ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)

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著者 : 三上延
  • アスキー・メディアワークス (2013年2月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048914277

ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ベストセラーのビブリア古書堂も4冊目。
    短編連作だったこれまでと違い、一作でまとまった長編になっています。

    というのも前もって知っていたし、ドラマの最終回で、事件のあらましは先に見てしまったんですが。
    江戸川乱歩がテーマというのはやはり楽しいですね。
    作品を紹介しながら、謎解きが展開。
    少年探偵団の一作目「怪人二十面相」が昭和11年に書かれたとは!
    (二・二六事件の年だそう)
    大輔ならずとも、そこまで古いとは驚きます。
    その後、手直しもしつつ発行されていたので、子供が読んでも違和感がさほどない内容になっていたよう。

    江戸川乱歩のコレクションをもつ姉妹から、依頼が来ます。
    慶子という姉のほうが鹿山明という邸宅の持ち主の愛人だったらしいが、当主が遺した金庫が開けられないという。
    そこには大事な品が入っているという遺言だったのだ。
    それはもしかしたら、乱歩の直筆原稿?!

    鹿山明の家族は鎌倉に愛人がいて別邸があったことを知らなかったようで、連絡しても相手にされないという。
    そちらに出向いた栞子は、鹿山氏の生活にあった隠された意味を見つけ出します。
    鹿山明と慶子は、栞子の母・智恵子と取引があったのだった‥

    ヒトリ書房の店主・井上も、この鹿山家と意外に深い関わりがあるとわかり、急に人間味があるように見えてきます。
    栞子の母親には、昔ひどい目にあわされたっていうことなのね^^;

    主役級の人物は俳優さんとけっこうイメージが違うので、微妙にだぶるけど~別な世界。
    10年も失踪していた母親・篠川千智恵子がいきなり登場。
    ミステリアスな雰囲気は、小説のほうが濃厚です。
    金庫を開けるのを手伝うと言い出すのだが‥

    なぜ家庭を捨てたのかはまだ謎だけど~妹の文香は素直に会いたがり、意外にあっさり受け入れる。
    栞子のほうが、本質的には母親に似ているんでしょうけど、怒りを抑えられない。

    母親はなぜ突然現れたのか?
    栞子の気持ちはどう動くか。
    そして大輔と栞子の仲は‥?
    それなりに進むので、ほんわりと嬉しい気分に。
    物語は後半へ進むようです。

  • 探偵小説が好きだ。でも猟奇的なものは苦手だ。
    だけど横溝正史は好きだ。なのに江戸川乱歩は苦手だ。

    いや、苦手というのも少し違う。
    おもわず目を覆いたくなるような描写があるにもかかわらず、覆った指の隙間から、そおっと覗き見てしまうような抗い難い魅力。

    横溝正史は好きだと言えるのに、江戸川乱歩が好きというのは何となく憚られる背徳感。
    自分の中の微妙な線引き。

    将来なりたい職業は探偵だった。
    それが無理ならスパイか泥棒だった。
    幼い頃の話だ。全く子供である。
    将来の夢は『仮面ライダー』もしくは『プリキュア』
    それと同じだ。

    ミステリマニアの方々のように、ドイルと乱歩の洗礼を受けた子供ではなかったが、学習雑誌に載っている推理クイズが大好きで、ダイイングメッセージや消える凶器にわくわくしていた。
    チェックの鳥打ち帽をかぶりパイプをくわえ、大きな虫眼鏡を片目にぎゅっと押し付け足跡をたどるイラストが、僕の探偵のイメージだった。
    浮気調査のために旦那のパンツにスポイトで試薬を垂らすのが仕事だとわかっていたら憧れたりはしなかっただろう。

    『ビブリア古書堂の事件手帖4〜栞子さんと二つの顔〜』

    今回、目次のタイトルになっている本はすべて江戸川乱歩。

    『孤島の鬼』
    『少年探偵団』
    『押絵と旅する男』

    新刊なので内容に関しては詳しく触れないが、多面性を持つ乱歩の作風の如く、稚気に富んだわくわくするような感覚とぞっとするような手触り、そしてあっと驚く展開が味わえるだろう。

    まさに新章開幕といった感じである。

    毎回思うことだが、取り扱われる古書のテーマがうまく物語にフィードバックされている。
    普通に読んでも面白いが、今回は比較的入手しやすい本ばかりなので予習をしておくともっと楽しめるだろう。
    さらっと流してしまいそうなメタファーにも気づいてほくそ笑むかも知れない。

    震災の影響が色濃く反映されているのが印象的だった。
    物語の中の時間も確実に進んでいる。そして人も成長している。

    「うつし世はゆめ よるの夢こそまこと」

    もう4巻を読んでしまった。5巻が待ち遠しい。
    なんて物語に耽溺している僕だけが、学習雑誌のあの頃から成長が止まっている。

  • ビブリア古書堂シリーズ、第4弾。

    鎌倉のお屋敷に、江戸川乱歩の膨大なコレクションがあった。
    これを譲る代わりに、金庫を開けてほしいという依頼者。
    金庫の鍵の在りかは?暗号の謎は?金庫の中身は?
    栞子さんの母親、智恵子さんも姿を現して・・・。


    江戸川乱歩というと、ポプラ社のシリーズを思い出す。
    市の図書館にずらりと並んでいた。
    私はその本棚を通り抜け、アルセーヌ・ルパンのシリーズを
    借りまくっていた。
    小学5年生の頃だったと思う。
    江戸川乱歩の本の表紙にはおどろおどろしさを感じ、手に取ることは無かった。
    それに比べてルパンの方はハンサムな青年や
    品のある紳士が表紙を飾っていて、随分洒落ていた。
    毎週、自転車で図書館に行って最初にルパンの本棚を目指し、
    まだ読んでいない本を探すのが、本当に楽しかった。
    冒険。友情。悪い奴に屈せず、弱きを助ける。決して人を傷つけない。
    とにかく、カッコイイ!
    本の中の人物に、恋心を抱いた最初の人でしたね、ルパンは。

    小学生の頃は、ひとつのものに執着して読むことが多かったように思う。
    一通り読んだら、憑き物が取れたように次のカテゴリーに移ったけれど、
    今でもルパンには愛着がある。


    そんなふうだったから、子どもの頃は名探偵になろうと決めていた。
    「探偵入門」だの、「君は名探偵」だの推理クイズを好んで読んだ。
    ああ、懐かしい。
    乱歩も読んでいたら、ビブリア4も、もっと楽しさが増したんだろうね。

    さて、本編に戻ると・・・。
    栞子さんと母親、母親と妹、文香。
    それぞれの過去から現在に至る感情の変化が読み取れる。

    「本当に、大きくなったわ・・・文香は」
    やがて、しみじみ言った。(P228)

    そう言った智恵子さんは、文香ちゃんが冷静さも備えながら、
    まっすぐ素直に育ってくれたとしみじみ感慨深かったことだろう。
    それと比べると、栞子さんの頑なさはどうだろう。
    よく似たもの同志、母親対して割り切れなさや許せない気持ちを隠せない。
    けれど本を愛するが故、惹かれてしまう気持ちもわかるから
    きっと恐ろしさも感じているのでは。

    人は良くも悪くも、最小の社会である家族の影響を大きく受けている。
    最も近いのに客観的になるのは難しい。
    栞子さん、いつか素直に認め合えるといいね。
    本当は離れていた10年も惜しいのでしょう。
    きっと最も分かり合えるはずの2人なのにね。

    ところで、サブタイトルの「~栞子さんと二つの顔~」の解釈は・・・?

  • ビブリア古書堂第4弾は長編、題材は江戸川乱歩。
    子供の頃、少年探偵団シリーズは夢中になって読んだ覚えがあります。

    不思議とその内容まではあまり思いだせないのですが。。
    その他、マガーク探偵団やズッコケシリーズ、ルパン、ホームズなど。

    で、今回は栞子さんの母親が本格的に登場、伏線が伏線を呼びます。
    初の長編でしたが、長さを感じずに一気に読了しました。

    何かを大事に思うこと、それは執着の裏返しでも、と。
    人はそれを得るためであれば、全てを投げ打つこともできるのでしょうか。

    物語も後半に入ったとのことですが、、ふたりの関係も徐々に。

  • ビブリア4冊目。
    今回は1冊の長編でした。
    この回にてお母さんの智恵子さん登場。
    栞子さんの本に対しての知識ってすごい!と
    思ってましたが、母はさらにすごいし、なかなかのやり手。

    今回は栞子と、五浦くんの恋の進展も?!
    まぁカメが歩いてるかのような、ゆっくりな進展ですが・・
    恋に関しては全く鈍感な栞子さんが何ともかわいいです。

    江戸川乱歩は、幼心に怖いイメージしかなく、未読。

  • 謎めいた依頼を受けて鎌倉の古い家に出向いて行った大輔と栞子さん。
    出迎えた車いすの女性は、今は亡き江戸川乱歩コレクターの愛人で、遺された金庫の鍵を開けてくれた者に、乱歩の膨大な蔵書全部を譲るという。
    謎に挑む栞子さんの前に、10年前に失踪した母が現れる…

    乱歩といえば、大ミステリー作家で、コナンくんの名前の由来。
    という、「知識」と呼ぶにはおこがましすぎる前提知識しかない、乱歩にどつかれそうな私ですが、乱歩の作品がモチーフになっている謎が提示される、乱歩一色の第4巻も楽しめました♪
    (もちろん、乱歩に関する知識がある程度あった方がもっと楽しめるのだと思いますが…。)
    乱歩の作品だけでなく乱歩自身についての薀蓄もいっぱいです。

    今回、ついに実物の母が登場です。
    栞子さんよりクールで薄情なイメージの母だけれど、でもこの二人似てるよね…!
    二人で乱歩に関する会話をしているときなんて、(栞子さんには不本意ながら?)活き活きしているのが伝わってきて。
    栞子さんの母への嫌悪感は、子供を捨てて家を出た母への憎しみもあるだろうけれど、同族嫌悪も含まれているのだろうなぁ。

    恋愛も動きだしました。
    「乱歩<五浦+母への抵抗感」という微妙なパワーバランスを見せた栞子さんだけれど、栞子さんの五浦への気持ちはどれほどなのかなぁ。
    今はまだ、「乱歩>五浦」なんじゃないかな、と思ったりも(←酷?笑)

  • 海老茶色の布地の背表紙「鉄仮面」が初めての江戸川乱歩。
    母が誰からかもらったもので、なんと途中頁が抜けていた。一番緊迫したシーンで。
    それでも手放せず今も実家に眠っている。というのを思い出して読みたくなった。(読んでみたくて検索したらヒットしない。タイトル違うのかも)
    大好きな「少年探偵団」のシリーズが盛りだくさんの今回。自然とにやけて手にとりたい欲望に駆られる。
    黄金仮面のマスク、BDバッジ、秘密の隠し場所、暗号。
    くうう。

    グイグイと話が前進してきた。
    あの母が現れて、大輔と栞子の間も近づく。
    ヒトリ書房の主人や志田さんの過去も描かれた。
    いよいよ終盤かな。

    実家で見てみたら「地獄の仮面」だった。

  •  1巻から3巻は、一話完結形式で書かれていて、それはそれで楽しめたのですが、4巻は長編。しかも、1巻から3巻が、この巻の伏線になっていて、長編なので構成も凝っていて、それはそれは楽しめました。


     鹿山渉が栞子さんに言い寄ろうとした際に、栞子さんが彼に言い放ったセリフがよかったです。
     
     「私とデートした場合、昔の本のそれぞれの作品の読みどころ、執筆・刊行された時代状況、装丁や挿絵の特徴、現在の古書価について、いくらでも、10時間くらい話し続けるけどいいですか」
     わあ。かっこいい。栞子さんだから言えるセリフです。
     そして、古書について、何の知識もありませんが、その話を聞きたいと思っている私がいます。


     これでビブリアシリーズは折り返し。まだまだ栞子さんと大輔くんに寄り添えるなんて、嬉しい。
     続きが楽しみでたまりません。

  • いつもの短編ではなく、江戸川乱歩の薀蓄が詰まった、
    シリーズ初になるのかな?長編作品。

    乱歩作品は一つも読んだことがないけれど、
    流石に名前を知ってる本もちらほら。
    これをきっかけに読む人も多いのだろうなと思う。

    栞子さんのお母さんもなかなかのインパクトを持って登場し、
    また一つ謎を残していく。

    少しずつ縮まっていた2人の距離にもまた変化があり、
    そろそろ終わりなのかと思いきや、まだこれから後半だとか。

    引き続き追いかけたいと思います。

  • 今回は、江戸川乱歩の特集のようだ。全編を通して、乱歩作品がところどころに登場してくる。そして、乱歩作品の謎が、本編の謎となる。「うつしよ」の乱歩のあの言葉は、まさに物語にしたような構成であり、登場人物の配置がよくできている。
    母、智恵子が現れる。江戸川乱歩の蔵書についての謎と、売りたいという依頼。智恵子の過去とヒトリ堂との関係、それ以前の子ども時代、そして恩人である父と、娘との(本を解した)結び付きが明らかとなっていく。乱歩作品のトリックを巧妙に使いながら話は進んでいくが、人間の持っている心理については表現していない。現世の欲望を示しつつも、心が現れないところが、物足りなくも、面白いところ。やはり、原作を越えられないのだろうか?

    それにしてもこの作品をなぜ選んだのか?

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ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)の作品紹介

珍しい古書に関係する、特別な相談-謎めいた依頼に、ビブリア古書堂の二人は鎌倉の雪ノ下へ向かう。その家には驚くべきものが待っていた。稀代の探偵、推理小説作家江戸川乱歩の膨大なコレクション。それを譲る代わりに、ある人物が残した精巧な金庫を開けてほしいと持ち主は言う。金庫の謎には乱歩作品を取り巻く人々の数奇な人生が絡んでいた。そして、深まる謎はあの人物までも引き寄せる。美しき女店主とその母、謎解きは二人の知恵比べの様相を呈してくるのだが-。

ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~ (メディアワークス文庫)のKindle版

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