- Amazon.co.jp ・本 (123ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048740586
感想・レビュー・書評
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この薄い一冊に、たくさんの背徳が詰まっている。
町一番の美しいかんばせを持つ者。
愛が満たされると体中に脂肪がつき
醜い姿で死に至る。
溶けたバターのような目を持つ者。
強い執着心を持つがゆえに、
自身の存在価値をなくしてしまう。
この二つの血が絡まり、
この世の背徳を残さずなぞる。
読了直後は全く意味が分からなくて、
でもみなさんのレビューを読んで
やっと解釈ができつつある。
相変わらず、桜庭さんの描く人物は
ぶっ飛んでますね。
公共交通機関で読むには
いささか刺激の強い挿絵もあり、
それもストーリーとは別路線で
背徳感を誘ってくるというwなんというシステム。
本作はちょっと好きになれなかったなー。
私は、所詮小物ですから←
道理から外れられないのです←
それに七竈の方が100倍はよかったのですもの。
背徳は耽美でなくては
絵にならないと思うのですよ。
私に理解できる耽美さが足りなかったのでしょうかね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
耽美な匂いのする短編集。桜庭一樹ってもっとラノベっぽいのかと思ったが、端正な文章を書く。
2話目が想像力を喚起するエロスで良かった。 -
悠久、ジャングリン、ジャングリーナ、ジャン、、、、ミミ。
美しい薔薇のかんばせと、バターのような黄色の瞳を持つ、道徳という名の少年のはなし。
艶のある挿絵と凝った装丁、この綺麗な本に、不道徳が描かれるというのがいい。官能的表現部分を読めば、桜庭一樹さんが男性だと勘違いはしないだろうな。実に女性らしい気がする。 -
怠惰、色欲、暴食、誇り、強欲。
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ところどころにある挿し絵が、桜庭一樹さんの不思議な世界へと連れて行ってくれます。
おどろおどろしくて、不気味。
だけど、何故か一人一人に共感できた気に、なる。 -
艶かしい絵と、毒気のあるストーリー。
退廃的というか世紀末芸術というか、こういう表現は上手い。
本の装丁がまさに芸術品。 -
やっぱり私、桜庭一樹好きっぽいな…
四駅で読み終わり。向かいに座ったおばあちゃんの怪訝な顔が忘れられん。 -
5/29
これも桜庭一樹らしさが出てるなあと思いながら読んだ。
もともとは短編で、別々の雑誌に書いたもの。だけど内容は繋がっている。
「ジャングリン・パパの愛撫の手」がいつにも増して現実離れしているし、なんだかすごく生々しい話だけれど、そこがまた桜庭一樹のよさだと思う。
これもまた不思議な父親が出て来る設定(桜庭一樹はこの設定をよく使う)だが、ほかとは違う感覚が味わえると思う。