- Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048839860
作品紹介・あらすじ
腐った役人、裏切り者のお金持ち、嘘つきの宗教者。まことに「悪」は根が深い。みんなそろって地獄堕ち。ダ・ヴィンチもミケランジェロも、読んだ、学んだ、考えた。迷える時代を変えた700年前の一冊が、暴走する現代に甦る。
感想・レビュー・書評
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阿刀田高先生の古典解説シリーズ。読みにくい「神曲」のストーリー全容をわかりやすいダイジェストでつかめる。
キリスト教を背景にした「神曲」は聖書に通じていないとさっぱりわからないし、さらにギリシャ神話や西洋史などの知識も要求されるため、通読の難易度が高い書物だと思う。自分も地獄篇までは頑張ったことがあるが、以降は何度か挫折している。阿刀田高先生の古典解説ものは軽妙な文章で読みやすく、本編の全体像を把握しながら周辺の知識を仕入れることができるのでありがたい。
再び原典に挑戦する勇気をくれた一冊。 -
阿刀田高さんのやさしく噛み砕いた古典や神話シリーズは面白くて大好きです。本書はダンテの「神曲」。阿刀田さんの解説をもってしても、「神曲」は複雑すぎてストーリーとして面白さを感じるところまではいきませんでした。キリスト教はもとより、ギリシャ、ローマ時代の神話、それにダンテが生きていた時代のフィレンチェの人々まで登場するのだから、もうわけがわからない。こういう世界観を持って当時の教養人は生きていたのだなということは、何となく感じることができました。
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地獄、煉獄、天国と三階層に渡ってダンテの旅を描く。聖書に出てくる主要人物や哲学者など多岐に渡って、出てきて面白い。教養が足りず知らない人物も多々出てきたが、阿刀田高の文章が上手く読みやすく面白い。
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3.6。判り易く有難い。
が、著者が最後に記していた通り、大元のキリスト教外に対する不寛容で排他的な部分にゲンナリするので夢中にはなりづらい。宗教そのものはではなく、それを自己都合で利用する傾向はどうにも好きになれんのじゃ。そういう頭で判断するものじゃないと理解っていても。 -
神曲って、主人公ダンテが案内人に連れられて冥界を旅する話だったんだな。
地獄、煉獄(地獄と天国の狭間)、天国と旅して、天国の1番頂点を見てお話が終わる。話の途中にダンテの友人知人や政敵なんかも出てきて、天国を案内してくれる人なんて、ダンテの初恋の人だ。当時としてはなかなかミーハーな読み物だったのかもしれない。
私が神曲を書くならば、誰をどの階層に登場させようか、、私が死んだらどの階層に行くんだろう。。キリスト教徒ではないから、ダンテの判定だと地獄だなぁ。うーむ。
世界の古典の神曲、いつか読みたいと思いつつ最初の方で挫折していた。叙事詩って面白さが分からないし、出てくる人の名前は当たり前だけど総カタカナ。聖書やキリスト教の知識が無い私にとって、解説が読みやすく、原典を読んだ気にさせてくれた良本。信仰するしないは別として、色々な他の宗教の主張にも興味が広がった。 -
kobo友
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やさしくないダンテだった。よくわからない。とうてい原典は読めないだろう。