紳堂助教授の帝都怪異考 (メディアワークス文庫 す 2-3)

  • アスキー・メディアワークス
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感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048914024

作品紹介・あらすじ

時は大正。伝統とモダンが共存する帝都東京。その街を闊歩する青年が一人。若くして帝国大の助教授の肩書を持つ美青年は、博学多才にして超自然的なことにも通じているとか。警察の手に余る事件が彼のもとに持ち込まれることもあるという。そして、彼の傍らにいるのは助手の美少年。その賢さとまっすぐな心を青年はこよなく愛し、常にそばにおいている。これは帝都の巷で起こる不可思議な事件を、助手の少年が記録したものである。

感想・レビュー・書評

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  • 帝都怪異考とあるので、妖怪やら不可思議な事象についての物語だと思って読んでみたのですが、これは一体、どういうジャンルの話だったんでしょう…?
    多少は出てきましたよ、不思議なモノは。ただ、本当に少しだけです。全編通して紳堂麗児と助手のアキヲとのいびつな関係性しか書かれてなかったと思うのですが。

    別に主役が不誠で不実で不健全でも全然構いません。女と女の間を渡り歩いているような男で、その女性達も何やら寂しさを抱えている人たちで、互いに都合よく利用している人間関係でもいいです。その実、主役は心に思う人がいるなんてのはよくある設定ですし、それが随分と年下の少女でロリコンだったとしても、まぁいいです。けどその少女に少年の格好をさせて自分の身の回りのことをさせ、自分の言葉で一喜一憂するのを見たくてわざと思わせぶりな言動を繰り返して少女の反応をニヤニヤしながら見つつ、少女の肉体についても想像しているような男は最低なド変態でしかない。
    どう見ても、紳堂麗児はいい男ではない。

    そしてその対象のアキヲもまた…うっとうしい。自分は先生に対して恋愛感情はない、みたいに何度も言い訳しているが、やっていることは痛い中学生そのもの。紳堂麗児が渡り歩いている女性たちのことを「寂しい人たちだから」と理解しているような上から目線で、でも結局自分が一番先生をわかってるんだから隣にいてもいい、みたいな勘違いも甚だしい思考回路。
    最初に登場したときは、聡明な少年然として描かれていたけど、とんでもない。最後の話とか、どう考えてもひどい。友達もいないような人との接触がない少女と少年の姿で何度も会えばどうなるかぐらい、普通わかるだろ。自意識過剰でないにしても、そうなるかも、ぐらいの予想がつくだろうに。女友達ができた、って自分のことばかり。年齢を考えればそれも不思議ではない。でもそうなら、アキヲを聡明な人物にするのは間違いだと思う。

    怪異については、そこそこ説明があるものと、まったく説明のないものがある。どちらにしても、紳堂麗児が一人無双状態でねじ伏せる感じで面白みはない。

    二冊同時に買ってしまったのだけれど、次の巻…読めるかな…。

    • Bücherwürmchenさん
      変態攻めを求める方にはめっちゃ良いのでは?需要ですよ、需要。
      変態攻めを求める方にはめっちゃ良いのでは?需要ですよ、需要。
      2023/07/05
  • 若くし帝都大の助教授の肩書きを持つ美青年、紳堂麗児。彼は超自然科学なことにも明るいことから、警察から未解決事件の依頼を引き受ける。この物語は、彼の活躍を、助手である少年アキヲが手記したものである──。
    大正時代を舞台としたミステリーかと思いきや、魔人や妖精が絡むファンタジー\(^o^)/京極堂みたいに人間の仕業になるのかと思い込んでた。気になったのは、随所で現代と比較し状況の説明するところ。物語に入り込みづらい。アキヲの正体があっさり判明することにも驚いた。4つの事件のうち最後の「沙世」のオチがお気に入り。
    佐々木丸美さんのデビュー作『雪の断章』に登場する滝杷祐也さんと近端史郎さんを足して割る2の青年が出る、とTwitterで聞いたのが読むきっかけでした。正直その二人と比較するほどでもない、ただイケメンで何でも出来るだけの青年で非常に残念です。『雪の断章』への思い入れが強すぎるので、そう感じるのかもしれませんが。事件数を減らして一人ひとり深みのある心理描写を描いてくれたら、印象が変わったかもしれない。続編が3巻まで出ているので、アキヲや麗児をより掘り下げて描いていることを祈る。

  • 大正時代の東京を舞台に、帝国大学の若き助教授・紳堂と助手のアキヲが、不可思議な事件を解決するファンタジーのような、オカルトのようなお話。

    煙の魔人エフリィトに掛け軸から飛び出す鬼、英国の妖精ブラウニー、自我や感情を備え生き続ける生人形。洋の東西を問わず、不可思議な、人ならざるものが普通に存在する設定。個人的にはブラウニーのトボけた感じが好き。
    この手の作品の常として、メインキャラは美青年&美少年(実は美少女だけど)。紳堂とアキヲが互いに抱く恋のようなほのかな感情の行方が気になる。

  • 大正時代に不可思議な事件を解決する帝都大紳堂助教授とアシスタントのアキヲの話。最初はランプの妖精が出てきたりとファンタジー色が強い感じがしたのでどうかなぁって思ったのですが、本質は事件を通したアキヲの成長物語です。
    事件自体は現実味が無いのですが、紳堂が自覚しているアキヲへのほのかな思いと、アキヲの自覚のない恋心が気になって読み進めました。
    機会があればまた読むかな。

  • アキヲくんの姿格好から、脳内では堀北ちゃんの声でずっと再生されていたw(レイトン的意味で)
    思いのほかおもろかった。

  • あらすじにミスリーディングあり。美青年と美少年のコンビを求めている方にはおすすめしません。
    ミステリーとオカルト(怪異)が融合したもの。メディアワークスなので、内容は薄めです。

  • 借り物
    普通のミステリーかと思ったらファンタジーなんかーい!
    ラノベって知ってて読んでいたら面白かったのかも

  •  好きな子にはイジワルしたくなる探偵と、振り回されながらも信頼とほのかな想い(本人無自覚)を寄せる一途な男装助手、しかも探偵・紳堂の助手・アキヲ(秋緒)を可愛がる様子ときたら、まるで若紫を自分ごのみに育てた光源氏さながらです。
     これはもう怪異そっちのけで、甘々ロマンス小説ではないのか!?だってなんか変態…もとい、妙に色っぽいデスヨ。
     

  • ジャケ買いならぬタイトル買い的な感じで、借りてみた。
    物語の始まりが助手のアキヲの手記という形だったので、江戸川乱歩的というか、横溝正史的というか探偵ものだとばかり思っていたら、まさかの薬師寺涼子系の話だった。
    人ならぬモノとの戦いというか、なんというか。

    テンポがいいので読みやすいんだけど、もう少し振りがほしいところ。
    ライトノベルだから~という事で考えれば及第点。
    とはいえ、キャラが魅力的になりそうなので、続巻も読んでみたい。

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著者プロフィール

第18回電撃小説大賞《メディアワークス文庫賞》を受賞。ユーモアと夢が溢れるファンタスティックなストーリーで注目を集める。ペンネームとは違い、生粋の日本人。

「2018年 『蒼穹の騎兵グリムロックス ~昨日の敵は今日も敵~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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