道徳という名の少年

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.24
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本棚登録 : 1090
感想 : 204
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  • Amazon.co.jp ・本 (123ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048740586

感想・レビュー・書評

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  • この薄い一冊に、たくさんの背徳が詰まっている。

    町一番の美しいかんばせを持つ者。
     愛が満たされると体中に脂肪がつき
     醜い姿で死に至る。
    溶けたバターのような目を持つ者。
     強い執着心を持つがゆえに、
     自身の存在価値をなくしてしまう。
    この二つの血が絡まり、
    この世の背徳を残さずなぞる。

    読了直後は全く意味が分からなくて、
    でもみなさんのレビューを読んで
    やっと解釈ができつつある。

    相変わらず、桜庭さんの描く人物は
    ぶっ飛んでますね。
    公共交通機関で読むには
    いささか刺激の強い挿絵もあり、
    それもストーリーとは別路線で
    背徳感を誘ってくるというwなんというシステム。

    本作はちょっと好きになれなかったなー。
    私は、所詮小物ですから←
    道理から外れられないのです←
    それに七竈の方が100倍はよかったのですもの。

    背徳は耽美でなくては
    絵にならないと思うのですよ。
    私に理解できる耽美さが足りなかったのでしょうかね。

  • 道徳という名の少年。というより、一族の方がピッタリとするかもしれない。内容的には私は面白いとは思えなかったが、小物の使い方や文章の上手さは素晴らしいと思う。童話っぽい書き方で幻想的ではあるが、登場人物に感情移入することはできなかった。

  • 耽美な匂いのする短編集。桜庭一樹ってもっとラノベっぽいのかと思ったが、端正な文章を書く。
    2話目が想像力を喚起するエロスで良かった。

  • 悠久、ジャングリン、ジャングリーナ、ジャン、、、、ミミ。
    美しい薔薇のかんばせと、バターのような黄色の瞳を持つ、道徳という名の少年のはなし。
    艶のある挿絵と凝った装丁、この綺麗な本に、不道徳が描かれるというのがいい。官能的表現部分を読めば、桜庭一樹さんが男性だと勘違いはしないだろうな。実に女性らしい気がする。

  • 怠惰、色欲、暴食、誇り、強欲。

  • ところどころにある挿し絵が、桜庭一樹さんの不思議な世界へと連れて行ってくれます。

    おどろおどろしくて、不気味。
    だけど、何故か一人一人に共感できた気に、なる。

  • 独白するユニバーサル横メルカトルを思い出したが、あれほど悪趣味ではなく、好ましかった。桜庭さんはさすがだと感じた。
    ぼくの代わりに歌ってくれは、ぐっときた。ドキッとした。
    初出のところをみるとそれぞれ媒体に合わせて書かれたものであることがうかがわれ、感心した。
    面白い装丁だと思った。

  • 艶かしい絵と、毒気のあるストーリー。
    退廃的というか世紀末芸術というか、こういう表現は上手い。
    本の装丁がまさに芸術品。

  • やっぱり私、桜庭一樹好きっぽいな…
    四駅で読み終わり。向かいに座ったおばあちゃんの怪訝な顔が忘れられん。

  • 5/29

    これも桜庭一樹らしさが出てるなあと思いながら読んだ。
    もともとは短編で、別々の雑誌に書いたもの。だけど内容は繋がっている。
    「ジャングリン・パパの愛撫の手」がいつにも増して現実離れしているし、なんだかすごく生々しい話だけれど、そこがまた桜庭一樹のよさだと思う。
    これもまた不思議な父親が出て来る設定(桜庭一樹はこの設定をよく使う)だが、ほかとは違う感覚が味わえると思う。

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著者プロフィール

1971年島根県生まれ。99年、ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。2007年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞、08年『私の男』で直木賞を受賞。著書『少女を埋める』他多数

「2023年 『彼女が言わなかったすべてのこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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