死を語り生を思う

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著者 : 五木寛之
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年8月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (161ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048742153

死を語り生を思うの感想・レビュー・書評

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  • 小川洋子さんとの対談…のんびりした会話の中に突如核心に触れる部分が出てくる。
    瀬戸内寂聴さんとの対談…人は死ぬために生まれ生きている、途方もなく虚しく厳しい事実。
    横尾忠則さんとの対談…昨日の結果が今日、今日の結果が明日。これがカルマ。
    多田富雄さんとの対談…免疫系が脳を拒絶するとは意外。

  • 免疫学の多田富雄さんとの対談で出てきた話.鶏の雛とウズラの雛との生体移植の実験では,発生初期に脳を入れ替える.そうするとウズラの脳を持った鶏が生まれてくる.これはウズラなのか鶏なのか.しかしやがて免疫系(これは鶏の免疫系)が脳(ウズラの脳)を拒絶して死んでしまう.脳をも拒絶する自己が体にある.脳は免疫系を拒絶することが出来ない.人間の精神および肉体を支配する中枢は脳であると考えていたのに,免疫系の方が脳より優位の存在である.脳死状態でも免疫系は体の自己を守っている.しかし脳死をもって人間の死という線引きをしない限り生体移植が出来ないことになる.

  • 「死」という全人類の抱える永遠の問題について考察している。どんなヒトも必ず持っている問題にあるにも関わらず、私たちは畏れ故にそれを一番に考えたりしない。だからこそ、このようなテーマを身近な言葉で語ってくれる本書は素晴らしい。日々が忙しいからこそ読むべきで、多くの現代人にとっては多くを考える機会になるだろうと思う。

  • 五木寛之が以下の4人と対談したもの。

    第一話 死にはどんな意味があるのか?  小川洋子
    第二話 あの世の風景はどのようなものか? 瀬戸内寂聴
    第三話 衆生は輪廻転生するのか?    横尾忠則
    第四話 生命にとって死とは何か?    多田富雄


    小川洋子のお祖父さんの信仰深い生き方は小川洋子にも影響を与えている。瀬戸内寂聴はもちろん仏教的視点から確信を持って語る。横尾忠則には、自分を空っぽにして他の何者かの力で「芸術」を生み出しているという実感があるようだ。「科学者のほうが説明不能の何かの存在を意識する」と多田富雄が語っているのは興味深い。

    生と死は対立するものではなくてつながっているものという考え方。

  • 生と死、対立するもの補完関係にある。

  • 五木寛之と小川洋子、瀬戸内寂聴、横尾忠則、多田富雄との対談。

    瀬戸内寂聴、横尾忠則の章は、読んでいるのが苦痛になるくらい相容れなくて、もう途中で止めてしまおうかと思いながら読んだ。
    どうやら死後の世界とか、そういうものが私は理解しがたいのだと読みながら実感した。
    若くて死が身近なものではないからか?
    宗教に傾倒したことがないからか?

    小川洋子、多田富雄の章はもう少し科学的で現実的な話で読んでいて面白かった。
    特に多田さんの章は「死・生」を語るのに「免疫」が出てくるという驚きの内容だった。
    人は自己と非自己とを分ける「免疫」というシステムを持っている。
    しかし、例えば母親のお腹に宿る胎児は異物であるにも関わらず「免疫」は働かずに共存することが出来る。
    つまり「免疫」には寛容な部分があるのだ。
    という話。
    現在の人種間の争いにも、異人種、異宗教を排除するだけでなく寛容に共存する道があるのではないかという所まで話が続いた。

    年を重ねたら、この作品も違った読み方が出来るのかもしれない。

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死を語り生を思うはこんな本です

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