここでは俺の腹時計がグリニッジ標準時だ」ドイツ軍人かぶれの友人・ロンメル
    「今日はどのジャニーズが血祭りですか?」馬鹿丁寧な言葉使いで爆弾発言をかましまくる犬さん
    「鳩山由紀夫」「鳩サブレ」(合言葉)鳩に恋する上司・間宮さん&ブレザーを着たアフロ紳士・柳田さん。
    これらの奇妙な人物を引きよせてしまう主人公。
    奇妙でおかしみのあるキャラクターや、主人公が自分自身や周りの環境を、俯瞰的に、ニュートラルに語るストーリー展開は、ちょっと森見さんの作品を思い起こさせます。
    森見さんの本が好きって方にはおススメですね~。
    ぶくくと笑ってほろりとさせて、素直に「ええ話やなぁ」と思わせてくれる良い作品ですよ。
    小さな鳩から移った熱が、主人公にもたらしてくれた喪失感。
    〈喪失感を得る〉ということを、こんなにも温かく描いた物語を私は初めて読みました。
    本書によると、鳩航空事業団(PAC)の管制本部は、どうやら我が市にある模様。
    上空を翔ける鳩を見かけたら、恋を運ぶ彼らに、心の中で密かにエールを送りたいと思います。

  • 最初の舞台である公園、ははぁたぶんあの辺りだな、と思う場所だったので嬉しかったというか…M見T彦氏の小説に出てきそうなヘンなキャラがいっぱいでなかなか楽しかったです。夜羽子さんとのエピソードと、周辺のドタバタとの対比が面白かった。今後に期待!ということで☆3.5

  • エネルギーは必ず高い方から低い方に流れていく。
     
    森見さんの小説にでてきそうなちょっとおかしな人たちと伝書鳩の物語。
    主催にフジテレビが入ってる賞の受賞作なんで、
    そのうち映像化されるのかな?

  • ジャケ買い的に気になって読んでみた本。
    せっかくのおもしろい設定、もっと生かせたんじゃないかなぁって感じで残念だった。
    最後があっさりしすぎ。

  • 第1回野性時代フロンティア文学賞受賞作。 舞台は大阪の下町。倒産しかけた広告会社でいよいよ仕事がなくなって思案していた磯野は、公園でアフロヘアでブレザーを着た老紳士に話を持ちかけられる。彼こそは鳩航空事業団、大阪航空管制部、室長。磯野が鳩に餌をやっている様子を見て、彼の伝書鳩管制官としての適性を感じたという。あまりにも唐突なスカウト話。折しも、磯野のアパートには大学時代の仲間が転がり込んで来ていた。いつも戦闘服にゴーグルの巨体のロンメルと、なんだかいつもふわふわしてるぱっつん前髪の美少女の犬さん。二人とも職を失い、行くあてがないという。こういう、わけのわからない巻き込まれ型の出だしが好きなんだなぁ〜で、登場人物が、おかしな格好のよくわからない輩ぞろいっていう鳩航空事業団での先輩は、上乳丸見えの赤色のボンテージ姿のハイヒール姿の間宮さん。(ボンテージって知らなかったから調べて画像を見て納得)彼女が超クールでかっこいい。磯野をいじる感じもいいなぁ。謎の集団「クラウジウス団」もおかしい。舞台は京都と大阪と違えど、おバカな学生時代を引きずる感じや、ふわふわしたかわいい乙女の登場に、モリミーを連想させる。巻末に選考委員の池上永一と山本文緒の選評があり。特に、池上さんは、松尾さんの今後に期待する旨と熱いエールをおくっていた。ほんとに次の作品が楽しみ。

  • キャラクターが立っていて、話がヘンで、文章に味がある。
    これでストーリーに流れとパワーがもっとあれば、なかなかの傑作になっただろう。僕は好み。

  • 日本の空を鳩の定期便が飛んでいる?こんな妄想めいた話を、ユニークなキャラクターを揃えて小説にする発想が素晴らしい。そもそも「クラウジウスの原理」なんて言葉をタイトルに持ってくるところが理科系オタクの面目躍如だ。それも男女間の恋愛問題に応用して考え、行動するなんて、、、荒唐無稽な話のようでいて、なぜか惹きつけられるのは登場する人物たちの魅力のせいかもしれない。同居人として主人公の6畳一間の安アパートに転がり込んでくる元同級生の「ロンメル」や後輩の「犬さん」が実にいい味を出している。もちろん奇抜な設定も面白いし、もてない男たちの醸し出す「やるせなさ」や「情けなさ」に、思わず肩入れしてしまうところもある。ユニークなエピソードの連続でやや散漫になりがちな物語が、主人公・磯野の硬派な一面で締まっている。そして、余韻を残して終わる結末がいい。

  • 図書館でタイトルに惹かれて手に取った。
    ちょうど軽い物が読みたいと思っていたところですんなりと入ってきた。
    くすりとさせるセンスも好感触。
    少なくとも私の好きなタイプの小説であることは間違いない。

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鳩とクラウジウスの原理の作品紹介

恋愛に縁のない貧乏青年・磯野のアパートに学生時代の仲間が転がりこんできた。磯野の新しい職場は「鳩航空事業団」。そこでは鳩が恋文を運ぶ伝書鳩サービスを提供している。ある日、伝書鳩が「クラウジウス団」なる連中に拉致されてしまう。彼らの目的は「この世のあらゆる恋愛を妨害すること」。磯野は無事に鳩を相手に届けられるのか?かくして鳩を巡るナンセンスな闘いが幕を上げた。第1回野性時代フロンティア文学賞受賞作。

鳩とクラウジウスの原理の文庫

鳩とクラウジウスの原理のKindle版

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