ヴァルプルギスの後悔Fire4. (電撃文庫 か 7-27)
- アスキー・メディアワークス (2011年12月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048861878
作品紹介・あらすじ
私の勝ちだ-すべてはこのヴァルプルギスの前に屈した。もはやアルケスティスも統和機構も敵ではない。あらゆる生命よ、次元よ、宇宙よ、我が威光の前に平伏すがいい!…果てしなく長い長い時代を経て、遂に魔女戦争が完結する。炎と氷の宿命の対立を制して、絶対的な優位で万物を圧倒し、世界を掃討する魔女を前に抵抗できるものは誰もいない。だが未来が彼女の手によって塗り潰されようとする、その境界線上の闇の向こうから現めるのはもう一人の"炎の魔女"の姿-死都アトランティスで始まり、一瞬で決する意外にして奇妙な最後の戦いが終わるとき、そこに立っているのは果たして、ほんもの、にせもの、どちらの魔女なのか…。
感想・レビュー・書評
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これほどまでに曖昧な物語というのもない気がする。
ちなみにこれは褒め言葉である。
このシリーズはこれまでのブギーポップからの登場人物が今昔を問わずに結構出てくるので、キャラクター名だけ読んでも「この人どんな人だったっけ?」となることもしばしば。
けれども、本書においてはそういうキャラクター達は所詮脇役と今後の伏線に過ぎないのでわからなくても問題はない。
「神」とか「悪魔」とか「魔女」とか呼び方はなんでもいいけれど、絶対的な存在が仮にいたとして、じゃあそれってどんな存在なんだろう?
少しスケールの小さい話で例えば、打率10割のバッターがいたとして、確かにそれって異次元の人間かもしれないけれど、だからといってその人が絶対的な存在かというと案外そうじゃない。
だって、必ず打たれるとわかっているならば、敬遠しちゃえばいいじゃないという話になる。
そして、なによりもその絶対性っていつまでも続く保障があるわけじゃない。たった一回の失敗、ほんの僅かなほつれから絶対性は失われてしまう。
そう考えると、「完全」とか「絶対」というものは脆弱な概念なんじゃないだろうか。そして逆に「弱さ」ってものは一度成功したぐらいで失われるものではなく、頑丈な基盤の上に成り立っているように感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「ビートのディシプリン」シリーズにつづく「ブギーポップ」番外編の最終巻にあたる本です。
凪の母親である霧間鏡子(きりま・きょうこ)のすがたになって現われたヴァルプルギスは、統和機構をその支配下に収めることを宣言し、「中枢」(アクシズ)を担っていたオキシジェンと戦い、その強さを統和機構のメンバーたちに知らしめます。
さらにヴァルプルギスは、朱巳がオキシジェンの後継者候補だったことを明かし、朱巳は統和機構の合成人間であるワイプ・アウトによって命をねらわれることになります。ヴァルプルギスは、朱巳の強い意志をもつ魂に目をつけ、次の宿主にしようとしたのです。しかし、その意図を読んでいた凪は、イディオティックこと長谷部京輔の力を借りて、朱巳のうちにひそんでいました。こうしてヴァルプルギスと凪は、二人だけの世界に移り、戦いをくりひろげることとなります。
合成人間でもMPLSでもなく、ふつうの人間でありながら正義の味方であろうとしつづけてきた凪が、この世界の運命を決する戦いにたったひとりで立ち向かい勝利するという物語で、個人的には熱い展開をたのしむことができました。 -
すごいセカイ系で厨二爆発だった。
前編通じて登場人物多いとか場面が変わるのが多いとかおばちゃんにはついて行くのキツかったです。惰性で仕方なく読んでる感じ。再読は無い。
かどちんイッキ読み勢で3月から他の本を挟みながら2ヶ月で4冊読破。この短期間でも無理!だったのに連載やリアルタイムで読んだ勢っているのか?内容を振り返って思い出せない不思議さ。 -
カレイドスコープからフォルテッシモまで、色々な登場人物オールスターと言った感じ。
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らしさが出たヴァルプルギス最終巻。勢ぞろいと言う感じでしたが、まあ、落ち着き先も良かったんではないでしょうか。
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外伝完結。
いつ死神さんがでてくるかと思いながら読んでたがさすがに出てこなかった。
こういう話こそ最後の最後でぽっと出てきてけりつけるひとだろうに。
外伝なんだけど、正直本編も主人公が狂言回しになったのでどれでもいいよ、という状態。
まあ、別作品とのリンクが強いので外伝になったのだろうけど。
あとは主人公を彼女においたから、か?本編でも何気に出てくるけどなぁ。
いずれにせよ、積読山脈の一角が崩れてよかった。 -
ここまで「運命」と「自分らしさ」ストレートに扱った作品も珍しい。なんとなく統和機構が目的を見失った感じがするけど(まあいいじゃん)。
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ライトノベル、あまり読まなくなってきた中で、久しぶりにこの作品。「セカイ系」というのに分類されるそうな。
ブギーポップシリーズ(というか上遠野ワールド?)の大きなポイントとなる作品らしく、シリーズの登場人物も多く登場し、他のストーリーとのリンクもあるようなんだけど…。
でももう限界かも。読者を物語の世界に引き込もうとするのではなく、ついて来れるやつだけついてこい、的なストーリーテリングに取り残され感。何か聞き覚えのある登場人物が大量に出てくるのだけど、どういう人だったのか思い出すのも一苦労だし、そもそも思い出せない場合も。シリーズの刊行間隔が長いのもあるけれど、「覚えよう」という気力が湧いてこない。過去の作品のことは気にせず読んだって楽しめるのだし、昔はそうやって読んでいたのだけれども、今回そういう読み方ができなかったのは、自分の読み方が変わってきたのだろう。
話も一区切りついたみたいだし、もう続編は買わないだろう。緒方剛志さんのイラストが見られなくなってしまうのは残念だけれども。
(あと二冊でシリーズ終わります、とか言ったら、買うかもしれないけど。いつどう終わるか分からず、延々と続いていくのもストレスなんだよなぁ。) -
絵柄の変わりっぷりが凄い。
皆可愛らしい顔になっちゃって…。 -
ブギーポップシリーズのストーリーを進めるため,かつ著者の凪好きのための4作,といった印章。
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遂にと云うかやっとと云うか、炎と氷の魔女戦争が終結。
そしてそれによって何が変わったのかが分からないのは、彼の作品の特性かなぁ。
分かることと言えば、凪の周りには奇人変人超人しかいないみたいだということか。
ブギー本編以外の著作からの登場人物も多く登場してるし、それに描かれてる事件もリンクしてるしで、もう誰が何に関わってたかが分からなくなってきてる。
ので、これ以上いろいろリンクさせないで! と思ってしまう記憶薄弱者…。 -
氷の魔女と炎の魔女。世界を崩壊させかねない二人の魔女の戦争は、桁外れのスケールの二人の女子の意地の張り合いでもあった。世界を手中に収めようとするヴァルプルギスに対し、母を人質に取られた状態の凪は奇想天外な手段で彼女に最終決戦を挑む。かつて「炎の魔女」と呼ばれた戦士の少女が、自らの運命を乗り越え、新たな段階に歩みを進めてこの物語は終わる。
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「ヴァルプルギスの後悔」完結。
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あんだけ強かったカレイドスコープをあっさり倒すなんてぱねえっす。
久々にオチにすっきりした。
でもまた大量に出てきたキャラをどうするのかと。いや、別に全て消化する必要ないけども。 -
面白かったけど、ラストちょっと寂しい終わり方だったな。
凪は結局何かをなくしてしまったんだろうか? -
凪さんカッコいい。ただそれだけ。
ブギー本編もこれ位きっちりやって欲しいなぁ。