路地裏のあやかしたち 綾櫛横丁加納表具店 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 945
感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048913775

感想・レビュー・書評

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  • 最近マイブームのあやかし関係ですが初読みの作家さん。優しい物語でした☆今作は自己紹介的な感じですかね。妖怪とはいっても、人間界に紛れて暮らしてるということで、鬼太郎に出てくる妖怪みたいに悪さをしたりはしなくて無害。文章も優しい語り口でとても好感が持てました。続編もあるので読んでみたいです。

  • 環さんの言葉遣いが落ち着いた鮮やかさで良かった。着物の描写も楽しかった。ハンバーガーが食べたくなった。

  • 表具師という仕事は初めて知った。もっとその仕事のことも知りたいと思った。主人公洸之介くんの章も心温まる素敵なものだったけれど、環さん、樹さんたち愛すべきあやかしたちそれぞれが主役となるそれぞれの章もちょっとほろ苦くて心温まる感じで素敵でした。最終章で、もうあやかし達と洸之介くんが別れ別れになっちゃうか・・・とドキドキ心配したけれど、また出会えてほっとしました。2も楽しみ♪

  • 夜な夜なの怪奇現象に悩まされ、友人が言った都市伝説が
    解決してくれるかも、で出かけた主人公。

    路地を抜けると、そこにはあやかしの家がありました状態。
    連続短編で、かわるがわる話の軸に。
    一番情けなさそうなのは、狸、かと。
    それほど周囲にばれているのに、何故選ぶ職業がそれ…。
    もう転職(?)した方がいいと思われます。

    しかし表具って奥深いです。
    自分が使っていないもの、見知らぬもの、は知識がないので
    これほどまでに選択肢があるとは思いませんでした。
    それこそ星の数ほどの組み合わせ。
    同じものは二つと出来なくなります。

  • 表具店を営む美しい狐の妖怪・環に父親の絵を介して弟子入りした洸之助とその仲間の妖怪達との人情味深い日常を描いた小説。表具の奥深い作業が分かりやすく描かれている。

  • 「人間の話」
    自由に生きてきた彼が最後に描いた絵に込めた想いは。
    描かれている物が分かれば直ぐにその想いに気付けるであろうが、意味もなく眺めているだけでは絵に込められた想いには気付けないだろう。

    「天狗の話」
    肝試しの途中で消えた子供達が握っていた桜の正体は。
    どんな画家であろうと見てもらうために描いたのだから、無名だからという理由で他の作品と扱いを変えるのはあまり感心できないな。

    「狸の話」
    夜な夜な何処からか聞こえる悲しげな鳴き声の主は。
    当たり前のことだが元々対で作られた作品は意図があり二つに分けられているのだから、作者以外の人間が勝手に引き裂くのはやはり良くないのだな。

    「猫又の話」
    ある日を境に突然増えた女性客の間に広がる噂とは。
    直接伝える事が出来ない想いだからこそ隠れた場所に記したのだろうが、何処かで伝わればと思う想いもあったからこそ溢れ出したのかもしれないな。

    「狐の話」
    彼女が今の名を名乗り始めて裏仕事をした際の失敗とは。
    自分の姿形を写し取り尚且つ大切であった人達のそばに代わりにいるというだけで、とてつもない嫉妬心をあの絵の中で彼女は抱えていただろうな。

  • 設定と雰囲気は良いが、ストーリー性が薄い。
    サクサク読めて、記憶に残らないかんじ。
    次回作に期待。

  • 短編連作。
    ありがちといえばありがちなんだけど、とある高校生が路地裏にあるあやかしの店に迷い込んでしまい、不思議な事件にかかわっていくって話。

  • 人間に化けたあやかしが集まる綾櫛横丁加納表具店。店主の女表具師・環の裏の仕事は、曰くつきの絵を表装してあげることで怪異を鎮めること。

    まず表具師という仕事どころか、掛け軸の知識さえもほとんどなかったので、蘊蓄話が興味深く読めた。ストーリー自体はさほど展開の激しいものではなかったけれど、切なくなったり、ほっこりしたり、落ち着いた雰囲気の中で楽しく読むことが出来た。残念なイケメンこと化け狸さんのお話が一番好きかな。
    三部作のようなので、続きが楽しみ。

  • 掛け軸の表装を行う、表具店を舞台にした話。短編集の体裁で、この1冊に5話が収録されてます。
    文庫本の裏の紹介文には「人間と妖怪が織りなす、ほろ苦くも微笑ましい、どこか懐かしい不思議な物語」とあるので、これだけで慣れた客層の方にはどんな内容だか見当がつくのではないかと(笑

    文章は、落ち着いた、静かな路地裏の空気のように粛々と進んでいく感じ。大どんでん返しとかはないけど、落ち着いて、安心して読める本でした。
    それぞれのキャラクターも、驚きはそこまでないけど、納得感があってしっくり来る感じ。特定の1人がというよりも、全体のバランスが取れてる印象です。
    何となく、雨の日とかに家でゆっくりお茶でも啜りながら読んだら素敵かもしれないと思った本でした。

    ちなみに、掛け軸を作る際の表装の手順に「裏打ち」ってのがあるというのは本書で初めて知りました。

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著者プロフィール

第19回電撃小説大賞〈メディアワークス文庫賞〉を受賞し、『路地裏のあやかしたち 綾櫛横丁加納表具店』でデビュー。

「2021年 『午後十一時のごちそう ~三ツ星ゲストハウスの夜食~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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