世界が完全に思考停止する前に

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著者 : 森達也
  • 角川書店 (2004年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048839006

世界が完全に思考停止する前にの感想・レビュー・書評

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  • もう10年以上も前に出た本なので田中真紀子とか古いネタが多い。(あー、そういうこともありましたね!と懐かしくもある)

    で、この頃から森さんは警鐘を鳴らしているのに、その危険性に今頃、気がついている自分…。遅れすぎている…。目の前まで迫って来ないとわからないのか私。

    時代って進んでいる様に見えても、実は全然変わっていないのかも。前進しているように見せられているだけなのかも。読んでいると少し気分が暗くなった。明るいなんて思わないけど、未来は明るくないよ、と再認識させられた。

    今なら間に合うっていうのが、迫ってきてつらい気分になった。その時の「今」は、もう過去になっているから。過ぎたこと「過去」は忘れられやすい。

  •  オウムを題材とした記録映画『A』、『放送禁止歌』をはじめとするメディア批評などで知られる著者が雑誌などへ発表した文章を集めた本。
     名前は知っていたのだが、調べ物のついでにひっかかったamazonの書評で、むちゃくちゃ★が多かったのが読んでみたくなった理由。

     一読して……とても「当たり前」を感じたのは、意外だった。「勇気ある言説に対して尊敬がたりん、お前がナニをした」と言われればぐうのねも出ないのだが、「感覚」として、著者の視点は奇をてらうものではない。メディア批評とか、タブーに挑むだとか、イメージからしてもっと強面というか、向こう傷をいとわない勇ましさを勝手に思いこんでいたのだが、悪い意味でなく肩すかしをくった気分。

     時事のニュースを追う形だが、著者の主張はそれほど多岐にわたるものではない。
    ・メディアを疑え
    ・そんなくだらないメディアを支えている、自分たちを振り返れ
    ・あいまいな「私たち」で垂れ流される、主語のない言葉を疑え
     これくらいである。このテーマは形を変えて、繰り返し現れてくる。

     じゃあ、何を信じろと言うのか。そこまでこの著者は親切ではない。「オレについてこい」というほど傲慢でもなければ、「自分以外の何か」にその責任を押しつけるほど無神経でもないのだろう。著者は言うなれば、メディアの「中の人」である。だから、材料として、メディアの中にあるもの以外は出てこない。
     つまりは、この本には自己言及的な構造が必然的に生じるのである。
     この本を「正しく」読むならば、この本もきちんと疑われなくてはならない。「先進国で死刑存置するのはアメリカと日本だけ」と書いてあれば、恥ずかしく思うだけではなく「なぜ」を考えるべきだ。「で、何だったんだろう、あの牛丼騒ぎって。」と著者が疑問を呈したときは、著者をほめたたえるより先に、自分で「何だったのか」を考えるべきだ。
     著者の誠実な態度に共感を覚えながら、この本のとおりに「疑問を持ってしまう」だけに終わってはいけないと自戒する。

  • 一気に読めてしまいました。そして、自分の無知さ加減に気付くのでした。<BR>

    憤る事は多々。<BR>
    知らなかった事件にやっぱり日本のつらさを感じて、今までオウムが日本における一つの区切りだった、という言葉にあまり実感はなかったけど、これを読んで、そうかもしれない、と気付く。<BR>
    主語を自分にしなければならないと言う事、私も肝に銘じなければ。<BR><BR>「本当の憎悪は激しい苦悶を伴う。でも主語を失った憎悪は、実のところ心地よい。だからこそ暴走するし感染力も強い。」<BR><BR>
     なるほど、と付箋をいっぱい張った。

  • 刊行されたのは随分前で話題は古くても、考え方や今の日本の根本的な問題はあんまり変わってないし、むしろ酷くなっている気がして哀しくなった。私達は何を信じて生きて行けばいいのだろうか。垂れ流されている情報が真実でないとしたら、それを見極める力を身につけなければいけないのだろうけれど、それを身につける方法すら今の日本人には難しいのかもなぁと思った。もちろん私を含めて。

  • 図書館で借りてきた本。

    著者があとがきで書いているとおり「良く言えばリサイクル。」の本。同じことばかり書いている、と評価されるらしいが、この本やこの本と同じ体裁の本(過去の雑誌で書いた文章を集めたもの)はそういわれても仕方がない。

    もうこの人の本、何冊目になるんだろう?だいたい、雑誌の連載を集めたものとかそういうのは面白くないんだよね。これだったらわたしが借りるまで全く読まれてなかったように見えた「「池袋シネマ青春譜」の方が本当は面白かった。この本の方が発行年月日は遅いのに、実はボロボロ。まぁ確かに森達也っぽい題名の付け方や内容なんだけれども、初めてこの人の本を読むならともかく、もう柔軟冊目になるわたしが読むほどの本ではなかった、と思う。その後の言動やなんかで同じことをこの人は言ってるからだ。

    ってことで、文句を言っても仕方ないんでこれで終わり。おそらく今後はこの手の本は読むことはないだろうしね。

  • 例えば、パンピーの私が政治について野田総理と同じ次元で考える必要はないけれど、道端に転がっている黒いホームレスから目を逸らしてはいけないと思うのです。

  •  オウム真理教を追ったドキュメンタリー映画『A』で有名になった森達也氏の評論集。

     メディアの側に居る者から発信される言葉は、みんなとりあえず落ち着いて考えようよ、という当たり前の意見だ。しかしそれが出来ない人間を作り出しているのは他でもないメディアなのである。
     森達也は語る。ウジウジ悩む事は悪いことではないと。それより人の考えにすぐ便乗して自分の思考を停止してしまう事の方が恐ろしい。

     なんだか今の世の中に違和感を感じている人は必読。もっとも、違和感を感じてない人はもっと必読だ。

     ただ気になるのは、収録されている評論の一つ一つがそれぞれ別々に発表されたものなので、一冊の本としてつながりが無いって事か。なのでイマイチ物足りない気がする。

  • メディアに携わっている人に読んでほしい! 

  • 2009/5/30購入

  • 吉野朔美(ほんだなより)
    文庫あり

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