13歳からの反社会学

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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048850759

作品紹介・あらすじ

13歳から120歳まで、誰もがわかる面白さ。オトナの社会や情報を面白く見るコツを学ぶ特別講義。

感想・レビュー・書評

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  •  『反社会学講座』などで知られる著者が、中高生を対象に書き下ろした、“ジュニア版『反社会学講座』”である。

     著者パオロが、留吉と愛美という2人の中学生を相手に、ナナメから見た世の中の仕組みを講義するというスタイルをとっている。“紙上掛け合い漫才”のような趣。
     中高生向きとはいっても、内容は基本的に『反社会学講座』の延長線上にある。社会学の手法や論理をイジワルな形で援用した知的エンタテインメントである。『反社会学講座』との違いは、イラスト(朝倉世界一!)が随所にちりばめられていたり、ちょっと難しい言葉を使うときにはその語の解説が入ったりといった点くらい。各回の内容やテーマが子どもっぽいわけではない。

     本書は、中高生にメディアとの賢い接し方を教えるメディア・リテラシーの生きた教科書としても、また論理学の基礎の基礎を教えるテキストとしても読める。ただし、教科書然とした無味乾燥な記述ではなく、笑いとアイロニーに満ちたやり方で教えるのだ。

     たとえば、少し前のベストセラー『東大合格生のノートはかならず美しい』に言及して、パオロはこんなふうに言うのだ。

    《あの説は面白い現象に目をつけましたけど、原因と結果をごっちゃにしてますね。
     勉強したことをきちんと理解できて、アタマの中が整理されれば、整理された美しいノートを作れる。それだけのことなんです。アタマの中がごちゃごちゃしてる人には、美しいノートは作れません。美しいノートは、習ったことを理解しているという結果であって、原因ではありません。だから、美しいノートを作れば成績がよくなって東大へ行けると考えてる人がいたら、それはまちがってます。》

     アンケート調査の偏りの見破り方とか、アマゾン・レビューなどの★の平均値にはなんの意味もない、とか、「新聞を百倍おもしろく読むコツ」とか、各章のテーマ設定も面白く、大人が読んでも十分愉しめるし、ためにもなる。むしろ、いまどきの幼い中高生にはちょっと内容がハイブラウすぎるのではないかと心配になる。いまなら大学生に読ませてちょうどいいくらいの内容だと思う。

  • 戯けて語る、データの見方探し方

  • ひねくれた世界の見方の原点

  • 社会

  • いろいろ調べているのは面白いし、批判的思考のいい教科書にもなっていると思う。
    ただラスト近くのもろもろの話は無理がある気がするな。特に温暖化。そのへんのトンデモ本とロンボルグの本を並列させちゃいかんでしょう。

  • 図書館の典拠検索で「調べ学習」を検索していたら、ヒットしたナゾのタイトルの本「13歳からの反社会学」。き、きになるーー!!さっそく借りたよね!読んだよね!

    対談形式で読みやすいし、けっこう良いこと書いてあります。

    忘れないようにメモ。
    ・答えを出すことより、どれを選ぶかが重要な問題。
    ・知識も教養も、どっちもただの情報。たくさんあっても、それを現実の世界で活かそう、誰かの役に立とうという魂がなければ、ただの雑学オタク。

  • 何を学べば良かったのかブレる

    反社会学の社会の見方?
    深堀する箇所は単純に著者の関心の強い分野だから?

    非常に眠くなる本でだいぶ時間がかかったけど、寝る前の本としてちょっとずつ読み進め、読み終わりました

    2015.11.22

  • これからパオロ氏の本続けて何冊か読みます。
    夏休みの課題図書Ψ( ̄∇ ̄)Ψ

    13歳からのなだけあって、お金を拾って暮らせるか(データを使って考えよう)、図書館とネット検索、アンケートやレビューの面白さと罠、といった身近でフランクな話題が◎でした。

  • とても面白かったので家族に勧めた。

  • 世の中の様々な情報の読み方から、考え方や生き方を楽しく学べます。偽善者になれ、偽善者以下にはなるな。目からうろこです。201406

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著者プロフィール

パオロ・マッツァリーノ(Paolo Mazzarino):日本文化史研究家。著書に『反社会学講座』『続・反社会学講座』『誰も調べなかった日本文化史』(以上、ちくま文庫)、『読むワイドショー』(ちくま新書)、『「昔はよかった」病』(新潮新書)、『サラリーマン生態100年史』(角川新書)、『思考の憑きもの』(二見書房)などがある。

「2023年 『つっこみ力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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