- Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048740883
感想・レビュー・書評
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「覇権通貨」の前作である本作。
日本産業銀行上海支店 江草が活躍する。
ちょっと、覇権通貨で感じた 江草と 人間が違う感じを受ける。
相変わらず、中国に対しての想いと含蓄がある。
頭は、ボサボサだそうだ。悟空のイメージとか。
パートナーの張軍超は、猪八戒。
張建文が国家産業委員会の副主任。
父親湯雲は国家副主席で、息子は 湯建国。
コダック→ウエスティンフィルム。
ウエスティンフィルムの中国総代表は 趙鵬。
浅間フィルム→富士フイルム。
デジタルカメラに押されて世界的に衰退しつつあるフィルム。
中国のフィルムそしてデジタルカメラ市場にどう参入するか。
ウエスティンフィルムは、中国国内に工場はあるが、質が悪い。
中国でのナンバーワンはチャンスフィルム。
その総経理は、劉佳。個人の財産を増やすことだけに専念。
湯建国と趙鵬に通じている。
徐達夫は、技術的に優れている副総経理。
浅間フィルムと提携しようとしている。
杜愛蓮が、モルゲンゴールデマンの中国担当マネージャー。
登場人物が絡み合って、中国の市場で 生き残りをかける。
中国政府の思惑と個人への利益誘導。
ルールを平気で変えるのが、中国的な特徴。
情報が、どこからとってくるかで、大きく影響する。
株主総会を巡って、独立董事を参加させない陰謀と
それを打ち破る方法が、実に面白いなぁ。
杜愛蓮の趙鵬への復讐の仕方が、軽妙。
非流通株と流通株で、大きく変わった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中国に造詣が深く,『日中が協力すれば世界最強』という
日本産業銀行の江草は,中国のチャンスフィルム買収のプロジェクトを
日本の浅間フィルムに提案する。
登場人物が多くて最初は戸惑ったが,読み進むうちに苦にならなくなった。
善玉・悪玉がはっきりしているのは経済小説の宿命なのか? -
「黄土の疾風」に続き、深井律夫の小説をさらに読破。
こっちがデビュー作らしい。
この小説も中国を舞台とした小説で、作者は元銀行員だからか主人公は銀行マン。WTOへの加盟や国有企業の外資への売却など、産業発展に大きく舵をきった頃の中国の様子が分かった気がする。
この小説もストーリーが面白く、あっという間に読み終わった。小説のクライマックスの部分は地下鉄を乗り過ごすほどのめり込んで読んでた。
次回作が楽しみ。 -
中国人の名前にフリガナを全部にいれてちょんまげ 覚えられへん!
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一筋縄ではいかない中国ビジネスの難しさが、小説を通して感じ取ることができる。中国に赴任するビジネスマンには読んでもらいたい一冊。
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中国ビジネス小説。著者は銀行勤務だそうで、銀行マンが勝つためにどういう仕事をしているかを垣間見ることができる。フィルム業界が主戦場なので、人生初の一眼レフがデジタルだった自分としては少し想像力が必要だったけど、ビジネス小説という要素だけでなく、中国に対する著者の愛憎を突き抜けた感情はとてもポジティブに受け取れた。近くて遠い中国という国や人を感じるには、この人の本はひとつのとっかかりになると思う。
ビジネス小説とはいえ、真山仁さん(ハゲタカしか読んだことないけど)のヒリヒリするような感じよりだいぶウェットな感じ。 -
「日中が協力すれば世界最強」を信念に、真摯にビジネスで日中の懸け橋になろうとする銀行員を中心に、中国市場を狙う、また、それを利用する中国人の敵味方入り乱れた人間模様を描く。中国独特の慣習・人間観も丁寧に触れられていて(少しくどいかも知れないが)、知識のない自分でも読みやすい。日中関係に限らず、主人公ようなの真摯で、真っ直ぐな生き方が最後に実を結ぶ世の中でなければ。
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「日中が協力すれば世界最強」という信念のもと、中国投資課で日本企業の中国進出をサポートしている江草だったが・・・
下手なビジネス書より、中国でのビジネスがわかるかも。
銀行員としての知識と、中国文化への造詣の深さで二度おいしい。 -
中国人の考え方、中国でのビジネスについて勉強になる。著者が言うように、経済小説を読むことで、興味を持ち、理解が深まる。
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小説なかで名言が多用されてちょっと閉口するところもとちょっとご都合主義的なところがあるが、展開は早く、読むやすかった。これがデビュー作ということで、次を期待したい。