演じられたタイムトラベル (メディアワークス文庫 と 1-6)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
3.27
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  • (9)
  • (3)
本棚登録 : 237
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048912075

作品紹介・あらすじ

大学生の朝倉僚は、目を覚ますと知らない場所に閉じ込められていた。ずきずきと痛む頭、はっきりとしない直前の記憶、首に巻かれた無骨なワイヤー。そして、その場所には"ある共通点"を持つ人間たちが集められていた。かつて制作の頓挫したゲームアプリ"SOD"-その開発者たちが一堂に集められ、ゲームのプレイヤーを"演じる"ことを命じられる。矛盾を起こせば死-記憶だけを頼りに"抜け落ちた時間のイベントを補完する"、決死の舞台が幕を開ける。

感想・レビュー・書評

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  • 何者かによって強制的に閉鎖空間へと拉致された人々。
    オープニングはミステリーやホラー小説でもよくある状況設定だ。
    何故自分たちは拉致されたのか?
    何故このメンバーだったのか?
    拉致した目的は何か?
    考える間もなく朝倉たちはゲームに強制的に参加することになる。
    些細なミスも死へとつながる。
    朝倉は理不尽なゲームをこなしながらも、主催した人間の意図を考え続ける。
    ゲームそのものはルールにのっとりフェアに進行されるのでは?と結論づけた朝倉が最後に下したあるひとつの判断。
    それは、例えていうなら予期せぬ事故に遭遇した人間が選ぶ緊急避難ともいえるものだったのだろう。

    ゲームの構成、設定、基本的なルールはよく考えられている。
    攻略の鍵となるある事実を見つけ出すために、そのあたりは手を抜くことなく構築する必要があったのだろう。
    ゲームが佳境を迎える後半部分。
    平面上で行なわれているゲームにも関わらず、階層型のゲームとして認識しなければならないため、とてもわかりにくかった。
    その点だけが少し残念だった。

  • 本著者の「殺戮ゲームの館」「生贄のジレンマ」に続くシリーズ3作目。
    シリーズと言っても各作品の独立性は高く、共通しているのは、
    このデスゲームの胴元と思しき存在の影のみ。

    今作のポイントは、デスゲーム企画者(胴元ではない)と、
    デスゲームに巻き込まれたメンバーに共通点を持たせることで、
    デスゲームの謎解きというレイヤーに加え、何故巻き込まれたのか?という
    謎解きも加わり、物語の構成に厚みが出ているところ。

    惜しむらくは、デスゲームがかなり複雑な内容となっており、
    挿絵があっても、理解がなかなか難しいところ。
    登場人物には、一つのフロア(平面上)が各フロアを示すスペースに
    区切られ、それを立体構造として振る舞うよう求められたり、
    連続しない時間軸を演じるルールなど、かなりの想像力が求められる。
    全部読み解くと凝った作りに感心させられるが、難易度は高めか。

    最後は各人が凶器を持たされる、文字通りのデスゲームになるので、
    緊迫感はなかなかの内容です。

  • 2014/06/30
    復路

  • 自分を犠牲にしてでも
    他人の事を優先する
    ことを、強要する。

    土橋さんの書く本
    よくワンパターンにならないなって
    思う。

    面白いしね。

    リアルだから、自分だったら…
    って、考えちゃう…

  • 【あいつむぎ2013年10月陳列】2013.10.22 推薦者:ジュジュ(http://ayatsumugi.blog52.fc2.com/blog-entry-334.html

  • タイムリープを重ねながらのゲームは、脱出方法がより複雑になったようで凄く楽しめました。
    極限状態に陥ったプレイヤーたちの責任の押し付け合いや、助かるために他人を蹴落とそうとする姿勢などで、さらに臨場感がアップです。
    感染者が心身共に人間離れしていて怖かった。

  • 密室、死の恐怖、人間関係崩壊
    過去の作品同様にやってる本質は同じ
    ただ、架空のゾンビゲームを想像力で補ってするという演出なので、ゲームの条件というか説明がちょっとめんどくさい

    殺戮館で人狼をモチーフにしたように、シンプルなルールならいいんだろうけど、今回は地図やら時間軸やらエレベータやらも入り混じっているので理解するのがなかなか難しい

    あと、今までは「なんでこんな舞台が設定されたのか?」という疑問がぶん投げっぱなしで終わってたけど、今回はその説明とかエピローグをちょっと頑張ってたのは評価できる
    ただ、かえってチープな印象を受けてしまった感もある
    裏の組織の存在が明らかになる日がいつかくるんですかね?

  • 主人公の朝倉は目覚めると知らない場所に閉じ込められていて、首にはワイヤーが巻かれていた。
    この世界は自分らが制作したゲームの世界で、矛盾を起こせば死につながる。

    土橋さんの好きな脱出ゲームもので、自分は「殺戮ゲームの館」と「楽園島からの脱出」に続く3作目。
    もともと土橋さんの文章は癖があって、若干くどいが、世界設定がシンプルなので読んでいて苦にならなかったけど、今回はちょっとダメだった。
    閉じ込められるという非現実的な出来事にゾンビやらタイムトラベルやらというさらに非現実的な空間にいれたのでゴチャゴチャ。
    脱出の条件もちょっとわからなくて途中で時間が空くと前でどうだったかと忘れてしまう。

  • ちと読んでてきつかった。
    自分には合わなかっただけだと思うけど。

  • タイトルが気になって手に取ったけど、特筆すべきことはないです。

    • kumabettiさん
      一つ言えるとすれば、この作者の作品は、もう二度と読むことはないと思います。あしからず。
      一つ言えるとすれば、この作者の作品は、もう二度と読むことはないと思います。あしからず。
      2013/03/21
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著者プロフィール

土橋 真二郎:第13回電撃ゲーム小説大賞〈金賞〉を『扉の外』にて受賞。極限状態のキャラクターの心理描写がある。著作に『OP-TICKET GAME』『コロシアム』(共に電撃文庫)ほか多数。『生贄のジレンマ』(メディアワークス文庫)は金子修介監督にて実写映画化。

「2022年 『魔法少女ダービーII』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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