きみが見つける物語 ティーンエイジ・レボリューション

  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048740494

作品紹介・あらすじ

きみが見つける物語。ずっと忘れない、世界は変えられると感じた日のことを…。ティーンエイジ・レボリューション。痛くて切なく美しい十代の日々を描く、極上のエバーグリーン・ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 10代の革命、そんなタイトルにふさわしく、YAもので名作を生み出している実力派作家達の競演は読み応えありました。どれも佳作だったけど、やっぱり先鋒の角田光代、トリの森絵都がワン・ツーでよかった。
    本書を読む目的でもあった角田光代「世界の果ての先」、中途半端さを持て余す10代の心情が絶妙なタッチで描かれている。思い付きでの束の間の逃避。この独特の不安定さが懐かしいし、発表されたのが2005年ということで、当時の角田作品の作風も懐かしいし。角田作品は可能な限りコンプしたいのだが、膨大なのでなかなか難しい。でも、アンソロジーなどでひょっこり昔の作品に出会えるのが嬉しいのだ。
    森絵都「17レボリューション」、森さんのYAものを読むのは「カラフル」以来だったので、はねるような明るさが印象的だった。自分革命のため、千春は「イキがいい」を基準として友人関係の整理。年齢の割に老成した(そこが魅力なんだけど)親友のイヅモに絶交宣言。ノリのいいグループと行動を共にするも、しっくりこない。そりゃそうだ、そんな頭でっかちな行動!でも、その心情もまた10代特有だよなと…わからなくはないのだ。読み始めは「はぁ!?」だったが、だんだんと突拍子な革命の決意の理由が明らかになっていき。その辺の描き方がさすが森さん、巧い!と思った。
    80年代後半の青春が懐かしい、椰月美智子「十九の頃」もよかった。
    全体的に…10代が主役とはいえ、よさがわかるのは大人になってからじゃないかなと思わなくもないけど。魚住直子「赤土を爆走」は、10代には消化できないんじゃないかなとも思うし。(いじめきっかけで暴走する主人公の行いがかなり痛くて苦いが、妙に心に引っかかった)そういう意味では本書は、大人には☆5つ級でおすすめ。大人があの頃の「きみ」を見つける物語、であります。

  • 「十代のための」という但し書きが「ティーンエイジ」に替わって
    数字がダイレクトに目に入らない分、
    「ください。。。」と本屋さんのレジに出しやすくなった、このシリーズ♪

    今回は、「レボリューション」をテーマに
    今いる場所から脱出しようとか
    他人から見られる自分のイメージを劇的に変えてしまおうとか
    生きる価値基準をひとつに絞って自分革命を決行しようとか
    不器用にがんばる少年少女が描かれています。

    あまりに救いのない結末が辛すぎた『赤土を爆走』以外は
    どれも瑞々しく、粒揃いの作品が並んでいるのですが

    中学で、あまりのオタクぶりに苛められていた、自称「月の森眠都」からの
    「デートしてくれたら、交通費+2万円あげます」というメールに
    ギターを買う金欲しさに軽い気持ちで上京し、同人誌イベントにまでつきあわされ
    オタク道を邁進したまま生き生きと過ごしている彼女にちょっと感動して
    結局交通費だけしか受け取らない三木くんが何とも言えず可愛い、
    笹生陽子『電話かかってこないかな』

    「なんか好き」と思える男の子や仲間に振り回され、流されるままに
    人生を転落してしまいそうな自分に不安を覚えて
    これからは「イキがいいか、悪いか」を基準に生きよう!と
    大好きな親友イヅモに絶交宣言してまで自分革命をしようとする千春の
    突拍子もない行動の数々が楽しい、森絵都『17レボリューション』

    この2作がとても印象的です。
    「自分を変えなきゃ!」とか「もっと素敵に変わりたい!」とか
    説明できない焦燥感に震えていたあの頃の自分を
    赤面しながらも、ひっそりと懐かしく思い出すアンソロジーでした。

  • 娘が借りてきた本。
    「意外と面白かった」
    と、彼女が言うのでわたしも読ませてもらった。

    ちゅうのも、ティーン向けの角田光代氏ってどういう感じなん、ちゅうのが一番気になった。

    んで、確かに面白かった。…けど、

    「人、死にすぎちゃう!?」

    と、本気で思った。(;´∀`)

    どのへんが面白かってん、娘!?

    (もちろんそれは人それぞれでええねんけど、十五歳怖いなと…。笑)

    元々、娘は救いのない話のほうが好きという印象があるし、わからいでもない。けど、わたしはもうちょっと「いかにもティーンエイジャー」「いかにもさわやか~」「ちょっと夢見がち~」な、短編集かと思っててんよ。

    全然違うわ。笑

    これ、わたしが実際のティーンエイジャーのころやったら読めんかったやろな。笑
    今でも夢見がちな小説(?)が好きやねんで。ティーンエイジャーなんてバリバリ夢見がちでしたよ。そっち方向に厨二でしたよ。ウフフ。


    一番面白かったのは森絵都氏。
    今までも気になってたけど読めてなかったので、「やっぱり(面白い)!!」てなった。

    早速、森絵都氏の本を読んでみよう。^^


    アンソロジーってこういう楽しみ方ができるからいいよね。

    あ、ほんで、角田光代氏は、ちゃんとティーンエイジャー向けの角田光代氏になってた!

    この話を四十代向けで書いたら、「八日目の蝉」に近づくんやろなと思った。すごい。

  • ティーンエイジの爽やかな物語を想像していたが、ドロリとした話もあって、ちょっと残念立った。違うバージョンもあるようなので別の日にチャレンジしてみたいと思う。

  • その名の通り、ティーンネイジャーが主役のアンソロジーだ。メジャーな作家陣がそれぞれの個性にあふれる「十代」を描く。
    別の単行本で既読ではあったけれど森絵都の短編が好きだったな。

  • 2014年11月1日

    カバーイラスト/宮尾和孝
    装丁/國枝達也(角川書店装丁室)

  • すごく、好き。

  • 2/24読了

  • 若者は、大事な人が死んでしまう話が好きなのだろうか。
    そこに憧れるのが若さなのだろうか。

  • 笹生陽子の『電話かかってこないかな』が面白かった。中学のときに転校しちゃったヲタ女子と、クラスメートの男子が東京で一日デートする話。後味がよかったー。

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2002年、第42回講談社児童文学新人賞を受賞した『十二歳』でデビュー。07年『しずかな日々』で第45回野間児童文芸賞、08年第23回坪田譲治文学賞、17年『明日の食卓』で第3回神奈川県本大賞、20年『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』で第69回小学館児童出版文化賞を受賞。『明日の食卓』は21年映画化。その他の著書に『消えてなくなっても』『純喫茶パオーン』『ぼくたちの答え』『さしすせその女たち』などがある。

「2021年 『つながりの蔵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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