たったひとつの、ねがい。 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.27
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本棚登録 : 1051
感想 : 92
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048911269

作品紹介・あらすじ

彼女と知り合ったのは学生時代だった。互いに心を通わせてる、そのことすらも確認しなくても分かる日々。そして今日、俺は思い切って結婚を彼女に持ち出してみた。下手に出て、お伺いしてみる。恐る恐る顔を上げて反応を確かめると、非常に希少なものが拝めた。彼女がにたにたと、ともすれば意地悪く見えるほどにやついている。つまり、良いよ、ということ?やったぁ…と、思ったその瞬間。あんな、あんなことが起こるなんて。それから、俺のもう一つの人生は始まった。

感想・レビュー・書評

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  • 何の予備知識もなく読み始めたら…この展開には度肝を抜かれた。

    表紙から連想される導入部の長閑な恋愛物語調からの突然のまさかの展開。心の準備をするまもなく物語はどこまても突き進む。

    主人公の疾走感につられてページをめくると気がついたら読み終わっていた。そんな一冊。

  • 読後感の悪さ特集、みたいなところで見かけて、入手したのだったか。珍しく、いわゆるラノベに手を出してみた。でもやっぱ、慣れんことはあんまするもんじゃない、という典型例。とりあえず最後までは読めたから☆3つにしたけど、内容的には2つレベル。ってかライトなノベルって、読み心地がサラッと軽いという意味だと思ってた。読んでみて分かったのは、①人物造詣がペラい、ライト。②世界観が軽佻浮薄な、ライト。③物語展開が雑で軽い、ライト。そういう、ネガティブな意味でのライトだったんだ、ってこと。よくもまあ、これだけご都合主義に展開させるよなっていう、出鱈目な物語構成。小説はまあ、書き手が神な訳で、何でもアリっちゃ何でもアリなんだろうけど、ここまでいくと勝手が過ぎる。自分にとってラノベがいかに不要かってことが納得できたから、その点も多少プラス評価かも(笑)。

  • 色んな意味で胸の悪くなる一冊。惹き込まれるものもあるにはあったが、最後のどんでん返しで萎えてしまった。ちゃぶ台をひっくり返せば物語の迫力が増すわけではないんだな、と実感。

  • 表紙から想像できるような恋愛小説ではなく、全てを捨てて殺戮を決意した復讐劇… だと聞いて読み始めた。

    最後まで読むとそこが本質ではないことに気づく。
    まずこの小説は、我孫子武丸の「殺戮にいたる病」を例に挙げられるような、エゲツない描写のカモフラージュに包まれたどんでん返しミステリーである。5章の最後「俺が食おうと思ってたのに」で主人公へのイメージが一変する。実はプロローグで彼女である東雲陽子を車椅子の男たちに食べられていた「拓也」は、1〜5章のタクヤとは別人だった。
    さすがに拓也さん、あんな目にあったとはいえ人格変わりすぎでは、と思っていたが人どころか時代まで違っていたのである。
    ネタバレを知った上で読み直すと、この車椅子のタクヤの行動は常軌を逸している。帯の「この物語に同情の余地などない」などという表現ではタクヤには生ぬるく、この世に存在する悪を全て集めたような外道っぷりである。

    食い物の恨みは恐ろしい、その言葉の重みを何倍にも感じられるような作品だった。

  • やられた。もう、意味わからんくらい異常。でも、確かめるようにまた最初の方を読み始めると、ちゃんとちりばめられていた。うまいことに。

  •  学生の頃に親しい友人が入間人間さんの作品を読んでると知り、自分も興味をもって一冊読んでみるかと手に取ったのが「たったひとつの、ねがい。」でした。当時は表紙を見てほのぼのしたラブストーリーかなと思ったのですが、内容は復讐ものだったので驚きました。
     この本の一番お気に入りは驚かされるところです。p28
    の二行目でいきなり『彼女が頷殴られた。』から始まったときはそれまでの和やかさが嘘のようでした。頷くところでいきなり差し込まれる殴られたというのをやっと理解してからの展開もなかなか衝撃でした。久しぶりに読んでもやばいです。
     ページ数が250ページほどなので復讐のテンポが良いです。全体的に陰鬱とした感じというよりはネジが何本か抜けてるような狂気が乱舞してるのが自分の好みには合ってました。オチも綺麗で個人的にとても好きな作品です。

  • 表紙に騙された。
    内容は復讐である。しかもおまけ付きのである。
    少しグロも入っており、実は、実はである。
    なかなか面白かった。


    内容(「BOOK」データベースより)
    彼女と知り合ったのは学生時代だった。互いに心を通わせてる、そのことすらも確認しなくても分かる日々。そして今日、俺は思い切って結婚を彼女に持ち出してみた。下手に出て、お伺いしてみる。恐る恐る顔を上げて反応を確かめると、非常に希少なものが拝めた。彼女がにたにたと、ともすれば意地悪く見えるほどにやついている。つまり、良いよ、ということ?やったぁ…と、思ったその瞬間。あんな、あんなことが起こるなんて。それから、俺のもう一つの人生は始まった。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    入間/人間
    1986年生まれ。2007年6月作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 文句は言わせない。

    文章自体はキライではないが内容が気持悪い。

    無論こういうのが好きな人もいるのだろうが、自分はどうも合わない。

    他人には絶対にお勧めしないだろう。

    何より腹が立つのは、あとがきのオチャラケタ一文。

    編集部と作者、双方に金返せと本気で言いたい。

  • 好きな物は最初に食べるか、後から食べるか。
    着々と復讐を終えて行った彼だが、一切警察に追われる事はなかったのだろうか。
    事件を経験して狂ってしまったのかと思いきや、本音を聞いた時はゾッとした。

  • 後味の悪いカニバリズム、というのを知って。
    ラストは予想外で、なるほど!と。
    ところどころあったひっかかりはそういうことか!と。

    ただ思ったよりも後味の悪さはなかったなぁ。
    もっと胸糞でもっと痛々しくてもっとどんよりするのかなぁと、ちょっと期待しすぎてしまったかもしれない。そこまでグロくもなかったし。そこを期待しただけに…

    (なので評価が難しい…★4かな、3かな…うーん。

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著者プロフィール

電撃文庫『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』『電波女と青春男』シリーズなどを執筆

「2023年 『安達としまむら(5)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

入間人間の作品

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