てふてふ荘へようこそ

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著者 : 乾ルカ
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年5月31日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048741996

てふてふ荘へようこその感想・レビュー・書評

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  • 朝になると、元気にラジオ体操の歌を歌って起こしてくれる明るい女子大生。
    仕事の愚痴や失恋を、一緒に安酒を飲んで慰めてくれる気のいいおっちゃん。
    真っ赤なウェットスーツに身を包み、不採用にへこむ同居人にカツを入れてくれる美女。
    「待ってるよ」のひとことも言えず、再発に怯える同居人を待ち続ける、ツンデレ美少年。
    手袋をなくした妹の手に息を吹きかけ、こすって温め、成長した今でも遠くから見守る兄。
    ただ自分を覚えていてほしくて、遊んでほしくて、膝を抱えて待つ少年。

    ホラーとか幽霊とかは大の苦手だけれど、
    こんなやさしい地縛霊とだったら、同居するのもいいな♪と思ってしまいます。

    2Kで月の家賃が1万3千円、敷金礼金なし、管理費もなし、という
    破格の好条件につられて「てふてふ荘」にやってきたワケアリの入居者たち。
    でも、ワケアリの彼らに似つかわしく、てふてふ荘には秘密があって
    なんとひと部屋にひとりずつ、地縛霊が同居していて
    ヘタな鼻歌を口ずさんだり、生活態度にダメ出ししてきたり。
    入居にあたって、まず見せられるのが部屋の間取り図や写真ではなくて
    部屋に取り憑いている地縛霊の写真、というのが笑えます♪

    入居者たちの心に重くのしかかっていたトラウマや不安を、
    世間一般のイメージではさらに深めてしまいそうな地縛霊たちが
    必死になって(もう死んでるけど。。。)励まし、解消してくれて
    またそれをきっかけに、入居者も地縛霊たちの心残りに気づき、
    成仏に力を貸す、という心温まる異世界交流(?)物語。

    入居者と地縛霊ペアが仲よくつつがなく暮らせるよう心を配り、
    古色蒼然としたてふてふ荘を丁寧に掃除し、磨き上げる大家さんにきゅん♪とします。
    思わず耳を傾けたくなってしまう美声とのことで、
    私の妄想の中では谷原章介さんや竹野内豊さんのイメージだったのですが
    ドラマでは、中村俊介さんが演じられたとか。

    やさしいキスで、心をこめた肩もみで、歓喜のハイタッチで、成仏するなんて
    地縛霊冥利につきますよね。素敵です。

  • 気になっていたけれど、幽霊がでてくる話らしいと知り、
    読みたいリストからはずした一冊。
    (怖いのは大の苦手なのです)
    でも怖いもの苦手ブクログ仲間さんが楽しく読了された様子をみて、
    ならばわたしも、と手に取った。

    なるほど。こんな地縛霊たちなら怖くない。
    わたしもいっしょに住めそうなぐらい”チャーミング”だった。

    それにどうすると彼らが成仏できるのか。
    成仏するとどうなるのか。
    いや、そのまえに入居当日には地縛霊が見えない。
    ならばどうすると見えるようになるのか。
    そういったひとつひとつのアイデアが素晴らしい。
    そしてまさか”その人”まで地縛霊だったとは!
    なんて驚きまで用意されている。

    高橋くんの気持ちが切ない。
    ずっといっしょにいたらいいよ!(地縛霊だけど)
    と言いたくなるほどだ。

    地縛霊たちもてふてふ荘の住人たちも
    それぞれにいい出会いとなった。
    出会いというのは本当にステキなものだと思う。

  • 家賃 月一万三千円、間取り 2K、敷金・礼金 なし、管理費 なし、トイレ・風呂・玄関 共同、最寄りのバス停からは徒歩十分、最初のひと月は家賃いらず。貧乏学生や訳ありの人にも優しいバリトンボイスの大家さん。

    可愛い女子大生にスタイル抜群のアラフォー美人、イケメンライダー、気の良いおっちゃん、美少年、ちびっ子。

    同居人には事欠かない。1人暮らしをしたいけど、完全にひとりは不安という若者や適度な距離感を保ちつつ人との繋がりも欲しい単身者に人気のルームシェアである。ただ、同居人は全て地縛霊だが…

    オカルトは苦手だけど、どの幽霊も憎めない、どころか愛おしくすらある。「河合荘」に続き、住んでみたくなる「てふてふ荘」である。

  • 好きなリズム、好きな温もり、好きな読後感。

    お話は…
    家賃13,000円、間取りは2K、敷金・礼金なし、管理費なし、身元保証人不要、最初の1か月は家賃不要、破格の条件な古びたアパート「てふてふ荘」。
    でもそこは幽霊と一緒に住むのが条件だったのです…

    アパートは6部屋、あとは管理人室とビリヤードがある集会室がある。
    部屋ごとにショートストーリーが展開され、最後には…。

    私が好きなのは、
    1号室の高橋くんとさやか、
    3号室の長久保さんと石黒さん、
    4号室の平原くんと薫、
    の話。

    好きになった人がすべて死んでしまう。
    もう恋なんて…と思っていた高橋くん。
    さやかを好きになりたくなかった。
    好きになると触れたくなる。触れるとまた失ってしまう。

    さやかの明るさ、素直さ、そして強さが温もりを与えてくれます。


    破滅を導く石黒さん。
    長久保さんは働きたくても職につけない。
    自暴自棄になりそうな長久保さんを貶し励ます石黒さん。

    石黒さん、かっこいい!
    映像が浮かんできます。


    薫…平原…最後の言葉を聞きたい。

    別れへの怖さが伝わってきます。
    信じたい気持ちが伝わってきました。


    どのショートストーリーも本当に短いのに、登場人物を描きシーンを注ぎ込んでくれた。感情移入させてくれた。
    それぞれの最後に手にする重さを伝えてくれた。

    読みながら(これTVドラマ向きだな)と思ったら、NHKで放映済みだったんですね。
    観たい気もするけど、手に包み込むような空気感をリアルな人物で表現されたのをみると違うかなと感じそうなのでやめておく。

    ありがちな物語仕立てだけど、私にはステキな本でした。

  • わーん、久しぶりにハートフルな本を読みました。
    もうじーん…感動しました。
    初・乾さんですが借りて良かった。

    二号室・三号室・四号室で大泣き。
    特に四号室がボロ泣きしてしまいました。
    六号室がちょっと驚き。憎しみで…触れることが出来たって
    のが、ちょっと衝撃的でした。

    素敵な美声の大家さんに、あんな秘密があったとは
    まさか、まさかでした。

    読み終えてからも、じーん…と心に響いて
    素敵なエンディングでした。

  • 読み始めは、妖怪アパートじゃーん、って思いましたが(正確には幽霊)
    途中まで、ラノベっぽいノリだなぁ、と感じましたが
    なかなか話のつながりがきれいに纏まっていて、読後感も爽やか。
    3、4、5号室が好きだな。集会室もよい。

    わけあり物件に住もうとするわけありな人たちが、
    それぞれの部屋に住む地縛霊と気持ちを通わせて、別れて、
    お互い新しい世界へ旅立っていく。
    しんみりとしたなかにも、ほろっと温かくなるようなお話ばかり。
    背中を押してくれるたり、行き先の指針になってくれたり、
    とても人間臭い幽霊たちがいい。

    地縛霊っていうと、怨念とか恨みつらみに縛られているような
    未練たらたらの幽霊のイメージでしたが、
    ちょっとした心残りや迷いでぐずぐずしてると引き止められてしまうものなのかもね。
    元人間なんだから、死んでもやっぱり人間なんですね。

    乾ルカさん、はじめて読んだけど他のも読んでみたいです。

  • この本を読んでいる最中に義父が亡くなられて、何かの巡り合わせだろうか?と考えさせられた。てふてふ荘には、いろんな住人がおられ、成仏されない霊と同居。でも、そこには 怖いというより 温かみを感じるお話ばかりで、ホロリとさせられた。亡くなった霊と語り合えたらいいだろうなと感じました。亡くなった人を忘れないことが、大切ですね。ドラマでされてたらしいけど、観られず残念でした。心温まるお話に、再放送あれば是非みたいものです!

  • 幽霊は人間が死んだあとの姿だということを思わせてくれました。

    格安アパートに入居して出会う。
    そのことすべてが運命的。
    このお話には、きっと神様がいるのだと思う。
    人生が変わった人もいれば、変わらなかった人もいる。
    それでも、これは運命的な出会いだと思う。

    どの話も好きだけど、私は特に四号室のお話が好きです。
    本当は気持ちや関係に名前は付けられないのだと思います。
    ただただ、大事にしたい、大事にしている、それだけで良いのだと思います。
    彼らほど、純粋で綺麗ではないけれど、私も気持ちや関係に名前を付けたくない人がいます。
    だから、彼らに惹かれるのかもしれません。
    もっともっと、人間は単純で良いと思うんです。

    別れるということは時に、とっても辛いことになります。
    離れたくない、嫌だ、もっとこれがしたかった、悲しい、と気持ちが山ほど湧き上がってくる別れがあります。
    なのに、別れなければならない時があります。
    でも、その時別れたとしても、一緒にいた日々を思い出せるのです。
    思い出して、過去を振り返って、頑張ろうって思える時が来るのです。

    私はこの本を読んで良かったです。

  • 乾ルカさん作品を初めて読んだ。
    家賃格安のわけありアパート「てふてふ荘」を舞台に、住人たちと幽霊たちのふれあいを描いた、コミカルでハートウオーミングなファンタジー。
    こんな幽霊なら怖くない?! あっさり、ほっこりのお話。
    生きてさえいれば、誰だって、いつからだって、やり直せる。強くなれる。
    ♪ 負けないこと、投げ出さないこと、逃げ出さないこと、信じ抜くこと。駄目になりそうな時、それが一番大事 ♪ の歌詞が何故か浮かんできた。

  • ドラマの番宣で「てふてふ荘へようこそ」を知り、もう読んでみたくて(>・)。
    番宣登場していた中村俊輔さん【大家さん役】がとてもさわやかでしたので気になっていたのです。

    図書館で二週間も貸し出し中で諦めていたのですが、ドラマ放送日前日に手にすることができて、とても嬉しかったです。

    表紙をめくるとてふてふ荘の見取り図が記載されていて、「これから物語が始まる」と思うとわくわくしました。

    部屋ごとに物語があり、事情を抱えて成仏できない幽霊が住居人にあたたかな手を差し伸べる内容でした(6号室は違いますが)。

    成仏するためには方法があるのですが、住居人が自然にとった行動で、突然幽霊が去ってしまうパターンの際には、読んでいる私もとても辛くなってしまいました。
    この世を後にした幽霊に感謝したりまた会いたいと寂しがる住居人たち。
    それぞれのエピソードに涙が出てしまいました。
    (特に二号室。おっちゃんのお話しはもう涙がピーク。)

    ドラマ化され、一話を見た私にとって、ドラマ出演俳優の皆さんを頭に描きがら読書することができ、俳優さんそれぞれが役にあっていてイメージどおりだったので、楽しく読むことができました。
    ドラマと原作を比べてみることができるので、どんな風にお話しが展開されるのかどきどきです。

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