断章のグリムXVI 白雪姫・上 (電撃文庫 こ 6-30)
- アスキー・メディアワークス (2011年12月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048861854
作品紹介・あらすじ
「『普通』なんて、いつか壊れて、ここに戻って来るよ。蒼衣ちゃんは私の『王国』の国民なんだから-」握り拳を震わせて言いつのる葉耶。蒼衣を苦しめる、かつて蒼衣が破滅させた少女の幻影。だが、蒼衣は(泡禍)と出会うまで、葉耶の存在すら忘れていた。そして、過去に本当に起きていたことも覚えてはいなかった-。主が帰ってくることのない神狩屋。活動停止を命じられた雪乃は、そこのみが拠り所かのように待機することしかできない。さらに蒼衣も、神狩屋の書斎で膨大な資料から手がかりを探すしかなかった。何度もそんな作業を繰り返した時、蒼衣の目に入ってきた一つのスクラップブック。そこに記されていたのは、葉耶にまつわる過去の真相。そして-。
感想・レビュー・書評
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「一人目の『小人/きし』」
手掛りを求めて探してた。
行きそうな場所すら分からなければ、所有物の中から手当り次第ヒントを見つけるだけだよな。
「二人目の『小人/はや』」
自分と向き合うためにも。
ただの記憶違いだったとしても、それならば断章のトラウマは一体何なのか調べるべきだろう。
「三人目の『小人/ひめ』」
帰ってきた部屋の中には。
何をしても死ねないからこそ、この様な方法を選んだのかもしれないが最期に迷惑すぎだろう。
「四人目の『小人/きみ』」
記憶にない家にある庭に。
実際に訪れてみても何一つ思い出せないのは、思い出したくない何かがあるのかもしれないな。
「五人目の『小人/ぼく』」
手を繋ぎ見下ろしていた。
長らく放置された遺体があるというのに、腐敗臭に気付くことなくいる時点でおかしくないか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
神狩屋が去ったあとの古道具屋を入谷克利(いりや・かつとし)が訪れ、蒼衣に店内の書斎のカギを託します。神狩屋の書斎に入った蒼衣は、そこで神狩屋が蒼衣の断章に関係する溝口葉耶(みぞぐち・はや)の失踪事件にかんして調査をしていたことを知ります。
神狩屋がいなくなったあと、ロッジにやってくる笑美とそりがあわない雪乃も、蒼衣に同行して葉耶の記憶をたどり、蒼衣の過去に起こった事件の真相に近づいていきます。
これまであまりその断章の秘密について触れられてこなかった夢見子も、ようやくストーリーの主筋にからんできて、どのような結末へととりまとめられることになるのかたのしみです。 -
いよいよ断章のグリムの最終章です!
最後のお話しは『しらゆきひめ』
蒼衣の断章に関わるお話しで、上巻から
突っ走り気味なグロさです・・・
夢見子ちゃんの謎とかも分かりそうな予感で
下巻を早く読みたいですが、悲しい予感もする。
この人やしな>< -
ついに最終章…!
最後はきっと白雪姫だろうとなとそう思っていました。
ずっと気になっていた葉耶の泡禍について核心に迫っていっていて、
兎に角ずっとハラハラしながら読みました。
最後は問題の神狩屋が何も知らない颯姫の元に帰ってきて、
次へ続く…と本当に気になる展開です。
毎回そうしていますけど、上下巻出てから読んで本当に良かったです。
上巻だけ読んで待つとか狂おし過ぎて考えられません。 -
08/02/2012 読了。
時間が出来たので、図書館で見つけて借りてきました。
前巻を読んでないままでしたが、まぁなんとか。
今までのと比べると、
そこまでグロさや迫る恐怖は無かったかなぁ…と。
下巻で一気にそういう感じなのですかね。
物語は蒼衣の断章の綻びやはじまりについて、ですね。
口絵にも葉耶ちゃんがいますし、
はぁ…この物語も終わってしまうんだなぁ…と
幸せな終わり方が全く想像できないのですが。
…『善意』って『悪意』よか嫌ですね。 -
蒼衣の記憶の謎に期待。
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相変わらず詳細は読めないシリーズ。だったすぷらっただし。
展開もかなりハードで、前巻で信頼していた人物に裏切られた主人公がさらに追い詰められていいく話。
前シリーズの例があるので、ハッピーエンドかどうか怪しいので、覚悟をきめつつ次を読む。 -
もっとずっと続くのかと思ってました。
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913.6 コ (16) 登録番号8713
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神狩屋不在の書斎で蒼衣が見付けた一冊のスクラップ。それは蒼衣の断章の元になった、葉耶の事件に関連する記事を集めたものだった。しかし蒼衣の記憶していた事件と記事とは大きく矛盾している。笑美の監督下に置かれて身動きのつかない蒼衣と雪乃は手がかりを求めて動き出す。
他方神狩屋を追って、神狩屋のかつての友人・入谷も動き始める。手傷を負った神狩屋が逃げ込んだ先にいたのは――
あらすじを申せばこんな所で。
神狩屋不在で心配していた蘊蓄はどうなるのかと思いましたが、神狩屋の書斎が開放されたことと風乃の補足により、今回も平常運行です。
緊迫感を増すストーリー展開、これは上・下巻では済まない話ですよね?(期待のまなざし)
それより神狩屋あああああああ! 書斎を見せろおおおお!
いや見せてくださいお願いします象徴学の文献の書名だけでもいいからメモらせて。ううう……。見たいよう。いいなあ蒼衣。さすがに蒼衣なりたいとは言いませんが、せめて鍵だけ貸して。 -
日本の物語における王道は「友情・成長・勝利」です。
ラノベもこの例に漏れる事なく、主人公を巻き込む大事件
それによる関係性の変化、主人公の成長。
これらは必ずと言っていいほど、物語の中に組み込まれてます。
何故なら面白いから。
だから私はこの話が最終幕だと聞いた瞬間、少々驚きました。
ゆきのんがデレる気配こそ見えたものの
物語の王道でいえばまさに初期段階。
二人の関係性は少しずつ変わっているものの劇的ではなく
読者としてはより多くの変化を望んでいました。
が、最終幕です。
本当はもっと多く書いて欲しかった。
千恵ちゃんのその後についても話が聞きたいですし
笑美さんにはもっと登場して欲しい。
各ロッジについてもっと設定があると思うのに全く掘り下げられていない。
もっと、登場人物に色々な事をさせて欲しいのです。
……んー、物足りなくはありますが、悪いとは思いません。
作者は作者の思考があり、作者への信頼があって
私は見届けてからコメントしたいと思ってるからです。
そもそも、Missingに置いて私は
作者の認識と読者の認識が違っていた事を思い知らされました。
だからきっと今回もそういう類なんだろうな、と思っています。
私達が期待を抱いているだけで、しかし物語が抱えた
絶望の許容量は末期だと、作者が思っているのかもしれません。
それならそれで仕方ない。
作者なりの幕を聞かせて貰いたいものです。 -
蛆虫がー………
蛆虫があー…………… -
とうとう最終章突入。
Missingの時も思いましたが、甲田さんの長編には、主人公たちが最初はなんだかんだそれなりに協力しあって困難に立ち向かっていくんだけれども、後半、絶望的な状況が増えるにつれて、それぞれの譲れない部分がはっきりしていって、一人ひとり別個に自分の意志を固めていく、という流れがあるような気がします。
その意味で言うと、今作はMissingとはちょっと違う所があるような。
最終話、どう落としてくるのか楽しみ。 -
おもしろかったです!
グロひかえめ、でも生理的にいやなシーンはしっかりとありました。
とりあえず続きが!気になる!! -
いよいよ最終章ですか・・・。
今回は携帯の怪異が登場し、前作Missingシリーズを彷彿とさせました。
Missingもハッピーエンドはあり得ない、と予想していたけれど、今回はそれ以上に悲愴感が漂っているような気がします。
神狩屋さんが死んでしまうのか、まさかの主人公・蒼衣が死んでしまうのか、雪乃さんはどうするのか…。
あるいは、実は蒼衣の断章の真の姿が神狩屋によって隠蔽されていて、物語は最後に読者の予想を裏切る方向へ転がるのか。
何にせよ、下巻の発売を待ちます。