断章のグリムXVI 白雪姫・上 (電撃文庫 こ 6-30)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
4.04
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本棚登録 : 392
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048861854

作品紹介・あらすじ

「『普通』なんて、いつか壊れて、ここに戻って来るよ。蒼衣ちゃんは私の『王国』の国民なんだから-」握り拳を震わせて言いつのる葉耶。蒼衣を苦しめる、かつて蒼衣が破滅させた少女の幻影。だが、蒼衣は(泡禍)と出会うまで、葉耶の存在すら忘れていた。そして、過去に本当に起きていたことも覚えてはいなかった-。主が帰ってくることのない神狩屋。活動停止を命じられた雪乃は、そこのみが拠り所かのように待機することしかできない。さらに蒼衣も、神狩屋の書斎で膨大な資料から手がかりを探すしかなかった。何度もそんな作業を繰り返した時、蒼衣の目に入ってきた一つのスクラップブック。そこに記されていたのは、葉耶にまつわる過去の真相。そして-。

感想・レビュー・書評

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  • 「一人目の『小人/きし』」
    手掛りを求めて探してた。
    行きそうな場所すら分からなければ、所有物の中から手当り次第ヒントを見つけるだけだよな。

    「二人目の『小人/はや』」
    自分と向き合うためにも。
    ただの記憶違いだったとしても、それならば断章のトラウマは一体何なのか調べるべきだろう。

    「三人目の『小人/ひめ』」
    帰ってきた部屋の中には。
    何をしても死ねないからこそ、この様な方法を選んだのかもしれないが最期に迷惑すぎだろう。

    「四人目の『小人/きみ』」
    記憶にない家にある庭に。
    実際に訪れてみても何一つ思い出せないのは、思い出したくない何かがあるのかもしれないな。

    「五人目の『小人/ぼく』」
    手を繋ぎ見下ろしていた。
    長らく放置された遺体があるというのに、腐敗臭に気付くことなくいる時点でおかしくないか。

  • 神狩屋が去ったあとの古道具屋を入谷克利(いりや・かつとし)が訪れ、蒼衣に店内の書斎のカギを託します。神狩屋の書斎に入った蒼衣は、そこで神狩屋が蒼衣の断章に関係する溝口葉耶(みぞぐち・はや)の失踪事件にかんして調査をしていたことを知ります。

    神狩屋がいなくなったあと、ロッジにやってくる笑美とそりがあわない雪乃も、蒼衣に同行して葉耶の記憶をたどり、蒼衣の過去に起こった事件の真相に近づいていきます。

    これまであまりその断章の秘密について触れられてこなかった夢見子も、ようやくストーリーの主筋にからんできて、どのような結末へととりまとめられることになるのかたのしみです。

  • いよいよ断章のグリムの最終章です!

    最後のお話しは『しらゆきひめ』
    蒼衣の断章に関わるお話しで、上巻から
    突っ走り気味なグロさです・・・

    夢見子ちゃんの謎とかも分かりそうな予感で
    下巻を早く読みたいですが、悲しい予感もする。
    この人やしな><

  • 大人がいなくなってしまった店。
    そして動けなくなってしまった子供達。
    何もできない時間、資料を探していて掘りあてたのは
    <断章>になった元の『彼女』のスクラップ。

    事件が起きないので、最初から最後までスプーン一杯はなし。
    しいて言えば、最後の溶けあってしまった
    あそこまでのシーンでしょうか?
    もしかしたら、これぐらいでは動じないほど
    慣らされてきてるのかもしれません。
    この反動が下巻にきたらどうしよう? というどきどきがありますがw

    自分の過去に目を向けて、浮き上がってきた記憶のずれ。
    それを確認しようとすれば、行き当たった泡。
    その間に、ロッジの元責任者と、一応責任者のご対面。
    元の方は、一体どうなったのでしょう?

    そして最後に彼が思い出した過去の女の子。
    もしあの人形の個数がそこに達するための準備だったとしたら…。
    炎で助けた彼女が数えた小人の数と
    その前に彼が数えた小人の数の違い。
    すごく、続きが気になります!

  • ついに最終章…!
    最後はきっと白雪姫だろうとなとそう思っていました。
    ずっと気になっていた葉耶の泡禍について核心に迫っていっていて、
    兎に角ずっとハラハラしながら読みました。
    最後は問題の神狩屋が何も知らない颯姫の元に帰ってきて、
    次へ続く…と本当に気になる展開です。
    毎回そうしていますけど、上下巻出てから読んで本当に良かったです。
    上巻だけ読んで待つとか狂おし過ぎて考えられません。

  • 主が帰ってくる事のない神狩屋。
    活動停止を命じられた雪乃は、そこのみが拠り所であるかのように待機することしかできない。
    さらに蒼衣も、神狩屋の書斎で膨大な資料から手掛かりを探すしかなかった。
    何度もそんな作業を繰り返した時、蒼衣の目に入ってきたのは一つのスクラップブック。
    そこに記されていたのは、葉耶にまつわる過去の真実。そして――。

    前回で決定的に敵と化してしまった神狩屋さん。いい人だと思ってたのに、予想以上に歪んでいたようでショックです。
    そんで最終章である今回はついにというか何と言うか、分かってるようで分からなかった葉耶ちゃんがクローズアップ。
    第一巻から、蒼衣の断章の根源であり、彼女を拒絶して殺してしまった事が最大のトラウマであると幾度も言われてきたのに、ここにきてまさかの大どんでん返しですよ。
    蒼衣の主観としてとしてストーリーが進んでいた以上、これは読者的にもえっ!?としか言いようがない展開。
    最後に爆弾持ってくるあたりがさすがですね。
    最終章でいきなり入谷さんなんて新キャラが出てきて若干戸惑ったけど、かっこいいからよし。
    葉耶の家がまたさらに大変なことになってて怖かったなぁ…。
    ていうか最後の最後にさらなる爆弾が…ええ? ここで夢見子ちゃんが出てくるなんて…。

  •  断章のグリム16巻、最終章「白雪姫」上巻。

     神狩屋の離反で、身動きが取れない状態になった<神狩屋ロッジ>。身動きが取れなくなり待機するしかない雪乃。同様に蒼衣は、残されたやみくもに資料から手がかりを探す。その過程で見つかった蒼衣の<泡禍>に関して神狩屋が残したノート。中には、蒼衣の記憶とは違う部分、知ろうともしなかった事件の顛末が書かれていて…。

     葉耶が受け入れなかった世界。蒼衣が葉耶を受け入れなかった世界。世界が、受け入れなかった葉耶。本当は何があった?どうして蒼衣は、葉耶が溶けて居なくなってしまったなどと記憶を捻じ曲げた?
     真実を知ろうと決意した蒼衣。その真実によって蒼衣に迫る神狩屋。夢見子と繋がる泡禍の記憶。

     世界の三大タブー「親殺し」「人食い」「近親相姦」をコンプリートしながら、語り継がれて来た罪と皮肉と愚かさの縮図という物語。『断章のグリム』最終章にはピッタリでしょう。

     グロさを相変わらずに、最後の巻を楽しみにいきましょう。

  • 08/02/2012 読了。
    時間が出来たので、図書館で見つけて借りてきました。
    前巻を読んでないままでしたが、まぁなんとか。

    今までのと比べると、
    そこまでグロさや迫る恐怖は無かったかなぁ…と。
    下巻で一気にそういう感じなのですかね。

    物語は蒼衣の断章の綻びやはじまりについて、ですね。
    口絵にも葉耶ちゃんがいますし、
    はぁ…この物語も終わってしまうんだなぁ…と
    幸せな終わり方が全く想像できないのですが。

    …『善意』って『悪意』よか嫌ですね。

  • 想像力が豊かだと、かなり辛い。
    というスプラッタと生理的に想像したくないシーンがあります。うーん、このシリーズはそれが多いのだ。

    最終章は「白雪姫」
    王道の物語ですな。ある程度わかりやすい童話を題材にしているのでまぁ、有りですが。そして童話がいかに残酷かと思う解釈に、ちょっと思うところも。たしかにグリム童話は残酷ですが、改編することでよりそれが際だつってのも、なるほどって感じで。

    この作者の話は、「救いようがない」という形の、完璧なバッドエンド一歩手前のより微妙な状態、という認識が私にはあるので、後半は、ここまでくるとその予感が。
    入谷さんの断章が本気で救いようがないねぇ。
    いや、断章は全てそうだけど。

    ということで、後半です。

  • 蒼衣の記憶の謎に期待。

  • 相変わらず詳細は読めないシリーズ。だったすぷらっただし。

    展開もかなりハードで、前巻で信頼していた人物に裏切られた主人公がさらに追い詰められていいく話。

    前シリーズの例があるので、ハッピーエンドかどうか怪しいので、覚悟をきめつつ次を読む。

  • もっとずっと続くのかと思ってました。

  • 913.6 コ (16) 登録番号8713

  • 神狩屋不在の書斎で蒼衣が見付けた一冊のスクラップ。それは蒼衣の断章の元になった、葉耶の事件に関連する記事を集めたものだった。しかし蒼衣の記憶していた事件と記事とは大きく矛盾している。笑美の監督下に置かれて身動きのつかない蒼衣と雪乃は手がかりを求めて動き出す。
    他方神狩屋を追って、神狩屋のかつての友人・入谷も動き始める。手傷を負った神狩屋が逃げ込んだ先にいたのは――

    あらすじを申せばこんな所で。

    神狩屋不在で心配していた蘊蓄はどうなるのかと思いましたが、神狩屋の書斎が開放されたことと風乃の補足により、今回も平常運行です。
    緊迫感を増すストーリー展開、これは上・下巻では済まない話ですよね?(期待のまなざし)

    それより神狩屋あああああああ! 書斎を見せろおおおお!
    いや見せてくださいお願いします象徴学の文献の書名だけでもいいからメモらせて。ううう……。見たいよう。いいなあ蒼衣。さすがに蒼衣なりたいとは言いませんが、せめて鍵だけ貸して。

  • 日本の物語における王道は「友情・成長・勝利」です。
    ラノベもこの例に漏れる事なく、主人公を巻き込む大事件
    それによる関係性の変化、主人公の成長。
    これらは必ずと言っていいほど、物語の中に組み込まれてます。
    何故なら面白いから。

    だから私はこの話が最終幕だと聞いた瞬間、少々驚きました。
    ゆきのんがデレる気配こそ見えたものの
    物語の王道でいえばまさに初期段階。
    二人の関係性は少しずつ変わっているものの劇的ではなく
    読者としてはより多くの変化を望んでいました。
    が、最終幕です。

    本当はもっと多く書いて欲しかった。
    千恵ちゃんのその後についても話が聞きたいですし
    笑美さんにはもっと登場して欲しい。
    各ロッジについてもっと設定があると思うのに全く掘り下げられていない。
    もっと、登場人物に色々な事をさせて欲しいのです。
    ……んー、物足りなくはありますが、悪いとは思いません。

    作者は作者の思考があり、作者への信頼があって
    私は見届けてからコメントしたいと思ってるからです。
    そもそも、Missingに置いて私は
    作者の認識と読者の認識が違っていた事を思い知らされました。
    だからきっと今回もそういう類なんだろうな、と思っています。
    私達が期待を抱いているだけで、しかし物語が抱えた
    絶望の許容量は末期だと、作者が思っているのかもしれません。
    それならそれで仕方ない。
    作者なりの幕を聞かせて貰いたいものです。

  • 蛆虫がー………
    蛆虫があー……………

  • 夢見子ちゃん・・・

  • とうとう最終章突入。

    Missingの時も思いましたが、甲田さんの長編には、主人公たちが最初はなんだかんだそれなりに協力しあって困難に立ち向かっていくんだけれども、後半、絶望的な状況が増えるにつれて、それぞれの譲れない部分がはっきりしていって、一人ひとり別個に自分の意志を固めていく、という流れがあるような気がします。

    その意味で言うと、今作はMissingとはちょっと違う所があるような。
    最終話、どう落としてくるのか楽しみ。

  • おもしろかったです!
    グロひかえめ、でも生理的にいやなシーンはしっかりとありました。
    とりあえず続きが!気になる!!

  • いよいよ最終章ですか・・・。

    今回は携帯の怪異が登場し、前作Missingシリーズを彷彿とさせました。
    Missingもハッピーエンドはあり得ない、と予想していたけれど、今回はそれ以上に悲愴感が漂っているような気がします。
    神狩屋さんが死んでしまうのか、まさかの主人公・蒼衣が死んでしまうのか、雪乃さんはどうするのか…。
    あるいは、実は蒼衣の断章の真の姿が神狩屋によって隠蔽されていて、物語は最後に読者の予想を裏切る方向へ転がるのか。

    何にせよ、下巻の発売を待ちます。

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著者プロフィール

1977年、岡山生まれ。津山三十人殺しの舞台となった津山市出身。二松学舎大学卒。民俗学および魔術に関して知識を豊富に持ち、『Missing 神隠しの物語』で電撃文庫デビュー。著書に『断章のグリム』『時槻風乃と黒い童話の夜』『夜魔』『ノロワレ』『霊感少女は箱の中』シリーズなど。

「2022年 『Missing13 神降ろしの物語〈下〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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