県庁おもてなし課

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著者 : 有川浩
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年3月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (461ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048741828

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県庁おもてなし課の感想・レビュー・書評

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  • 恥ずかしながら、初 有川浩作品。めちゃくちゃ面白かった。こんな素敵な作品を書く作者さんを今までスルーしていたなんて、私のばか。

     今まで民間企業を舞台にした作品って何冊か読んだことあったけど、公務員を主体とした作品を読んだのはこれが初めて。しかも、これは実際に有川さんが体験したことから端を発しているという。実際に、お役所ってこうなんだよなあ。民間との温度差!!「良くも悪くも公務員」という絶妙の表現!!
     私自身も公務員なものだから、掛水くんが、吉門さんに、「あのさぁ・・・」ってグダグダにやられてる場面なんか、私がやられているのかと思うくらい感情移入してしまった。

     たしかに、公務員には、時間が金になるとか、商品を手がけている、といった発想がない。親方日の丸にあぐらをかいて、革新的な考えは持たず、問題を右から左に受け流し、いっぱい給料をもらって生きている。そりゃ、民間との温度差にグダグダになるわよなあ。
     だからこそ、掛水君が、研究を怠らず、清遠さんの指南を水を吸うスポンジのごとく受け入れて成長していく姿に目を見張った。彼の成長がまぶしかった。
     そして、吉門さんが佐和さんに本心を打ち明けて自分で築いた壁を壊した勇気、これも感動した。、ていうか、萌えた。

     公も、民も、そして個人も、努力を怠ってはならんのだな。人を喜ばせたい、誰かを笑顔にしたい、というおもてなしマインドを忘れてはならんのだな。そのためには、金。足りない分は、知恵と工夫。
     よし、実生活に行かすぞ。

  • だいぶ前に買ったものの、有川さん的恋愛描写が心臓に悪そうなので寝かせていた。この度自虐心が高ぶったので解禁。

    高知から大学進学を機に京都へ出てきた友人が2人。2人とも大学卒業と同時に高知県内最大手の新聞社に就職。関西にひょっこり来たと思ったら、手土産は「カツオ人間」グッズ。なんなんだ、彼らの地元愛は。

    有川さんも高知出身、「空の中」で高知弁をガンガンアピールしたと思えば、次はこの「県庁おもてなし課」である。しかも堀北真希ちゃん、錦戸亮くん、高良健吾さん、船越英一郎さんで実写映画化。なんなんだ、この高知推しは。

    有川作品と言えば、恋愛きゅんきゅん要素過多で少女漫画並にかっこいい男性を描くことにかけて、定評があると思う。でも油断した。この作品には男女の愛だけでなく、家族の愛、なにより高知への愛が詰まっていた。

    お節介な人だらけだ。掛水ら県庁のお役所感覚を指摘する由門も、清遠も、多紀も、佐和も。でもお節介されないと事態は動かないし、素直になれないし、くっつかない。

    現実はじれったい人がいたとしても、見て見ないふりや個人の自由という名の放置で、進展しないまま、恋愛も事態もタイミングを逃してしまうのだろう。お節介の有り難みに気付く一冊。

  • 昔、地域おこしをかじってました。
    当時は学生で教授のお供だったので、町おこしって難しいんだなぁぐらいにしか思ってなくて…

    でも、この本読んで、ちょっとわかった気がします。
    地域の方々と行政の方々はたぶん、目線が微妙に違ってたんじゃないのかなぁ?…たぶんだけど

    今更ながら、そんな事を思いつつ読みましたが、あったかい恋のお話と、田舎がいとおしくなるお話と、がんばる勇気が湧いてくるお話で、一冊で3度おいしい 、お得な本です!

  • なんといっても、「パンダ誘致論者」の清遠和政がかっこいい♪

    退職へと追いやられた県庁に、
    途中でまた放り出されることも予見しつつ
    なんの恨み言も吐かずに協力する潔さ!

    それでいて、決して自分を安売りせずに
    自信を持った企画を通すためには
    ハッタリをかます度胸と、根回しを怠らない濃やかさを
    臨機応変に使い分ける策士ぶり!

    顔立ちや体つきがいかに厳つくても
    「3人目の妻には、ぜひ私を♪」
    と立候補したくなるかっこよさです。

    主人公の掛水⇒作家の吉門⇒清遠 と、
    底辺(掛水くん、ごめんなさい!)から天辺へと繋がる
    憧れと尊敬の図式が、グダグダだった高知の観光政策を
    根底から覆し、動かしていく原動力になっているあたりが
    微笑ましくも温かい。

    観光特使を打診されてOKしたのにも関わらず
    1ヶ月も放置されてイラっとしていた吉門同様、
    時間の価値や民意に無頓着なお役所には
    最初のうち呆れ果ててしまったけれど、

    マニュアルや正論によって必要以上に縛られた
    空疎なシステムの中での仕事を強いられるお役所の苦しさも
    有川さんらしくきっちりと公平に描かれていて、
    「お役所仕事」を色眼鏡で見ていた自分を、ちょっぴり反省したり。。。

    それにしても、有川さんが「日本三大がっかり名所の一つ」と
    バッサリ切って捨てている「はりまや橋」が
    どんなにがっかりなのか、かえって気になってしまうのはなぜ?!

  • この本を読めば、100%高知県へ行きたくなる。そのような本。

    観光特使に任命された吉門が有川さんモロモロ・・・。
    最後の、対談のところでは「実話なんですよ(●^o^●)」みたいなことを仰っていてやっぱりか・・・と感じられた。

    しかし、その観光としてはいい作品だが、小説としては内容がだいたい読めてくる。
    空飛ぶ広報室に似た感じ?頭の中で、ずっと空井くんとリカさんが思い浮かんだ。(発売的には空飛ぶ広報室が後だが。)

    観光としては、よし。

    文庫本をカバンの中に忍ばせて、高知へ行きたい!と思うのは、私だけ?
    そして、文庫本って・・・まだ、出ていない!?

  • 真山仁の外資系企業を舞台にしたスケール感あふれる小説や、
    池井戸潤の中小企業を舞台にした人情感あふれる小説とは打って変わって、

    この有川浩の『県庁おもてなし課』は、とある地方の県庁の観光部が舞台。
    テーマは、公務員の常識と民間の常識とのギャップ。


    ストーリー自体は、ゆっくり時間が流れているような気がして、
    駆け引きが試される場面は、実はあまり多くはないのだけど、
    (でも、掛水くんと多紀との繊細な距離感が青春で、なんとも微笑ましかったし眩しかった!!)

    上手くできないなりに一生懸命に考えて、行動して、壁にぶつかり、
    そして着々と成長していく主人公のひたむきな姿に、一読者として応援したくなります。


    「いまある自然を活かして、おもてなしの心を大切にする」という結論に至ったのが良かった。
    まだ四国には一度も行ったことがない私ですが、今からでも高知に行ってみたくなった。

  • とっても面白かったです。

    私は今、大学1年ですが、就職のための講習会が大学内であり、何度か行っています。
    そんな私にはとても勉強になった一冊でした。
    まだ公務員になるのか、民間の企業に就職するかはわからないけれど、社会人として当たり前のことが詰まっていました。
    時間がどれほど大事か、名刺とは何なのか、とか。
    有川先生は作家になる前は普通に企業に勤めていたと聞いたので、だから妙にリアルというか、勉強になることばかりなんだな、と納得しました。
    仕事をする、社会人になる、ということについて書かれているのは、この本以外に、『シアター!』や『フリーター、家を買う』などがありますよね。
    それらや、この本を読んでしみじみ思うのは、有川先生ってお仕事の出来る人なんだろうなあ、ということです。
    私も社会人になった時には、そうなっていたいなあ、と思います。

    掛水さんと吉門さんの掛け合いがとってもかわいすぎて萌えました。
    掛水さんのどんくささ萌え。
    多紀ちゃんの「フットワークが軽くて、気が利く奴」っぷりがすごすぎました。
    彼女自身は努力だと言うけれど、すべき努力を見つけて、その努力をすること自体が尊敬できます。
    私も見習いたいと思います…。

    高知に行ってみたいです。
    この本を読んで、そう思ってしまいました。
    有川先生に乗せられてますね(笑)

  • 有川さんの作品は奇想天外な設定が多いけど(そこが好きなんだけど)、
    これはすごくリアルでゆるやかで自然な流れ。
    何もなかったところから、むしろマイナス位から育ってくのが気持ちいい。
    そしてお役所の人に読んでみて欲しい。
    清遠みたいな爆弾ぶち込む人がいて欲しい。
    ・・・って思うのは単純だろうか?!

    おもてなし課がいかにもって感じなお役所体質からグイグイたのもしくなってくのは爽快!
    掛水の成長と比例した吉門との関係の変化もスゴく素敵!
    掛水と多紀の淡すぎる恋の予感からの・・・とか、
    吉門と佐和の切ないすれ違いからの・・・とか、
    じれじれ感と素直になりどころとか、さすが有川さんっ!!!
    ピンポイントで胸キュンさせられます♪

    そして何といっても、高知県がすごく魅力的に見えてくる。
    やっぱり何の分野においても、
    自己分析が出来ているというかマイナスを受け入れた上での
    自分の魅力をアピール出来るのは強いんだな〜と思わせられた!

  • 高知への溢れんばかりの愛が詰まった一冊。
    これを読んだら行ってみたくなりますね、高知へ!
    ”お役所仕事”のどうしようもなさ、そこからの脱却、
    観光立県のために何が必要か。
    これでもか!とばかりに楽しさが詰め込まれていて満腹です。
    こういうのを読むと有数の観光都市である故郷・京都は
    ちゃんと努力してるのか不安になるなぁ。

  • 高知県庁に生まれた新部署「おもてなし課」。若手職員の掛水は観光立県を目指すべく地元出身の人気作家・吉門に観光特使を依頼する。しかし彼からは容赦ない辛らつな言葉を浴びせられ、掛水は思い悩む―いったい何がダメなんだ!?掛水とおもてなし課の、地方活性化にかける奮闘が始まる。

    私が読んだことのある有川浩作品はどれも随所に胸キュンポイントがちりばめられている。この物語も例に漏れず。しかしそのスパイスのおかげで、教科書的になりそうなテーマでもちゃんと楽しめる物語に仕上がっており、そのさじ加減が絶妙だった。

    「おもてなし課」は高知県庁に実在する部署であるが、この物語ではお役所仕事と民間感覚の差を厳しく指摘している。高知県出身の著者は実際に県から観光特使を依頼されており、登場人物たちのいらいらするようなやり取りも本当にあったエピソードをもとにしている箇所もあって、お役所の仕事感覚に改めて呆れてしまう。しかし真の観光立県を目指すのであればお役所感覚では何年たっても実現しない、と気付いた掛水が吉門や観光コンサルタントの清遠和政のアドバイスを受け、外部から雇った掛水のサポート役の女性・明神多紀と奮闘し、形式的で非能率的な仕事から脱却して成長していく様子が気持ちいい。物語の途中はどうなることかとはらはらさせられるが、最後はちゃんと爽やかに終わってくれるのも著者の作品のお約束である。物語として楽しみながらも「地方活性化」というテーマの教科書としても読める、おもしろくてためになる本だった。

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県庁おもてなし課の作品紹介

地方には、光がある-物語が元気にする、町、人、恋。とある県庁に突如生まれた新部署"おもてなし課"。観光立県を目指すべく、若手職員の掛水は、振興企画の一環として、地元出身の人気作家に観光特使就任を打診するが…。「バカか、あんたらは」。いきなり浴びせかけられる言葉に掛水は思い悩む-いったい何がダメなんだ!?掛水とおもてなし課の、地方活性化にかける苦しくも輝かしい日々が始まった。

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