からまる

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著者 : 千早茜
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年2月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048741736

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からまるの感想・レビュー・書評

  • 連作短編。

    地方公務員武生と彼が拾った女の話…まいまい
    派遣社員田村は、武生を想う…ゆらゆら
    武生の上司と、妻の浮気相手の娘の話…からまる
    武生の姉と、バイト先の客篠田の話…あししげく
    金魚を殺しちゃった小学生蒼真の話…ほしつぶ
    田村の友人、蒼真の家庭教師華奈子の過去…うみのはな
    総合病院の女医葛月と患者の大原さんの話…ひかりを

    見事にからまっています。笑
    つかみどころのない各主人公たち。
    でも、話はとてもきれいで、好感が持てる。
    男性は、ゆるっとしたタイプが多く、女性は、気が強く、自分で生きていこうとするタイプが多かったかな?
    (田村はちょっと違ったけれど)

    初読みの作家さん。
    とっても気になりました。
    他の本も読んでみたいです。

  • 読み始めたら、想像していた以上に惹きつけられました。連作短編集。複雑に登場人物が重なりあい、時間軸も絡まりあっていた感じでした。短編自体は、登場人物の抱えている心の闇のようなものを軽くする話が多かったです。筒井と蝸牛をペットとしている女性の話が一番印象的でした。「まいまい」と「ひかりを」が好きでした。

  • ひととひとって目には見えないけど複雑に絡まりあってる。年齢も性別も違う7人が複雑に絡まりあう短編集。うまく感想を書けないけど、心地良い文体で非常に読みやすくすらすらっと読めた。華奈子が好き。2012/019

  •   主人公の天窓のあるベッドルームにやってくる女性。空を見ながら横になれるうれしさがよくわかる。彼女の生死と向き合う難しい姿勢は前半で描かれた
    ものからすると意外なものだった。
     
     ふたりの再会のシーンがとてもいい。

     何に対してもどうでもよくて、深くかかわりたくないと思いながら生きてきた男性が、
    その女性に再会することで変わったところに心がじんわりする。
    そこは他の人の語りだけで、直接のシーンがなかったのが残念。
     

  • 角度が、立場が変わると全然違って見えてくる。当たり前なのに、日々の中ではなかなか気づけない事。客観的に見せてもらって色々な事に気付く。
    実際自分が置かれる状況ではなかなか出来ないかもしれないけど、せめて違う角度があるという想像力だけは失わないようにしたい。

    人生のステージ的なものが一緒なのか、おじさんの章に一番揺さぶられた。

  • 人はどうしたって誰かと関わらずには生きていけないし、誰かを必要とすることに煩わしさを感じながらも、誰かに必要とされたいとも思うんだよね。

    っていう青臭いことを久しぶりにシミジミ思いました←
    最近プライベートで思うことあった人が言いがちなセリフですね←←

    でもそのめんどくささは、愛おしさの裏返しなんですよね。

    察してくれい(切実

  • 7人の男女の視点で語られる7つの物語。7つの話が緩やかに繋がっている。視点が変わると、同じ人が違う輝きを見せる。自分の生き方に悩み、苦しんでいる主人公たちが、人との関わりの中で本当の気持ちに気づく。自分はどうしたいのか、どうしてほしいのか・・・。勇気をもって踏み出した小さな一歩が彼らの「いま」を変える。
    他者から見るとお気楽に生きているように見える者も、自分が主人公になったとき、皆それぞれの事情を抱え、悩みながらもがきながら生きていることに気づいて愛おしくなる。
    「動くから生き物なんじゃなくて、どんなかたちでも生きるから生き物なのだ」すべての生あるものの命を肯定する祈りのような作品だった。

  • --もがき迷いながら〝いま〟を生きる
             7人の男女たちが一筋の光を求めて歩きだす--

    ♣ まいまい
     公務員の武生の部屋には野良猫みたいな女がやって来る…。

    ♣ ゆらゆらと
     あたし、田村はいつも男に軽く扱われる。
     落ち込んだ時、いつも話を聞いてくれる華奈子に会う…。

    ♣ からまる
     腹が立っても不満を言えない。
     自分がぶちまけてしまった残骸を見るのが苦手
     妻が不倫をしたという…。

    ♣ あししげく
     息子の誕生日のケーキを用意しながら、彼を授かった頃の事を思い出す…。

    ♣ ほしつぶ
     教室の金魚を殺してしまった理由を話せない僕・蒼真
     旅先の海岸で老人と会い星の砂を貰う…。

    ♣ うみのはな
     あの男には近寄って欲しくない!
     実家に帰る時、真っ赤なマニュキュアで武装する私・華奈子…。

    ♣ ひかりを
     女医である私・葛月は、一人の老人が座っているのを見掛ける
     その老人は大原という名で、病院では有名だった…。

    七編からなる連作短編集
    第一話の主人公武生から、関係のある人が七話でゆるゆると紡がれてゆく。
    物語の語り手が、話ごとに移り変わってゆく。
    自分で思っている自分と、他人から見た姿がそれぞれ異なって見える。
    心の中でこんなにも足掻いていたのかと…。

    自分は孤独でいいのだ。人と深く関わるのは面倒と思っていても、
    やはり人は一人では生きて行けない。
    誰かに寄り添いたい…。
    皆、どこかで絡まってるし、どこかで絡まる相手を求めている。

    誰もがきっと、しっかり向き合うと自分自身が壊れてしまいそうな事を抱えてる。
    普段は蓋をしたり、見て見ぬ振りが出来ていても
    ふとした瞬間、それらは滲み出てやられてしまう。
    自分の脆さや弱さをスルスルと描写していた。

    皆が、少しだけ光に向かって行った。

  • 2ヶ月くらい前に半分くらいまで読んでやめてた本。静かだけど、こういうからまり方すき。
    最後の『ひかりを』読んだら、最初の『まいまい』に戻りたくなった。
    ちょうどこないだ買ったレターセットがこの本のイラストレーターの西淑さんだったのに気づいてにやにやした。

  • 淡々としすぎてると思ったけど、途中からおもしろくなった。
    「からまる」がいちばんよかった。
    図書館で借りた本だけど、文庫の装丁の方がかっこいい。

  • 連作短編集、特に大きな事件や展開はないけれど、一人ひとりの物語が丁寧に書かれていて、なかなか楽しめた。

  • 1人1話、繋がっている人間模様が描かれた作品。心理描写がしっかり描かれているから、『この頃この人はこう思っていたのか!』知るのが面白かった。どの人もどこか共感できる部分があり、共感できない部分でもそういう考えもあるのかと思えたりした。特に印象に残ったのは小学生が金魚を殺した理由。なぜ殺したのか?奇怪な行動に気味悪さを感じたが、理由を知れば「あぁ、そういう事か」と。理由などなく漠然とした気持ちで行動する場合もあるだろうけど、この子の場合はちゃんとした考えがあった。人を知るには、やっぱり言葉も大事。

  • 2015.3.1 読了

    7話の短編集。

    まずは 武生(たけお)の話。
    そこに出てくる 人たちが
    続編で主役としてどんどん出てくる。

    なんか 言葉にしにくいけど、
    淡々として 退屈だったりするんだけど、
    ほわっと あったかくなるような。

  • 2015/1/29.

    ひとつなぎの連鎖となった日常が絡まり合った短編集。登場人物たちそれぞれがどこか遠いところをみていて、なぜだか懐かしさを感じてしまう。きっと、わたしの断片たちがそこここにいるからなのだろうなあ。美化をし過ぎだとしても。
    みんな絡まり合って、うごめきあって、生きている。結局のところ、冷めたふりなんてしてみても、諦めきれない。
    だから、ハッピーエンドがいいんだわ。起承転結がある、普通にドラマティックな人生であればいい。
    死は生に含まれるのだから。

  • これくらいのハッピーエンドがちょうどいい。

  • タイトルのように、誰かと誰かがゆるやかに絡まり合っているような短編連作。
    全体的に静かでゆるやかなお話だが、さっぱりした雰囲気で終わるので、個人的には少し物足りなさを感じた。
    ただし、『うみのはな』は主人公の愛憎がダイレクトに伝わってくるのでお気に入り。
    華奈子のように器用で、けれどどうしようもなく不器用な人間がたまらなく愛おしい。

    <収録作品>
    まいまい/ゆらゆらと/からまる/あししげく/ほしつぶ/うみのはな/ひかりを

  • 「男ともだち」が好きだったので、読んでみた。

    ちょっと現代のおとぎ話のような、でもこんな人も居るのかもと思わせるような。

    窪美澄/桜木紫乃あたりの作品を、もっと非現実的に仕上げたような感じ。似た読後感。

    結局、なにも分らなくてもいいのだ。
    そもそも短い人生で、大義が分るかなんておこがましいのかも。

  • 登場人物が少しずつずれて、主人公がバトンタッチしながら進む連作短編集。最初の「まいまい」が、ラストの「ひかりを」につながり、ぐるりと一周して終わる。
    主人公は皆、不器用な生き方をして苦しんでいるが、やがて救いが訪れてほっとする。反面、他の作品に比べると毒が少なく、やや物足りなさも感じた。

  • 千早さんは『魚神』が、あの水のイメージがうつくしくて水の中にもぐっていく感じがして、すごく大好きなんですが、このお話もすきだなと思いました。「あししげく」がとくにすきかなあ。それぞれの物語の主人公には据えられていないひとは平凡に描かれているけれど、つぎの物語を読むときは視点がぐるりと変わる。どんな人にも物語があるんですね。
    『魚神』を読んだ時と同じように、でもあの時よりはすこし暖かくてさわやかな水の中に浸っていく(武生の言ったように、同化すること、なのかもしれません)感じがしました。

  • 以前は千早茜さんの『あとかた』を読み、他の作品も読んでみたくなり、こちらの作品も読みました!めちゃくちゃ好みで良かったです♪やっぱり千早さん好きだなぁと思いました☆7編の連作短編集。それぞれのお話の脇役が次では主人公になり別の視点で描かれます。全体的にふわふわして透明感のある文章です。男女の描き方もいいです♡読了後また読み返したくなりました!「まいまい」の筒井くんの最後にキュンときて「あししげく」のラストにほっこりし「ひかりを」の大原さんには泣かされました。とても好きな作家さんになりました☆

  • 人間って
    結局ひとりで孤独だけど
    どこかで感情とか関係が
    つながっている、というか
    からまっている

    連絡短編集 7話

    男と女、女友達、
    医師と患者
    少年、家族など

    言葉にできなかったり
    理由もよくわからなかったり
    だけど人はつながって
    からまってしまう

    そんな運命みたいのってあるなぁ
    好き
    この小説

  • 感情むき出しのひとって、うらやましい。
    気分がころころ変わるっていう意味ではなく、素直っていう意味でね。
    武生と蒼真くんの生き方って、とくに誤解されやすいのかも。
    いや、みんなそうだよね。
    いつもそう思う。
    私たちはその人の、ほんの一面しか知らないんだって。
    全てを知ることはできない。
    別の個体なのだから。
    それって、孤独だけど、面白いね。

    でも、最後にお姉さんが行った通り、人生どうなるかなんてわからない。
    自分はこうあるべき、って思っていても、明日には変わっているかもしれないってこと。

  • すっきりしたグレープフルーツジュースを飲み干した感じ。
    ものすごく透明感のある文体。
    連作小説だが、どれもすーっと読めてさわーやかな気分になれた。
    前回眠りの庭を読んだので、もっとドロドロした内容かなと思ってたけど、いい意味で期待を裏切られた〜。

  • 本としてよかったけど、「抱擁 ...」や「ホテルローヤル」が同じようなタイプの本で、読書会向きの本かどうかでこの3つに順位をつけると、この本は3番です。

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からまるの作品紹介

もがき迷いながら"いま"を生きる7人の男女たちが一筋の光を求めて歩き出す-。視点が切り替わるごとに、それぞれが抱える苦悩や喜び悲しみが深まってくる。からまりあう男女を描いた、7つの連作集。

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