本日は大安なり

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著者 : 辻村深月
制作 : さやか 
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年2月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048741743

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本日は大安なりの感想・レビュー・書評

  • ピアノを弾いて♪ と頼まれる中で、とりわけうれしいのは
    やっぱり、親戚や大切な友達の結婚式での演奏なのです。

    特に忘れられないのが、アニメ大好きな後輩に、キャンドルサービスのBGMを
    アニメソング尽くしでぜひ!と頼まれた時のこと。
    各テーブルを廻るのに予定より時間がかかった上に、
    最後のハート型のキャンドルになかなか灯が燈らない。
    準備していた曲は全部弾いてしまったので、彼女の好きなアニメを必死に思い出し
    即興でアレンジして弾きまくる私に、式場係の女性が目顔で送ってくれた励ましと
    「あとちょっと!」 「そろそろ弾き終えて大丈夫!」の合図が素晴らしくて。

    そんなことを懐かしく思い出しながら、
    ハプニングに見舞われても決して諦めず全力で対処し、
    晴れの日を温かく支えるウェディングプランナーの世界に惹きこまれました。

    双子の片割れとしてではなく、愛する人にだけは
    「世界にたったひとりの私」として見つめられたい、ややこしい花嫁。
    わがままでいつもケンカ腰、要望に沿うよう努力を惜しまないプランナーに対して
    感謝はおろか、自分がミスしても絶対に謝らない、クレーム魔の花嫁。
    大好きな叔母がいかにも怪しい相手に嫁ごうとしているのを
    なんとか阻止して守らなくては!と思いつめている小学生の男の子。
    愛する妻がいるのに、生来の調子の良さから、浮気相手と
    賑々しく結婚式を挙げる破目になり、当日になってぶち壊しを目論む花婿。

    何事においても成功まちがいなしのはずの大安吉日に押し寄せるハプニングの数々を
    登場人物の誰ひとりとして救いようのない悪者にはせず、
    心温まる解決に導く辻村さんの筆が鮮やかです!

    なぜだかツキに恵まれて、嫌なテストも学校に雷が落ちたことで免れてしまった過去とか
    評判のグラタンが生焼けだったりとか、あいかわらず伏線のさりげなさも絶妙で。

    「勘弁してよ」とつぶやきながら、「ややこしい子」を深い愛情で包む
    花婿の映一さんにきゅんきゅんしながら
    物語に関わった全ての人を祝福するように鳴り響くウェディングベルが
    本当に聞こえてくるような大団円に、歓びがこみ上げます。

    結婚式に夢を抱いていて、予算に余裕のあるカップルは
    日本経済のためにも、思う存分お金をかけて。
    ちょっぴり懐がさみしいカップルは、創意工夫で思い出に残るふたりだけの式を。
    そして、今、片想いに胸をこがしているひと、恋を失ったばかりのひとは
    いつか最愛の誰かと素敵な式があげられますように、と
    祈らずにいられなくなる物語でした。

  • 老舗結婚式場ホテル・アールマティ。

    大安の日、挙式予定のカップルが4組。

    美人双子の片割れ 加賀山妃美佳と眼鏡がクールな相馬映一。

    ギャル風でワガママな大崎玲奈と年の差婚の十倉氏。

    白雪姫になりたい薬剤師 白須りえと年下で頼りない東誠。

    軽薄なホスト顔の鈴木陸雄とその想い人。

    それぞれの画策や秘密に山井多香子や岬らプランナーまで巻き込み、無事式は進行されるのか!?

    ややこしく面倒くさい双子たちやどこまでも自己中心なギャル嫁に女たらしに……悪巧みの匂い。。

    途中ハラハラしたが、小気味良い展開で見事に辻村深月ワールドへ引き込まれる。2人が佳き日を迎えられるまでには本当にたくさんの人の想いやお金が動くんだなぁ…。その全てに応える意味でも新郎新婦は幸せになる責任がある。

  • ウエディングプランナーの多香子が勤めるホテルで行われる4つの結婚式にまつわるお話。

    11月のある大安の日に、4組のカップルが結婚式をとりおこなわれた。
    1組目は、双子の美人姉妹の妹と、眼鏡の奥の瞳に冷たい光がさす男性(どうやらずいぶんややこしい性格の持ち主らしい)の物語。
    この一卵性の双子である姉妹は、顔はそっくりなのだが、性格がずいぶん違うようだ。
    華やかで積極的、存在感があり仲間内の意思決定に常に関わる姉。
    子どもの頃のある日を境に、地味でおとなしく、姉に庇護される立場を甘んじて受け入れるしかなかった妹。
    どちらもこの立場を求めて落ち着いたわけでなく、そのようにふるまうことで絶妙なバランスを保ち、あたかもそれが正解であると生きてきた。
    誰よりも仲良く、太陽と月のように対となってどちらも決して欠けることなく、分かち難い2人。けれど、実際はそれぞれがお互いを強く意識し、自分が相手を出し抜き、自分こそが絶対の愛を手に入れたことを相手に突き付けたいと思っている。
    その企みは、結婚式当日に予想もしない形で実行された・・・。
    表向きの振る舞いとは違う心の奥の奥に気づいているのは、結婚相手の映一さんだけ。それは、最後に明かされるのだが。

    うーん。
    兄弟、親子の人間関係って難しい。
    いい話ももちろん多いけれど、複雑で依怙地になって、ひりひりした辛い感情を含むものも、あれこれ思い浮かぶ。
    (最近読んだ本では「ビブリアシリーズ」にもありましたね)
    なにしろ、長年にわたってじわじわと環境を変えずに既成事実化していくわけだから、何か雷に打たれてショックを受けるようなことでもなければひっくり返りにくいんだろうね。

    3組目の話に登場してくる甥っ子の真空くん。
    情報の混乱により、誤解が生じ、末端にいた彼は一人苦しむことに。
    ボタンのかけ違いからくる思い込みや勘違い、間違った方法で点と点をつなげて事実をゆがめてしまうことの恐ろしさ。
    真空くんのお母さんも妹のことを思っているからこそなんだけど。

    だんだん年をとり、敬語で話しかけられることも多くなってきて
    つい経験から決めつけてしまうこともあったと反省。
    視野を広く。知らないことの前では、謙虚にならねば。

  • 今まで読んだ辻村作品とは ちょっと違った感じの作品。
    高級老舗結婚式場で 同じ日に行われる4組のカップルのお話が時系列で 進んでいくので、読んでいても先が気になり、わくわくしながら読み進められた。
    読み終わった後の読了感は清々しく、やっぱり辻村さん好きだな~。

    人生最高のエンターテイメントである結婚式に携わる ウエディングプランナーって大変だなと思う。山井さんのプロ意識さすがです。こんなプランナーさんに結婚式を作ってもらったら素敵な結婚式になるんだろうな~。

    私的には 双子のお話が一番好き。映一さんが 素敵。あ、東くんもよかったなぁ・・

  • 辻村さんの小説は大好き。だけどまだ全部は読破してない。
    なんだろうな~センスがありますよね。
    つい最近、結婚式に招待されたばかりだから、余計面白かった。
    4組もの結婚式があったら、それだけドラマチックな内容がてんこ盛りですよね。
    双子ちゃんの話が好きかな。
    あとウエディングプランナーさんも素敵でした。

  • 4組のカップルが結婚式を行う、パラレルストーリー。
    少しだけ、交差するのがまたいい♪

    そして、結婚式の新郎新婦を陰で支える「ウェディングプランナー」
    そのような仕事を全然知らなかったが、これを機に調べてみようと思えた。

    結婚って、いいものなのだなあ~と心踊らされる作品。

    素敵です(●^o^●)

  • 今まで読んできた辻村作品は「冷たい校舎の時は止まる」「子どもたちは夜に遊ぶ」
    「ぼくのメジャースプーン」「凍りのくじら」「スロウハイツの神様」
    「名前探しの放課後」。

    この作者さんに対する私の評価は基本、「登場人物達を慈しむ作家さん」。
    まるでその目線は、神のような高さにあって母のようだ。
    しかもこのかーさんはたいへんな子だくさんで、どの作品も登場人物がてんこもり。
    しかも横軸でわずかに、それらの幾人かがつながってゆく。
    だから私たちはこの人の作品から目を離せない。

    どう成長するんだろう、何があったんだろう。
    一冊読み進むごとに顔をのぞかせる「顔なじみ」がいて、
    ちゃんと事後報告してくれるから、辻村作品にはある意味、終わりはないんだろうと思う。

    だから、この「大安吉日」1日ですべてのけりを付けざるを得ない今回の構成に、
    期待と同時に不安を覚えたのも事実だ。
    だって1日じゃ、誰も十分に成長できないじゃん?


     ところが読み終わって、かーさん、やるね?
    (すいません辻村先生、あたしよりかなりお若いですね)

     辻村作品の子供達はなんと、このわずかな間に爆発的に成長してた。
    憧れのお姉ちゃんを守る小さなナイトが、優柔不断なダメ夫が、シスコンの姉(妹?)が。

    そうしてなんだろう、この潔いばかりの前向きなケッコン讃歌。
    キモチいい!!
    とかく商業主義的だとかお約束だとか言われるけれど、
    やっぱり結婚式って大事じゃない?

    目の前のこの人が絶対に自分にとっての唯一無二であり、
    しかも自分も相手にとっての絶対じゃなきゃ、やってらんない。

    さらにそんな能天気な自己中なカップル達の思いを縦軸に、
    脇でしっかり「徹頭徹尾の完璧な脇役」に徹するプロ意識。

    そんな脇役にだって主役席をちゃんと用意するあたり、
    ここはかーさんの面目躍如といったところか。

    いろいろなところに楽しみをちりばめつつもちょこちょこっと棘のある、
    でも全体にハッピーエンドでカラフルな今回の辻村作品はなんだか、
    懐かしいこんぺいとうみたいだなって、
    いやいやもしかしたらカレイドスコープかな?なんてあたしは少し、考える。

    そうして、この本を手に取ったあなたに今好きな人がいて、
    ついでにもしもその人との大安吉日のケッコンを考えていたとしたら、
    そんなあなたを私はとても、羨ましく思う。


    いつかはあなたの王子様は、お姫様は、今のきらきらを少し、失うかもしれない。
    そんなときに胸に手を当ててこう呪文を唱えるだけでいい。
    「大安吉日にケッコンしたじゃん、ダイジョブダイジョブ」

    辻村作品、万歳。なんだこの、爽快感?
    くーっ、ケッコン式、ジューンブライド、いいなぁ!

  •  結婚式の様子を、挙式する花嫁だったり出席者だったりで、
    時間ごとに追っていく。その書き方が辻村さんらしい。
     双子が入れ替わり、新郎が気づいていないと思っていたら
    はじめからわかっていたというのが気持ちいい。
     思わせておいたのとは違う結末にもっていくトリックが鮮やか。
     細かい展開にアイデア、そして気持ちの動き方、深さ。どれも手が込んでいて
    自然でわくわくせずにはいられない。
     最高でした。

  • 最後までページを捲る手が止まらなかった。さすが辻村さん。そして映一さん、素敵すぎる。

  • 11月22日。世にいう「いい夫婦の日」
    連休、そこに大安までもが重なったその日に、結婚式場が忙しくないワケがない。
    老舗ホテルの結婚式場「アールマティ」もご多聞に漏れず、その日4組の結婚式が予定されていた。

    一世一代の賭けに出た、美人双子の結婚式。
    悪気はないのだろうけれどワガママ放題のクレーマー新婦。
    大好きな叔母が結婚してしまう、小学2年生の男の子。
    何か秘密を抱えたまま今日のこの日を迎えた新郎。
    そして、この式場で働く、一人のウェディングプランナー。
    それぞれ思惑を抱えている彼らのことを時は待ってくれず、大きなうねりのように、式が執り行われていく。

    双子の結婚式には「ヤラれたー」と思ってしまった(途中もちょっと混乱してた)し、ゴールドルームの新郎には女性として眉を顰めてしまうけれど、大安吉日の、幸せな人たちの笑顔に彩られた場所で起こった出来事。
    ウェディングプランナーさんにも自然な笑顔がこぼれる後日談。

    幸せのおすそ分けを貰ったということで、これはこれで良しとしましょう。

  • 老舗の結婚式場を舞台に、4組の結婚式/披露宴を描く。
    双子姉妹が新婦に仕掛ける企みは?
    かつて結婚を約束した男を奪っていったクレーマー気味の新婦と、ウェディングプランナー。
    叔母にあこがれる小学生の男の子の取った行動は?
    自分の結婚式を自分の手で中止しようとする男。
    それぞれの抱える問題を描きつつ、同時進行で最後のまとまりへと。
    この人も幸せになってしまうのか?と少々思ったが、結婚式だし、大安だし、ハッピーエンドということで何より。

  • ややこしい美人双子姉妹…相馬家・加賀山家、とんでもないクレーマー新婦…十倉家・大崎家、叔母の結婚に色々な思いをお腹にしまった小学生…東家・白須家、誰にも言えない秘密を抱えた新郎…鈴木家・三田家、それぞれの思惑を胸に、結婚式は進んでいくが、なんと式場が火事の影響で中止となり、式場から式のお金は無料にすること、式をやり直したい人は無料でやり直せることが告げられた。
    その時恋人たちが選んだ結末は…。面白かった。

  • 本日は大安なりと言う題名通り、全ては丸く綺麗に収まりましたな〜。
    辻村さんのお話だと最後まで何が起きるか分からない分すごくドキドキして、もしバッドエンドだったらどうしよう・・・・と、思っていたけどタイトル通り全ては丸く収まってよかった。

    複数の思惑が複雑に絡み合って進んでいく結婚式の「ある大安の日」をとてもうまく綺麗に一つにまとめることの出来る辻村さんはやっぱりさすがでした。

  • 日本一有名な結婚式場「ホテル・アールマティ」。
    11月の大安の日、そこでは4組の結婚式が予定されている。

    過去、自分から婚約者を奪った女のウェディングを仕切る羽目になったプランナーの山井 多香子。
    プロとして胸を張るために、いい式を作ろうと決意するが――

    「どうしても自分を選んで欲しい…鞠香ではなく」
    その願いから姉と入れ替わり、花婿に挑戦をしかける双子の妹、妃美佳。彼は客席から本物の花嫁を見つけられるのか。

    「りえちゃんは不幸になっちゃうの?」
    叔母のりえが選んだ彼氏は、ぼーっとして頼りない。祖母と母の悪口に心を痛めた少年・真空は結婚式を阻むため、小さな体で奔走するが・・・

    「俺が悪いんじゃない!」
    結婚している事実を偽り、軽い気持ちで始めた浮気。
    しかし彼女が強引で、いつの間にやら「結婚式を挙げる」ことに・・・このままでは重婚だ――鈴木 陸雄

    以上4組。波乱万丈の大安の行方は――?

    面白いです。辻村深月は前々から気になっていたので、今後も読みたい。

  • 久々辻村さん(「名前探し(略)」以来読んでいなかった)。
    幸せで華やかそうなタイトルと装幀の色遣いだが、中心にいる女性はなぜかちょっと翳があり冷めた目をしている。本文を読み進めていくうちにこの来る神の女性が思い浮かんだ。あるホテルで繰り広げられる4つの結婚式を中心にしたヒューマンドラマ。
    作者の転換期に書かれた作品といった印象。

    あらすじ;
    女性が憧れる結婚式会場の上位に選ばれる、ホテル・アールマティ。大安のこの日は結婚式の予定でびっしりだ。
    結婚式を行う妹・妃美香と姉の双子ゆえのやっかいな問題、ウェディングプランナー多香子の過去、彼女が担当する玲奈の挙式、伯母の結婚式を心から祝えない真空少年、曖昧な態度をとってきたせいで結婚式を挙げる羽目になってしまったことを後悔する陸男。
    それぞれが各々の親族やホテルの従業員を巻き込んで歪なドラマを展開させ、それはホテル全体を包んでゆく。
    大きな買い物となる結婚式は大安に行っても果たして本当に掛け値なしに幸せなものなのか――。結婚に問題を抱える人々や関係者の気持ちが左右する。

    初めの方に書いた通り、作家辻村深月のキャリアの中でも転換期に書かれた印象がある。結構普通の人たちが多いし、ズレた美人や王子様的イケメン、超能力も出てこないんだもの。双子ちゃんたちはやはり辻村さんと言った感じで少し笑えたけどね。
    多香子の嫌々感は嫌な客だからという理由以上にマイナスなイメージだったが、とある事実が打ち消してくれるのは巧い。こういった後々に響く伏線というのがいくつかでてくる度に、小さな驚きを与えてくれる。これは推理小説作家としてデビューし、数々の作品を生み出してきた彼女の手腕が輝いてるからだ。
    それぞれの人物たちが関わる式について少々。
    玲奈:この手の客って多いんじゃないかと思ってしまう。玲奈の性格は決して褒められたものではないし、振り回されるたびに腹が立ってしまう気がするがどこか憎めない。いるよいるよ。一方で多香子には嫌いなら嫌いと言え、と「いい子ちゃん」な内心に少し反発を…。玲奈と多香子の事情で難産になった結婚式だが、多香子のマリアヴェールのエピソードなどを交え、何か信頼関係が築かれていく過程に微笑を浮かべてしまった。困難を乗り越えた時の達成感はやはりいいものだ。
    双子ちゃん:一番いないだろうな、というのがこの二人だった。ここまで「ややこしい」人たちはなかなかいないだろうに。姉の執着は恐ろしいほどだ。想像しやすい展開だが、やはり面白い。
    真空君:伯母さんの結婚に反対している理由は、東君は本当はちがうからだ、というもの。少年の思考回路は想像がつくが、それに起因しているのは――。幸せな結婚式を迎えるためにはやはり両親や親族からの祝福っていうのは最上位事項だ。真空少年の思考まではいかなくても、周りの人の話を聞いて影響を受けることはある。結婚という一大イベントを舞台に、核心的なところにも触れている。
    陸男:ダメ男参上。ミステリ的な展開と陸男の不穏な計画。馬鹿じゃないのか、と何度心の中で罵倒したことか…。馬鹿な陸男だからこそその後の展開にはやれやれといった微笑ましさも付きまとうのだが。馬鹿野郎よかったじゃないか! 大切にしろよ!

    デビューからは少年少女の繊細な心理描写が評価されていた作者だが、大人が読んで放たして楽しいのだろうか、という疑問を抱いていた。ところが数年前からより幅広い世代へのアピールを続けているなという気がしてきた。私自身は彼女の作品から「卒業」してしまってからは数年間、読んでいなかったのだが大きくなっているだろう予感と装幀に惹かれて本書を手に取ってみた。
    辻村さんは確かに成長していたと思う。
    美少女や美少年や超能力や殺人なんて起きないけれど、繊細さからなにか骨太さそ... 続きを読む

  • ホテル・アールマティのウェディングサロン。
    ここで働くウェディングプランナー。
    そして、大安のその日、式を挙げる4組のカップルたちの群像劇。

    お互いを意識しすぎている双子の姉妹。
    クレーマーでトラブルメイカーの新婦。
    疑惑の新郎と白雪姫の新婦。
    どうしても式を挙げたくない新郎。

    結婚式ってただでさえ大変なものなのに、ここに集まったカップルたちはややこしい人たちだらけ。
    幸せなハレの日のはずなのに、溢れ出す色んな負の感情。
    怒り、苛立ち、疑惑、嫉妬…。


    双子姉妹と映一さんの物語が好きでした。彼女たちよりもややこしいって彼には一体何があったのでしょう…(笑)
    後日談で彼女たちのこりない様子を読んだ時には、映一さん以上にこっちが「勘弁してよ」でしたが。


    色々あったけれど、結婚式ってちょっといいなぁと思いました。
    2人は来てくれる招待客のことを思って大変な準備をして、お金もかかって。招待客たちは2人の幸せを祈って…。


    お客さまたちは、料理や飲み物にお金を出してるわけじゃない。自分の満足や、これからの誓いをこめて、目の見えない「縁起」に払っているんだ。
    高価なドレスも豪華な料理も節目の儀式だから。それが慶事にかける人間の願いだから。
    というプランナーの言葉に、確かにそうかもなぁと思った。

  • 図書館で借りました。タイトルと装丁に惹かれて。久しぶりに、心から面白いと思える本に出会いました、これはもう本当に、文句なしに面白かった。わたし自身は独身で結婚の大変さは友達から聞くぐらいしか分からないけど。でも、それでも、ああなんか分かる、と共感してしまうところもあった。ウエディングプランナーさんもすごく大変な仕事なんだなあと。でもそのぶん、貰うものも大きいんだろうなあ。このお話に出てくるそれぞれの人たちがみんな良い。うまい具合にそれぞれが重なって、触れ合って、また離れて、最後にはきちんと絡まっていく。プランナーの山井さんと玲奈のエピソードには思わず涙目。山井さんに感情移入。こんなんされたら泣く。玲奈はどうしようもない女の子だと思ったけど、結構良い子。ワガママだけど、そのぶんちゃんと自分を持ってる。そして映一さんがすごく素敵だ。もう、映一さんにきゅんきゅん。わたしが映一さんと結婚したいわ!と心の中で叫ぶ。最初はどうしようもなくてなんだこいつって思うキャラクターに、ちゃんと救いを与えてくれて良かった。なんだよそういうことか!ってほくほく。陸雄くんにはほんとがっかりしたけど、ちゃんと罪を償ったようで良かった。2年後のエピソードが素敵。山井さんと岬くんにもほっこり。これ映画にしたら絶対面白い!と思ったけど、もうドラマ化してたのかな?キャスト見たけどわたしのイメージには合いませんでした(笑)しかもオリジナル入れちゃってる。ダメすぎる。もっとちゃんと映画化すべきだよこれは。ドラマで何週もやるより、時系列でいっきにやるべき。そんなことを妄想しながら読んでました。とにかく面白かった。面白くて2日ぐらいで読みました。

  • エピローグできれいにまとめたけど、幼稚な人間だらけ。盛りすぎで胸やけの結婚狂想曲。

  • 六輝の中で何事においても全て良く、成功しないことはないとされる。だけど、大安はただそれだけでは実現しない。それを可能にするのは、私たちだ。
    ー山井多香子


    十一月二十二日。日曜日、大安。
    このおめでたい日にホテル・アールマティでは4組の結婚式が挙げられるが…
    双子の姉妹の密かな賭け、ウェディングプランナー山井さんとワガママ花嫁、叔母の結婚を止めたい少年、コソコソ訳ありの陸雄。
    それぞれの特別な1日になる。

    伏線がキレイに回収され面白かった。
    山井さんの姿勢はカッコよかった!

  • 読んでいる時も、読み終わった今も、気持ちがいい!

    結婚式場で働いていたことがあって、
    プランナーではなかったけれど中の人だったからよくわかる。
    あれだけお金がかかるのは当然だって思う程、
    見えてないところでたくさんの「プロ」がいて
    結婚式を「縁起のいい」ものにしようと努力して苦労して、
    あの魔法みたいな数時間を作り上げてるものー。

    でもねぇ鈴木さん、普通はカメラついてますから、
    後で完全にバレるからねー、よかったねー(笑)

    今までの仕事で一番好きだった、誇りに思っていたし
    自分でもむいていると思い認められていた結婚式場でのお仕事。
    懐かしくてちょっと胸が痛くなった。

  • 仕事として携わっているとどうしても当たり前の日常になりがちで。だけどこの日には2人の生きてきた人生があるんだよなあ。結婚式ってやっぱり素敵だ!

  • ある日の老舗の結婚式場で晴れの日を迎えるウエディングプランナーの山井と4組のカップル。最初は、カップル達が最高の日にすべく、あれこれ考えを巡らす幸せな様子が書かれているが、徐々に雲行きが怪しくなり、水面下で進行するドス黒い企みがワンサカ登場。果たして4組のカップルは笑顔で晴れの日を終えることができるのか…?数々の意外な展開に翻弄されながら晴れやかに読了。何せ「本日は大安なり」だから…

  • テンポのよい飽きさせない構成と内容はさすが辻村深月本!
    私は姉妹がいるわけでもないのに妃美佳と鞠香に共感していました。本人が長年心のどっかに抱えていたもの、残っていたモヤモヤも、周りの特に近しい人たちから見ればそんなことよりも大事なことがたくさんある、そんな感想を持ちました。
    孤塚くん、やっぱり好きだなー。私の中では福士蒼汰くんのイメージです。笑

  • ある結婚式場の4組のカップルとウェディングプランナーをめぐるストーリー。
    時系列にそって、次から次へと語り手が変わっていく。
    多少「出来すぎ感」は否めないが、後から後から思わず「へ!?」と思うような意外な展開に、読んでいて飽きない。
    どのカップルもハッピーエンドなのがよかった。さすが大安吉日(笑)
    2016/08

  • ひとに薦められて

    こういった題材の小説読んでなかったから純粋に面白かった
    この構成がおもしろさのひとつなんだろうけれど、なかなか
    慣れず少々読みづらかったかな

    ストーリーは良かったです、
    双子の話に関しても…言いたいことや思うところはあるけれど
    流石、見破ってくれて本当に良かった

    もうちょっとしたらまた読み返そうと思う

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