ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048866583

作品紹介・あらすじ

鎌倉の片隅にあるビブリア古書堂は、その佇まいに似合わず様々な客が訪れる。すっかり常連となった賑やかなあの人や、困惑するような珍客も。
人々は懐かしい本に想いを込める。それらは思いもせぬ人と人の絆を表出させることもある。美しき女店主は頁をめくるように、古書に秘められたその「言葉」を読み取っていき──。
彼女と無骨な青年店員が、妙なる絆を目の当たりにしたとき思うのは? 絆はとても近いところにもあるのかもしれない。あるいはこの二人にも。
これは“古書と絆”の物語。

「アルティマエース」(角川書店)、「good!アフタヌーン」(講談社)2誌でのコミック版の連載も決定しました。

感想・レビュー・書評

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  • 古書にまつわる謎解きもさることながら、栞子さんと大輔との恋の行方も気になりますが、2人が車でお出かけと言ってもデートではなく、行き先はもっぱら古本屋巡りのようで…。

    古書店同士のあいだで、それぞれの地域に古書組合というのがあって、会館などに集まって同業者同士の古書の売り買いが行われているそうです。
    どの世界にも一般人の知らない裏事情があって、この本でさまざまな知識が得られて面白いです。
    一癖も二癖もありそうな個性的な古書店仲間も登場して、さらに物語が広がっていきます。

    宮沢賢治『春と修羅』
    この、パラフィン紙に包まれた函入りの古い本にまつわる謎は、読んでいて鳥肌が立ちました。
    宮沢賢治が生前に刊行された著書は、『注文の多い料理店』と『春と修羅』の二作品だけで、探してほしいと依頼を受けた初版の『春と修羅』は、賢治自身が推敲した手入れ本だったのだそうです。
    文学好きにはたまらない逸品ですよね。

    母智恵子の存在が、まだまだ謎めいたままで、姉とは正反対で、人付き合いのよい妹の篠川文香がその鍵を握っていそうです。

  • プロローグ『王様の耳はロバの耳』(ポプラ社)
    2010/11.23最近のできごと 篠川文香

    第一話 ロバート・F・ヤング『たんぽぽ娘』(集英社文庫)
    「ヒトリ書房」という古書店の店主井上に戸塚の古書会館で栞子は「お前もあの母親の娘だから」落札した本の中から『たんぽぽ娘』を盗んだだろうと言われます。
    大輔は「栞子さんだったら1冊といわず全部盗むはずだ」といい栞子をかばいますが、栞子は見事に真犯人をみつけだします。また、井上は「栞子は母の智恵子と連絡を取り合っている」ということを大輔に教えます。

    『たんぽぽ娘』の結末だけが書かれていないので、結末が知りたいと思いました。

    第二話『タヌキとワニと犬が出てくる絵本みたいなの』
    大輔と栞子は常連客となった坂口夫妻の妻、しのぶに探求書の依頼を受けます。それはしのぶが子供の頃読んだ1970年代の後半、新刊書店に並んでいた児童書でしたが、ヒントをきいても今回栞子は、いつものようにはひらめきません。
    そして、しのぶと仲の悪いというしのぶの実家を訪ねてみますが…。
    最後は文香が持っていたキーホルダーであっけなく謎は解け、しのぶが本を探していた本当の理由がわかり、実家と仲直りします。

    第三話 宮沢賢治『春と修羅』(關根書店)
    栞子の母の同級生の玉岡聡子から父の死後「部屋から盗まれた本を取り返してほしい」と宮沢賢治の『春と修羅』の初版本を探してほしいと依頼されます。
    「犯人はおそらく兄か兄嫁なので、警察には届けなかった」といいます。栞子は情況から判断して、二人は犯人ではないと推理しますが、兄嫁のアリバイを調べるために聡子の甥の中学生の昴に会いますが…。
    またしても栞子は真相解明して『春と修羅』は戻すべき人の元へ返ってきます。

    真の本好きな人というものは(ここでは栞子と昴)文章(この場合は詩)全部を暗唱しているものなのだと感心しました。

    エピローグ 『王様の耳はロバの耳』(ポプラ社)・Ⅱ
    2011/3.18今日のできごと 篠川文香


    (ここだけネタバレしていますのでこれから読まれる方は気を付けてください)
    『クラクラ日記』がカギです。
    文香が持っていました。
    母の智恵子の情報源がわかりました。
    さて、智恵子はどういう風に物語に絡んでくるのでしょうか。次巻も楽しみです。

  • 2022/05/22読了
    #三上延作品

    古書にまつわる日常の謎解き。
    第3弾。
    一気読みできる文体が良いし、
    ストーリーも面白い。

    あとで知ったけどドラマ化もしてたんやね。
    剛力彩芽じゃないだろ感はあるが。
    続きも読みたい。

  • このシリーズはそこはかとなく暗さがあるところが好きです。流行りものが好きじゃないので話題になっていた当時は読んでいなかったのですが友人が第1巻を譲ってくれて読んだら面白かったし好みにも合いました。
    この巻は特に『春と修羅』がよかった。シリーズ通して、それぞれの逸話に登場する脇役も嘘っぽい良い人でなくて、悪いことや人には言えない事を考えたりしていて、そこが気に入っています。

  • ついに栞子さんとふたりっきりでお酒を飲むまでになり、
    酔っぱらった姿まで目の当たりにし、
    ふたりだけのお出かけ率も大幅にアップした五浦くん、おめでとう♪
    せっかくキミの前ではすねたりふくれたりしてくれてるんだから、
    もうちょっと積極的にがんばりましょう!

    妻にさばさばと出ていかれた夫が、失くした愛の記憶を重ねて執着するのが
    変わらぬ愛を描いた、ロバート・F・ヤングの名作『たんぽぽ娘』だったり、
    第二話の『タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなの』では
    初期の挿絵と、本がポピュラーになってからの挿絵のギャップがカギになったり、
    第三話『春と修羅』では、金銭的な価値云々ではなく、
    本当にその本を愛する人にこそ大切にしてきた本を遺したいと願った
    故人の遺志が事件を引き起こしてしまったり

    相変わらず、本を愛してやまない読者の琴線に触れるエピソードが心憎い♪

    前巻からあれだけひっぱってきた『クラクラ日記』の秘密が
    勝手に思い込んでいたような風情のあるものではなく
    あまりにイマドキというか、味も素っ気もない仕掛けだったのには拍子抜けだったけど

    結婚するとき『たんぽぽ娘』を夫にプレゼントし、
    婚約者に贈る本を探しているお客にも、迷わず同じ本を薦めたという
    栞子さんのお母さんが、家族を捨てても平気な、情のない人だとは
    どうしても思えなくなってくる、ビブリア古書堂シリーズ第3巻。

    • まろんさん
      あやこさん☆

      ほんとうに!
      飲めるとしてもせいぜい梅酒くらいかな?というイメージだったので
      日本酒、しかも銘柄指定という予想外の展開にびっ...
      あやこさん☆

      ほんとうに!
      飲めるとしてもせいぜい梅酒くらいかな?というイメージだったので
      日本酒、しかも銘柄指定という予想外の展開にびっくりしました。
      「春と修羅」の昴くん、第一印象はとっつきにくい、無愛想な感じだったのに
      やることは律儀で、宮沢賢治をほんとうに敬愛しているのがわかって
      なんだか愛おしくなってしまいました♪
      2012/11/15
    • nico314さん
      1,2巻とは違う印象を3巻に持ちました。
      謎解きにあった軸足が、人間関係に移ったような。読んでいる最中は、謎解きの巧みさみたいなものが薄い...
      1,2巻とは違う印象を3巻に持ちました。
      謎解きにあった軸足が、人間関係に移ったような。読んでいる最中は、謎解きの巧みさみたいなものが薄いな、と思ったけれど人の厚みが増したような気がします。
      2013/02/21
    • まろんさん
      nicoさん☆

      確かに確かに!
      謎よりも人の繋がりに重点が置かれてきましたよね。
      今日、第4巻の発売ですけれど、栞子さんとお母さんの溝は
      ...
      nicoさん☆

      確かに確かに!
      謎よりも人の繋がりに重点が置かれてきましたよね。
      今日、第4巻の発売ですけれど、栞子さんとお母さんの溝は
      果たして埋まっていくのでしょうか?!気になりますね~!
      2013/02/22
  • 今期楽しみにしているドラマに、日本テレビの『泣くな、はらちゃん』がある。
    越前さん(麻生久美子)が、日々のうっぷんを晴らすために日記代わりに書いている漫画から、主人公の「はらちゃん」(長瀬智也)が飛び出してくるという話。次第に殺伐としてゆく世界(=漫画)を平和にするためには神様(=越前さん)に幸せになってもらうしかないと奮闘する「はらちゃん」
    光石研や白石加代子などの実力派が脇を固め、脚本が『ちゅらさん』や『最後から二番目の恋』の岡田惠和なので、コメディタッチのあり得ない展開にも、心の機微や人生の真理がさらりと織り込まれ面白い。

    日テレは昔から、設定は荒唐無稽だけど味わい深いドラマを作るのがうまい。
    いまだDVD化されていないが好きだったドラマ『俺はご先祖さま』
    石坂浩二演じる未婚の新聞記者宅に、銀色の全身タイツで時間警察に追われながら未来からやってきたマリアン演じる子孫のミミ。子供はすべて試験管で製造される未来。絶滅した「愛」というものを一度みてみたいという。コミカルな中にも結構深いテーマがあったような気がする。いまならば大泉洋とローラでリメイクするのも面白いかもしれない。

    現実の事件をなぞるばかりが「リアル」ではない。
    作り物の世界の中に心情的な「リアル」が垣間見える時、おもわず感動したりもする。
    SFやミステリを始めとするエンタテインメントの魅力はそこにある。
    タイムトラベルものの傑作と言われる『たんぽぽ娘』
    きっと面白いんだろうなぁ。読んでみたい。

    『ビブリア古書堂の事件手帖3』は本を巡る家族のはなし。

    若いころの妻から現在の自分へ。
    子供のころの「あたし」から未来の子供へ。
    本を愛する旧世代から、本を愛する次世代へ。

    タイムマシンはまだ発明されていないけど、古書は人の気持ちを乗せて時空を自由自在に駆け巡る。

    本好きで控えめな美人で細身で巨乳の古書店主なんているわけないけど、だからこそ心動かされる物語もある。

    (なんだか『泣くな、はらちゃん』のレビューみたいになってしまった。そして『俺はご先祖さま』が1月末にまさかのDVD化!)

    • まろんさん
      まあ、なんと!
      『たんぽぽ娘』、刊行予定があるのですか?!
      若かりし頃に読んだきりなので
      刊行されるなら、ぜひ買いたいです!
      河出書房さ~ん...
      まあ、なんと!
      『たんぽぽ娘』、刊行予定があるのですか?!
      若かりし頃に読んだきりなので
      刊行されるなら、ぜひ買いたいです!
      河出書房さ~ん、今出さなくてどうするの~?!
      チャンスチャンス!
      私も真似して叫んでみました♪
      2013/01/24
    • 円軌道の外さん

      『泣くな、はらちゃん』は
      我が心の女優No.3の
      麻生さんが
      久々にテレビドラマに出るという噂だけで
      舞い上がって録画したんやけ...

      『泣くな、はらちゃん』は
      我が心の女優No.3の
      麻生さんが
      久々にテレビドラマに出るという噂だけで
      舞い上がって録画したんやけど(笑)、

      kwosaさんが絶賛するなら
      録っといて良かったぁぁ(笑)(*^o^*)
      (実はまだ観てないのです汗)


      しかも大好きな光石さんや
      岡田惠和さんが脚本書いてたなんて驚愕の事実に、
      嬉し過ぎて
      今イヤッホーっと
      小躍りしてます(笑)♪


      『俺はご先祖さま』内容忘れかけてたけど、
      マリアン好きやったんで(笑)
      観てました観てました!

      大泉洋とローラいいっスよね〜(笑)

      もしくは
      トリンドルなんちゃらっていう子(笑)
      (名前ど忘れしました)


      比較的最近の日テレドラマなら
      やっぱ「Q10」か
      「野ブタをプロデュース。」かなぁ〜(笑)

      どちらもアイドルを主役に置いて
      コミカルで軽いドラマに見られがちやけど、
      描いてるテーマは
      深かったですよね。


      てか、自分も
      ドラマの感想になってしまってすいません!(>_<)

      この巻まだ読んでないんで(汗)
      そろそろまとめ買いしなきゃなぁ〜☆


      あとビブリアドラマ版自分も見たけど、
      栞子と五浦のキャストは
      「う〜ん…」やけど(笑)

      ドラマ自体は丁寧に作られてて
      普通に面白かったです♪

      巷でボロカスに叩かれるような
      駄作ではなかったけどなぁ(笑)


      2013/01/28
    • kwosaさん
      円軌道の外さん

      そうです。
      『泣くな、はらちゃん』のヒロインは麻生久美子さんなんです。
      そして円軌道の外さんの心の女優No.1 No.2が...
      円軌道の外さん

      そうです。
      『泣くな、はらちゃん』のヒロインは麻生久美子さんなんです。
      そして円軌道の外さんの心の女優No.1 No.2がとっても気になります。

      そういえば『Q10』も気になっていたんですよね。観逃したけど。

      ビブリアドラマ版、だんだん面白くなってきましたよ。いつの間にかハマってしまいました。

      なんだかドラマの感想ばかりになってしまいましたが『ビブリア古書堂の事件手帖4』も2月末に発売されるみたいですし、これを機に一気読みしてみてはいかがでしょうか。
      2013/02/02
  • 鎌倉の古本屋「ビブリア古書堂」の店主・栞子さんとそこで働く大輔くんが古書にまつわる謎を解き明かし、もつれた人の心も解きほぐしていく、人気のミステリー第3巻。


    第2話のしのぶさんと母親、第3話の玉岡聡子さんとその家族、そして栞子さん、妹の文香ちゃんと母親の智恵子さん、という家族の関係が中心に据えられた話が印象深い。


    第2話では、しのぶさんの子供の頃好きだった唯一無二の本を探して栞子さんと大輔くんの2人が奔走する。もともと折り合いが悪く、しばらく疎遠になっていた両親(特に母親)との関係を修復したいとは口には出さないが、何やら心の奥で渇望しているようなもやもやとしたものに、いら立ちがつのるしのぶさん。自分のせいで今まで以上に関係が悪化してしまい、心苦しく思っている夫の昌志さん。明るくおしゃべりで、あけっぴろげなしのぶさんの苦悩の表情が痛々しい。
    しのぶさんと母親の仲は、長年のすれ違いから誤解を生じ、自然には回復できないほどの亀裂が生じて、互いに傷つけあうような言動ばかりを敢えて選んでいるようにも見受けられる。本当は互いを求めていたのにそれを口に出来ないまま、ここまで来てしまった。しかしながら、まるで雷に打たれるような衝撃を与えられたことで、思わぬ作用が起こり少しばかり、光明が差す。
    読みながら、しのぶさんに向かって、「どうにもならないなら、もう関わってますます疲弊するのはやめようよ。昌志さんがいるじゃない」なんて、思っていたけれど、やっぱり、こじれた関係は少ない方がいいよね。

    現実に親子関係が崩れたり、こじれたりするとかなり難しい。けれど、それは元来、愛し愛されたい、そうありたかったことへの裏返しで、やっぱり楽しく温かい関係を求めている。特に娘と母親の関係は、一つ間違えると尚更難しい。

    そんな中で、しのぶさんと母親の話はこの先に期待が持てて、読後感がよかった。いたたまれなさや不条理はこの本では求めない。いつか栞子さんと智恵子さんの間にも温かいものが流れますように。

    あたしはお姉ちゃんが大好きなんだ。(P296)

    文香ちゃんの言葉が温かくて嬉しくなる。

    • まろんさん
      私も、いつもまわりをぱあっと明るくしてくれるしのぶさんの大ファンなので
      第二話はこぶしを握りしめなて、うーうー唸りながら読みました。
      お母さ...
      私も、いつもまわりをぱあっと明るくしてくれるしのぶさんの大ファンなので
      第二話はこぶしを握りしめなて、うーうー唸りながら読みました。
      お母さんとの溝が埋まっていく兆しが見えて、ほんとうにほっとしました♪

      それにしても、栞子さんが『クラクラ日記』を何冊も何冊も買って
      手掛かりを探していたお母さんと文香ちゃんが、あんなイマドキの方法で繋がっていたとは!
      4巻、しばらく図書館には入らないだろうけど、気になります(*'-')フフ♪
      2013/02/21
    • nico314さん
      まろんさん
      コメントありがとうございます。
      明るくて肝の据わったしのぶさん、私も大ファンです!

      本当にそうですね。
      栞子さんが探...
      まろんさん
      コメントありがとうございます。
      明るくて肝の据わったしのぶさん、私も大ファンです!

      本当にそうですね。
      栞子さんが探している『クラクラ日記』書かれていると思われたものが、謝罪の言葉でも、愛情表現の言葉でもなく、アレ(!)だったとは!
      驚きです。

      本当は大好きなのに、思っているのに、
      だからそこ傷つけてしまう。
      本で読むと冷静になれるけど、自分がその身になると素直になれません。
      難しいことです。
      2013/02/21
  • シリーズ3作目。
    全て本を探す話。
    どんどん栞子さんの家族の謎が解けていく。
    しっかり人を観察し、
    たまたまなんかないんだぞと原因を探すのも面白いですね。

  • シリーズ3作目。
    特に大きな変化が訪れるわけではないけど、栞子さんが今回も冴え渡っているのと、行方不明のはずの母親に関する秘密が見え隠れしている。
    妹が何か鍵を握っているっぽいのが気になる。

  • シリーズ3作目。
    様々な事件と並行して徐々に明らかになる篠川家の謎。
    プロローグとエピローグの繋がり。
    今作も惹き込まれました。
    ただ第3話の終盤の展開は自分には分かり辛かった。
    総合的に面白いシリーズなので、次作も読んでみます。

  • ビブリア古書堂3冊目。
    先にドラマで見てしまった話も載っていました。順番どおりではないんですね。

    プロローグは、ヒロインの栞子さんの妹・文香の手記から。
    明るい高校生の妹だけど、これは夜中に一人パソコンで書いているのだ。
    文香の視点からの紹介で、導入していきます。

    第一話はロバート・F・ヤングの「たんぽぽ娘」
    (あ~これ、探してるんだけど、まだ読めてない。実は大昔に読んだ可能性もあるけど‥)
    古書店どうしの古書交換会に出向いた篠川栞子と五浦大輔。
    古書売買のやりかたが説明され、なかなか興味深いです。
    ここで出会ったヒトリ書房の店主が栞子をえらく嫌っている様子に、大輔は驚くことに。
    しかも、本を栞子に盗まれたと言い出します!
    さて‥?

    第2話は、前に出てきた登場人物が子供の頃好きだった絵本は何か?探す話。
    うまくいかないでいた家族の仲を取り持つ結果に。

    第3話は、宮沢賢治の「春と修羅」
    玉岡家の女主人から、本が一冊だけ盗まれ、身内のしたことなので突き止めて欲しいという依頼が。
    なくなった父親が蔵書家で、兄夫婦は会社を、妹が家を相続したのだったが、会社の経営が思わしくなくなり‥?
    賢治が詩集とは思わず、あくまで小文というかスケッチと考えていたことや、ほとんど売れずに引き取ったこと、出版後も推敲を重ねていたことなど、面白かったですね~。

    行方知れずの栞子の母親のことがちらほらと出てきて、それが陰影となっています。
    本を買うためなら何でもやりかねなかったという女性。はたして失踪の原因は‥?
    それも含めて、家族のことが話のポイントになっていますね。

    ドラマはけっこう楽しくずっと見ています。ヒロインはイメージと違うんだけど、深刻な事件のない落ち着いた展開が、夕食後に猫を抱っこして見るにはいいので。
    原作にあるヒロインの2面性がないのがちょっと、物足りないかな~。
    ドラマで一部改変されている理由はなぜかな?と自分なりの小さな推理を楽しんだりもしてます。
    あ、文香出てこないわね~弟になってるから(笑)

  • 相変わらず本に関する話題以外では口下手で人見知りな栞子。彼女の母 智恵子失踪の謎。智恵子にそっくりな栞子を不自然なほど嫌うヒトリ書房店主 井上。前科持ちの坂口とその妻しのぶの変わらないラブラブっぷりと、しのぶが抱える両親との確執。

    「クラクラ日記」と「たんぽぽ娘」を読んでみたくなった。たくさんの人の手を介した古書に託された秘密や思い。表紙のラノベっぽさが客層に制限をかけている気がする。。

  • 軽いタッチで読みやすく、惹き込まれるように読み終えました。
    一巻から少しずつ時間が過ぎていく中で、古書を軸に、そこにまつわる人々の交わりが巧みに描かれています。

  • 『テナルデイ軍曹に気をつけろ』
    孫とおじいさんの会話が印象的。普段から謎かけというか、気の利いたかけ合いをしていたのだろうと思うと微笑ましかった。

  • 徐々に面白くなってきた。
    栞子さんのお母さんのことが少しずつ明らかになってきたけど、まだまだ謎だらけ・・
    五浦君との関係もまだまだって感じで続きが気になってしまう。

    • まろんさん
      これ、2巻目も3巻目も、ずいぶん前に図書館に予約したのですが
      予約待ち人数から考えるともうとっくに届いてもいいはずなのに
      みんなよっぽどゆっ...
      これ、2巻目も3巻目も、ずいぶん前に図書館に予約したのですが
      予約待ち人数から考えるともうとっくに届いてもいいはずなのに
      みんなよっぽどゆっくり読んでいるのか、ぜんぜん手元に届かないのです(ノ_・。)
      でも、3巻になっても、栞子さんと五浦くんはまだまだという状態なんですね(笑)
      早く読みたいなぁ!
      2012/10/03
  • ちょうど電車往復2時間頂きまして読書タイム。1日で読んじゃった。
    物足りなかったり、ちょっと強引だったりも感じるけど、やっぱ良い本ですよ。サクサク読めて、謎解きもなかなか興味深い。「消えない絆」ということで、今回は家族絡みのお話。しかも全部おかん絡み。前作は栞子・大輔の話だったけど、今回は家族絡みということもあり、登場人物もいっぱい。

    でもって文香で始まり文香で終わりますが、最後の最後、なんという気になる終わり方!次巻はいよいよおかんの登場かな?

    本編では、またもや坂口夫妻に泣かされたし。「たんぽぽ娘」読みたくなったなあ、手に入らんのかなあ?古書組合の市場も初めて聞いた話でおもしろかった。「春と修羅」の本人推敲本ってホントの話なんかな。ここはフィクション?チェブラーシカって寂しいお話だったの?
    口絵の写真、なんか良かったなあ。本編での写真にまつわるお話もいい感じだった。

    で、絶版って焚書に値するよな、なんて思うわけですよ。読みたいものが絶版で読めないってのは嫌ですよね。絶版にするなら電子書籍化してよ、と絶版本のお話で感じた。読むことの自由を!

    「本を差す」「ヒゲの差」どこかで使う機会ないかな?ツウぶって会話の中にしれっと挟み込む。

    まあ、本筋ではないので良いのですが、少し犯罪が軽く書かれているような。ではどう書けばいいのかと言われると窮するのですが。万引き・盗み・傷害・遺産相続にまで・・・けっこう大問題なのに、割にサラッと流れちゃってて、いいのかしら?なんて思うのでした。

  • 第三巻の白眉はロバートFヤング「たんぽぽ娘」です。今では復刊されているので手に入り易くなりました。関連書でお薦めは、梶尾真治「クロノス•ジョウンターの伝説」です。「たんぽぽ娘」が重要なモチーフになった傑作です!
    そして「タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなの」も良いです。今ではこの本も、復刊されてます。中身は、有名なあのキャラクターですよ。

  • シリーズ第3弾は、2から連なる消えた母親の行方に迫る内容。
    妹ちゃんが大事なカギを握ってる感じ。
    ドラマではこの妹が弟に変わってるんだけど大丈夫なんだろうか
    などという無駄な心配は置いといてだな。

    この巻は今までよりもヒントが判り易かった気がする。
    特に2つめの『タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなの』は
    書名が判らないのにもかかわらず読んでくうちに答えが見えてきた。
    まさかの有名なお話だったけど。本というより映像の方で。
    その意味では今までと違う切り口で来たのかなと。
    『春と修羅』は読む前にドラマを見ちゃったんだけど(爆)
    答えが判ってて読んでも面白かった。
    ドラマの中の実の姉とめちゃくちゃ折り合いが悪い設定が理解不能だったので
    原作通り兄嫁の方がよかったんじゃないかと余計なことを考えたりした。
    (もしかして字で書いたら“義姉さん”だったのを勘違いしたのかな^_^;)

    栞子さんのお母さんの智恵子さんは
    伝聞だけで語られるからか、読めば読むほど怖い人に思えてくる。
    そして栞子さんも、話が進むにしたがっていいところも怖いところも
    智恵子さんによく似てると思えてくる。
    かといって智恵子さんのような怖さを感じない辺りは
    作中で聡子さんが言っていたのと同じ感覚か。

    栞子さんと大輔くんの関係は深まったような後退したような。
    このふたりどうなっちゃうんだろうな、とやきもきしながら読むのって
    読み方としてどうなんだろう(爆)。

  • あれよあれよというまに3巻も読み終わってしまいました。なんだかもったいない!!それくらいにあっという間に読めてしまいました。なんで面白いんだろう!

    前にも書いたけれど、コナン・ドイルを読んでいるように気持ち良い心地よさを感じています。

  • 妹さんかぁ、なるほどなと思いました。今回も興味深く読み進められましたし、早く続きが読みたいです。

  • シリーズ第3弾。
    栞子と大輔のコンビもだいぶ馴染んで来た感じで、今作では古本にまつわる個人の話だけでなく、古書の流通などの裏側も描かれ、本好きにはたまらない内容。
    シリーズが進んでも、登場人物がたくさん増える訳でもないので、それもまた読みやすい。
    最初と最後に栞子の妹の文香の日記風な1人語りが描かれ、前作でも描かれていた栞子と母との確執がさらに明らかになっていく。
    1冊の本に刻まれるそれぞれの物語も奥深いが、栞子の過去もさらに気になってしまう…

  • 栞子さんの妹の日記から始まる3巻。
    王様の耳はロバの耳の床屋のように
    誰にも言えない言葉を、穴にぽつぽつと
    落とすように綴っていく文香ちゃん。

    チェブラーシカや大好きな宮沢賢治が
    出てくるのもうれしい!

    栞子さんと大輔くんはお酒を飲みに
    行くようになったりと、少しだけは進歩?もありつつ。
    栞子さんが「八海山」が好きなのもうれしい~♡

    ずっと消息さえ掴めないお母さんのはずが
    栞子さんの現状を知っている様子で、
    その謎は最後にインパクトを持たせつつ。

    深い深い秘密の穴のその先が楽しみ!

  • 2014/1/24
    ビブリア3巻目。
    ちょっとかわいいかわいい言いすぎです、大輔君。
    かわいいのは私が感じたい。
    でも読みやすくておもしろいけどね。

  • シリーズ3冊目ともなると読者の方が慣れて、ダレてくる。
    謎解きのための設定にも無理が感じられると思うのは一種の慣れからくる洞察なのか。

    このシリーズのいいところは、題材になっている本や作者の歴史・生い立ちをストリーの展開に沿って説明してくれている点。
    1冊が古書3~4冊分の解説になっているので、それほど本を読まない私などにとっては1冊で5冊分の本に触れられることになり、お得感いっぱいだ。

    多少ダレてはきたが、まだ、北鎌倉に行ったらビブリア古書堂を探してしまうと思う。

  • 王様のみみはロバのみみ、口が軽い、言わずにはいられない。オチがこんなふうにくるとは、予想できず。
    1たんぽぽの娘
    幼馴染の古書店仲間。栞子の母、智恵子。謎は深まっていくように思える。母の仕事つながりでは伏線ができる。
    滝野蓮杖
    2チェブラシカ
    母娘の断絶⇒解決の糸口を示したかったのか?
    妊娠という結果は予想できたので、良い結果であった。
    川端ミズエ
    3春と修羅
    母の友人と、母に似る娘、栞子。話の展開が軽快であるが、粗が見えなくなるので良い。とてもよく宮沢賢治の研究がされていると感じた。ヒントの設定も面白い。
    玉岡聡子 一郎 小百合 昴
    終章
    母智恵子に状況を知らせていたのは妹であった。そして、探していた文庫本をも持っていた。父からの預かり物である。

    次作に期待するが、もう十分パターンがわかったような。

  • 今回も短編のように一つ一つ読みやすいけれど、全体を通して繋がっているところがいいですね。プロローグとエピローグの繋がりで胸を鷲掴みにされました。これじゃ気になって早く続きが読みたくなるじゃない!
    また1巻から読み進めて3巻目。ずいぶんと栞子さんに対する印象が変わってきました。『たんぽぽ娘』では、まさか栞子さんて、、なんてドキドキさせられましたし。でもだんだん秘密に近づいてきているようで、主人公と一緒になってもやもやしております。

    今回は家族の絆が目立っていましたね。『タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなの』では、坂口親子の不器用な仲に思わず涙がほろり。こういうのに弱いんです。
    『春と修羅』では、まさかまさかの本の謎に驚かされました。まるで目の前にその貴重な本があるかのように食い入るように読んでしまいましたよ。こういうお話ももっと読みたいな。

  •  栞子さんと玉岡昴が、「春と修羅」のくだりを諳んじあうシーンがすごくかっこよかった。
     私も、本に造詣が深いものでありたいが、その道のりはいまだ遠い・・・
     しかし、栞子さん、酒が飲めるなんて、びっくり!!

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「「春と修羅」のくだりを諳んじあう」
      素敵やなぁ~昔のマンガに、万葉集の歌番号で愛を伝え合うのがあったけど、覚えているって良いですね。
      「「春と修羅」のくだりを諳んじあう」
      素敵やなぁ~昔のマンガに、万葉集の歌番号で愛を伝え合うのがあったけど、覚えているって良いですね。
      2012/09/19
  • この本に出た、「たんぽぽ娘」はネットで検索したところ、英語で読めるようになっています。
    読んでみたところ、ビブリアのキャラクターと関連していて、なかなか面白かったです。
    栞子さんのお母さんはいったい・・・

    ビブリアシリーズはこれで3巻目となりました。
    1と2巻はとても、面白かったのですが。今回の3巻はちょっと、後味が悪かったです。作者はミステリーじゃなく、物語にスポットライトをあてている様です。
    やっぱり、どうしても、とってつけた様な感じがする。
    はっきり言って、くどくなってきてる。まあ、それはシリーズなので仕方が無いかもしれないが・・・笑
    でも、とても中毒性が高いシリーズです。続きがきになります・・・
    多分この3巻が分岐点でしょうね。

    予想としては、次巻物語は大きく動くと思います。
    もちろん、栞子さんの母親は出てくるでしょう。
    物語が終わったのは2011/3/8、という事は作者は3.11の事を触れるでしょう。
    毎日新聞デジタルのページを見てみると、今後は店名の「ビブリア古書堂」の由来、栞子と大輔のほのかな恋の行方なども語られていくという。
    らしい・・・・・・・・

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      チョッと時期は未定なんですけど、河出書房新社奇想コレクション・シリーズにロバート・F・ヤングの「たんぽぽ娘」が刊行されます。
      チョッと時期は未定なんですけど、河出書房新社奇想コレクション・シリーズにロバート・F・ヤングの「たんぽぽ娘」が刊行されます。
      2012/08/08
  • 数年振りの再読ですが、あっという間に読み終わりました。
    フィクションとノンフィックションを織り交ぜていて、やはり面白いです。
    物語自体の謎も徐々に開く深まっていき、先が気になります。

  • 次から次へと本の事件が起こったり持ち込まれたり。それを解いていきつつ、栞子自身の謎や問題が解かれていく。見事としか言いようがない。
     今後が楽しみ。

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著者プロフィール

『ビブリア古書堂の事件手帖』シリーズが累計700万部を超えるベストセラーとなる。同シリーズで、文庫作品初の『本屋大賞』候補、『本の雑誌』が選ぶ「この40年の書籍 第1位」に選ばれるなど、幅広い層からの支持を集める。

「2022年 『ビブリア古書堂の事件手帖III ~扉子と虚ろな夢~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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