ビューリフォー!: 准教授久藤凪の芸術と事件 (メディアワークス文庫 な 4-1)
- アスキー・メディアワークス (2012年7月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048868044
感想・レビュー・書評
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つっぱしり系ヒロインだなぁ。素直ないいこ。久藤先生は外面いい系イケメン
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西洋美術史が専門の准教授と雑用バイトをさせられている大学生の連作短編。帯にはアート・ミステリとあるが、ミステリというのはおおげさ。キーとなる絵画がちゃんと扉にでているのでわかりやすい。キャラ付けとはいえアカハラ・パワハラが過ぎるのが気になった。
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絵には詳しくない人にも分かりやすいように解説が入っている。
モノクロではあるものの、題材にされている絵が各章の扉絵として載っている為イメージしやすい。
人前では良い顔する准教授、語り手少女の前では口が悪い。
設定が少しわざとらしいく感じた。 -
学生から大人気のハンサム准教授の助手になったけれど
その実仕事内容は『奴隷』状態。
そんな理不尽やもしれない状況下。
しかし無意識ながらも相手を事件に巻き込むという
ある意味仕返しとも思える行動を…している?
毒舌の近くには、ピュアといえば聞こえはいいが
単純なお嬢さんがいらっしゃるのはお約束でしょうか?
逆は…見た事ないです。
そんな関係の彼らは、4つの短編の中で
美術に関した事件(?)を解決。
すべてをよい方向にみるのもいいですが
なぜここまで疑わないのか…どういう育ちをしたのか
すごく気になります。
が、それよりもF判定をもらったレポート内容を見てみたい。
熱のこもった、しかし口ぶりでは感想文としか思えないレポート。
むしろ、Fってどれくらい頑張れば貰えるものなのでしょうか? -
大学生と美術を絡めたミステリ。悪辣クレバー准教授と貧乏で単純(まっすぐ)な女子大生がメインとなって謎解きをするお話でした。内容としては、ミステリを魅せたいというよりは美術と絡んだストーリーを魅せたいって印象でしたかね。美術について明るくない身としては楽しんで読めました。ひとつだけいうなら、ジャンルがミステリだからかもしれないですけど、主人公に感情移入できなかったのが惜しかったかなと思います。
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内容がシンプルなのですんなり読み終えた。
ただ私的には久藤准教授のキャラがもっとキツい方が良かったな〜、
奴隷と言いつつやらせてる事はパシリだからもっと事件に巻き込まさせたり面倒くさい感じがもっと出ていたら面白いかなと。
あと主人公の性格があまり好きになれなかった…
人の事に顔突っ込みまくってる感じがねぇー
でも絵画についてちゃんと描かれていて、勉強になるし
絵画になぞられて書かれたエピソードは関連付けされていて良かった。 -
“「美しい……」
久藤先生はため息に交じって、恋人に囁くような艶めいた呟きを洩らす。
「せ、先生、いらしたんですか……?」
恐る恐る発したわたしの問いかけに、ああ、と答えながらも、先生の目は酔ったように陶然としたまま、モニターに釘付けになっている。もしかして、わたしの存在を認識していないのかもしれない。
「『グランド・オダリスク』。かの『モナ・リザ』とともにルーブルの二人の美女とも謳われる、十九世紀の画家、ドミニク・アングルによる傑作だ。『モナ・リザ』が精神の美を描いたとするならこちらは血の通う肉体、生きることそのものへの讃歌。女性しか持ちえない美しさ、裸体の美を突き詰め切った美!どうだ、このまろやかな曲線!思わず手を伸ばして触れたくなってしまうほどの質感!」
そうして先生は再び、
「……ビューリフォー」
と呟く。どうやら「ビューティフル」と言っているらしいけれど、発音がいいので、わたしの耳には「ビューリフォー」としか聞こえない。”[P.44_忘れられた少年]
「第一話 忘れられた少年」
「第二話 とんだいいひと」
「第三話 恋の処方箋」
「第四話 家族の肖像」
toi8さんの絵に惹かれつ。
なかなか良かった。スムーズに読める。
三話が好き。
先生が花をパシリに選んだ理由、とかあったりするかもと思ったんだけど特になさそう。
続編出るかな。出たら先生が花と父の間を取り持つ立場になりそうな気がしないでも。
“苛立った口調で言って、先生はばりばりと頭を掻いた。
「何だというのだ、お前は!この間から、掃除はせんわ、しょっちゅう留守にするわ、頼んだ用事は忘れるわ……」
そこまで言うと先生は絶句して、
「おう」
オットセイのような妙な声を上げた。
「なんですか?」
先生の突拍子もない言動にはいい加減慣れっこになっていたから、大した興味もなく訊いたのだけど、先生はまじまじとわたしを見つめたままだ。中身がどれほど性悪かはよく知っていたけれど、でもやっぱり驚くほどの男前に顔を寄せられて、わたしはちょっとどぎまぎしながらそっぽを向いた。
「なんなんですか、一体」
「お前、気付いてないのか」
「だから、なんなんですか」
「泣いてるぞ」
「えっ!?」
あわてて手の平で頬に手を当てる。乾いた感触。
なんだ、またひっかけられたのか、と思った途端、指に生温かい、液体が触れた。
やっぱり泣いてる、と自覚したとたん、さらに涙が出てきた。
ほれ、と先生が、目の前で女の子が泣いているにもかかわらず、一分の動揺も見せずにティッシュの箱を突き出す。
「……すみません」
「しかしあれだな、この間のやつは派手に泣きわめいていたが、お前は陰気に泣くな」
そしてぐずぐず鼻を鳴らすわたしに、デリカシーのないことを言った。”[P.189_恋の処方箋] -
うーん。題材は好きですが、オシイ感じがします。
もっと絵に絡めてお話が進めばいいのに。
絵のウンチクとか、もっとあればいいのに。
そして、久藤先生は、花が好きなのか??!