ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (3) (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048915335

作品紹介・あらすじ

大アラファトラ山脈でアルデラ神軍の大軍と向かい合う、疲労困憊の帝国軍。勝ち目の見えない状況で、イクタは起死回生の奇抜な作戦を決行する!そしてかたや、帝国軍を攻めるアルデラ神軍の中に、ひときわ目を引く一人の軍人がいた。彼こそ、『不眠の輝将』と讃えられる英才。強敵としてイクタの前に立ちはだかる男であった-。不世出の二人が激突し、大森林を舞台に、息詰まる戦いが繰り広げられる。果たして、その結末は…!?話題の本格派ファンタジー戦記、ますます盛り上がる第3巻の登場。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったー!
    相変わらずラノベにして硬派な作品。今回もドキドキハラハラが止まりませんでした。

    シナーク族と和解したものの、一息つく間もなくアルデラ神軍と相対する羽目になったイクタたち。
    味方の撤退を支援するため、時間稼ぎを行うことになります。
    ・・・まさかこれに1冊費やすとは。
    今後の展開を含めても、この撤退戦はそれほど重要な局面ではないはず。
    それだけこの戦いを書きたかったんだろうな。

    敵の将軍は“不眠の輝将”ジャン。
    彼の登場により、どちらかというとイクタの独壇場だった戦争が頭脳戦の様子を呈してくる。
    お互いの裏の書き合いや相手の出方を見てこちらの手を変える・・・といった戦術のぶつかり合いは読んでいて楽しいね。
    やはりイクタ視点で読んでいたから、ジャン軍の砲撃、そこから突撃してきたときの絶望感は半端なかった。
    そしてこの後どうなるのかとわくわくしてただけに、ラストのイクタの策は少し残念。
    本人も認めているけれど、策ともいえない運任せの八つ当たりのようなものだよなー。
    結果的にそれで戦局が覆ったわけだし、戦争においてはなによりその結果が大事なわけだけど・・・
    戦術的にはジャンが、戦略的にはイクタが勝ったといったところか。

    軍対軍の戦争以外にも、序盤でイクタがナナクに対してそこまでするのかというほどの覚悟を見せたり、ヤトリとの深い絆が垣間見えたり、ヤトリの個人戦などなど見所たくさん。
    なかでも個人的なお気に入りがマシューとサザルーフ大尉。
    マシューは天災の中に混じった凡人で、一番読み手に近い存在。
    それだけにマシューが感じる事にはとても共感しやすい。
    そりゃ普通は戦争行ったらああなるって。すでに覚悟ができてるイクタやヤトリの方がおかしいんだって。
    しかし、そんな極限状態の中でも振り落とされることなく必死にイクタたちについていこうとする様子は立派。
    素直に応援したくなる。
    サザルーフ大尉は、イクタたちより少し上の立場から彼らを見守り導く頼れる兄貴的存在。
    戦記物においてこういうキャラって意外と珍しいね。
    自分のできることできないことをしっかり把握しており、階級が下であるイクタに頼ることを厭わない素敵な上官です。
    こんな上官ばかりだったら無駄な戦争が起こることもないんだろうけどな・・・


    今回はジャンの顔見せとイクタとの戦いがメインでストーリーはほとんど動かず。
    その分次回から動きが激しくなるのかな?
    出たら優先的に読もう。

  • (Ⅰ)主人公やからイクタたちは大丈夫と思ってはいてもギリギリの状況による緊張感は感じる。
    (Ⅱ)ライバル登場、「不眠(ねむらず)の輝将」と呼ばれる華麗なジャン・アルキネクス。
    (Ⅲ)イクタにとっては撤退戦。二人のなしたいこと、なすべきこと、なせること、避けたいことがまだ出会わぬままにぶつかり合う。

    ■簡単なメモ

    /疲弊した北域鎮台軍に圧倒的戦力差を持つアルデラ神軍が迫る。
    /予想はしていたがイクタと、ナナクは幼馴染だった。
    /ナナクの協力を取りつけるために小指を切り落とすイクタ。
    /なるべく多くの兵を撤退させるため殿の隊として大森林に山火事を起こす火線防御作戦。イクタたちは切り抜けられるか?
    /いずれ登場すると思われた、イクタに匹敵するライバルキャラ登場。「不眠(ねむらず)の輝将」ジャン・アルキネクス。まずは、ジャンが圧倒的有利な状況での邂逅。
    /イクタの基本スタンスはなるべく戦争を起こさないことだと思われるが、ジャンの基本スタンスは敵味方の被害がなるべく小さいうちに戦争を終わらせるために戦争をするいう感じか。
    /イクタとヤトリ「僕を殺せと命じられた時、決して拒めないとしたら、君はどうやってそれを遂げる?」「その時はまず、全身全霊をもってヤトリシノを殺すわ(中略)全てが済んだ後、ただひとつ残ったイグセムが、あんたを殺すでしょう」(中略)「……なら、二刀に首を断たれる最後の瞬間まで――僕は喪われた君を想うだろう」(p.142)
    /イクタがヤトリに「――だから僕は、君の出す結論が、より良い未来に繋がるように手伝うよ。君が君として胸を張って生きられるその日が来るまで、僕は君の隣にいる」(p.225)

    ================================

    ■カトヴァーナ帝国についての単語集

    【アクガルパ・サ・ドメイシャ】アルデラ神軍の大将。五十二歳。豪快な名将。パートナーは火精霊のゴア。
    【アゴラ】マッチョのアゴラと記述される士官候補生。
    【アナライ・カーン】史上初の「科学者」。人造精霊を作った。教団からは瀆神者扱いされている。《自然物には全て「ままならなさ」があるとおもわんか》第一巻p.334。さまざまを総称した「超古代文明論」として追究する。
    【アナライの匣】アナライの弟子たちがいったん研究成果を秘匿するためのなにか。
    【アルシャンクルト・キトラ・カトヴァンマニニク】皇帝。四十代の壮年のはずだが枯れ木を思わせる。
    【アルデラ教】カトヴァーナ帝国の国教。技術立国を標榜するキオカですら国教ではないものの八割以上がアルデラ教徒。また、「ラ・サイア・アルデラミン」はアルデラ教総本山と同義の宗教国家でもある。国家間の争いにはノータッチの中立的存在のはずだが?
    【イクタ・ソローク】主人公。後に「常怠常勝の智将」と呼ばれる。パートナーは光精霊のクス。本当の名前はイクタ・サンクレイ。普段は怠け者で女好きのナンパ野郎で食いしん坊で呑兵衛でおちゃらけて飄々としているが必要があれば現実的で残酷にもなる。基本的には戦争をしないことをよしとするようだがひとたび始まったら自分自身の生き残りを最優先に、小さい被害での痛み分けを狙うようだ。アナライの弟子の一人。アナライいわく《わしの唱えた「科学」という方法を踏襲するのみでなく、独特の哲学に昇華して実践しおった。》第一巻p.18。《僕は徒労が大嫌いで、その分、自分が怠けるための適切な努力を惜しまない》第一巻p.42。「バダ」という人物の息子? なりたくないもののトップ3は貴族、軍人、英雄だったが一度に全部を得てしまった。「子供っぽさ」「未熟さ」「若さゆえの過ち」には不思議と寛容。《イクタ・ソロークの部隊はいつだって楽に戦って楽に勝つ! 常怠常勝、怠惰上等! 僕に付いてきた奴には、ひとり残らず楽をさせてやるっ!》第一巻p.278。ヤン・ウェンリーの若い頃という感じやけど、もっと屈折してるしあれほど優しくはなく(ヤンも切り捨てるべきことは平気で切り捨てはするけど)、普段は飄々としているけど以外に不安定で脆そうだ。おそらくはたった一度の敗戦のために勝利を重ねていく。《危うい状況に追い込まれるほど、イクタは自分で判断して行動するための権利と責任を固守しようとする。》第二巻p.165
    【イソン・ホー】叩き上げの帝国大尉。
    【エアシューター/風銃】風精霊の空気圧縮能力により鉛玉を撃ち出す現代兵士の主力武装。トルウェイとマシューは難破した船から脱出するときにも抱えて持ち出した。
    【女たらし】イクタは女たらしだが《それは誤解だよ。むしろ僕の方こそが、この世の全ての年輩女性に魅了されているんだ》第二巻p.102
    【科学】イクタの「科学」は《合理的で無駄のない、結果として大いに怠けられる素敵な考え方。それが科学の本質。》第一巻p.278
    【カトヴァーナ帝国】教団がある。暑い国のようだ。砂漠地帯? 人口二千万人。
    【カラ・カルム/亡霊部隊】どこぞの国の部隊。戦死してはいけない。
    【カンナ・テマリ】女性兵士。ポニーテール。パートナーは風精霊タブ。本好きらしく兵士共有の本棚を作っていた。
    【キオカ共和国】技術立国を標榜する。カトヴァーナ帝国とは戦争状態。
    【宮殿】王宮。三つの建物がある。黄砂堂、新緑堂、白聖堂。
    【教官】士官学校の鬼教官たちは自由意志や個人の尊厳といった幻想を粉々に砕く。
    【教団】アルデラ教。「全ての論理の根底には神がいなければならない」という教義を持つ。それゆえにアナライを異端とした。
    【クス】イクタのパートナーである光精霊。
    【黄砂堂】王宮にある建物のひとつ。国外からの客と会う。
    【光虫/こうちゅう】炎も熱も伴わず光を出す虫。
    【高等士官試験】幹部候補生選出試験。
    【御三家】「忠義の御三家」と呼ばれる。かつての群雄割拠時代にイグセム、レミオン、ユルグスの三家が中央集権を成立させるために皇帝をまつりあげた。
    【魂石/こんせき】精霊の意志の源。これがあれば教会で復活できる。
    【サザルーフ】センパ・サザルーフ。中尉。北域鎮台第一連隊第九光照兵中隊隊長。パートナーは光精霊のキィ。歓迎会でイクタに話しかけてきた。一見イクタと同様のやる気のないタイプに見えるがかなりの世話焼き。
    【サリハ・レミオン】トルウェイの長兄。イクタにバカにされ根に持っている。
    【三人組】マッチョのアゴラ、出っ歯のコーサラ、ギョロ目のニーラ。高等士官学校でなにかとイクタに嫌がらせをしかけてくるが相手にしてもらえない。
    【シア】ヤトリのパートナーである火精霊。
    【シナーク族】カトヴァーナ北方の山岳民族。女系社会。アルデラ教は信じておらず、四大精霊に対する感謝と敬愛がある。もともとカトヴァーナの支配にに反発していたがパートナーの精霊を奪ったサザルーフを憎んでいる状態。
    【シャミーユ・キトラ・カトヴァンマニニク】カトヴァーナ帝国第三皇女。幼いが先を見通し国を救おうとしている。高等士官試験に向かう船が遭難しイクタに救われた。《余は生きて帰らねばならぬ……。大樹が腐り倒れる瞬間を一秒でも早めるために、なんとしても戻らねばならぬ……。》第一巻p.119。《敗戦で国を救う。》第一巻p.327。後に「カトヴァーナ帝国最後の皇女」と呼ばれる。
    【ジャン・アルキネクス】キオカの将校。初登場時に十一歳。白銀の瞳。若いが総白髪で眠らないという特異体質を持ち「不眠(ねむらず)の輝将」と呼ばれる。パートナーは光精霊のルナ。おそらくはイクタのライバルという扱いかと。イクタがヤン・ウェンリー似だとするとこちらはラインハルト・フォン・ローエングラム似な感じか。敵味方の被害がなるべく小さいうちに戦争を終わらせるための戦争をするタイプのようだ。今はもう存在しない小国バユシエ出身。
    【人材】何よりも重要な人材を政策の尻拭いで使い捨てているような帝国に未来はないと言える。わかっていても、軍人は従うしかない。イクタもやがて軍人になるのだろうがどう対処するのか?
    【新緑堂】王宮にある建物のひとつ。臣下の奏上を聞く。
    【スーラ・ミットカリフ】高等士官学校でイクタの部隊に配属された曹長。母親のアミシアは以前イクタの恋人だったようだ。
    【スシュラフ・レミオン】トルウェイの次兄。寡黙で根に持つタイプではない。
    【精霊】身近にいる。四大精霊としては風、水、火、光がいる。
    【戦争】イクタ《戦争ってのは往々にして失敗した外交の代償なんですからね》第二巻p.26
    【センパ・サザルーフ】→サザルーフ
    【タムツークツク・サフィーダ】北域鎮台司令長官。
    【帝国騎士】シャミーユを救った褒章としてイクタ、ヤトリ、トルウェイ、ハロ、マシューの誤人に与えられた称号。至上の栄誉であり、一代限りだが貴族の位置づけとなる。平民が貴族になる唯一の方法。ついでに高等士官試験合格も得た。
    【デインクーン・ハルグンスカ】→ハルグンスカ
    【テトジリチ家】マシューの実家。帝国西部エボドルク州駐留部隊を預かる家柄。
    【天空兵部隊】キオカ軍の新兵科。気球に乗った兵士によって編成される。地上軍しかないカトヴァーナにとっては脅威。
    【トァック】ユスクシラム・トァック。北域鎮台司令長官補佐。体調不良のようで顔色が悪い。実質的に鎮台の実務を全て切り盛りしている苦労人。
    【東域】キオカの辺境領土だったが帝国が戦勝で入手、開拓を試みるも大失敗した。水害が多い土地。
    【トルウェイ・レミオン】帝立エミル高等学校卒業生。パートナーは風精霊のサフィ。旧軍閥のレミオン家の三男。美形。どうやらヤトリに憧れているようだ。他者を愛称で呼びたがる。マシューは「マーくん」でイクタは「イッくん」。風銃使い、それも狙撃手系。兄はサリハスラグとスシュラフ。
    【ナナク・ダル】シナーク史上最年少の族長。パートナーは風精霊のヒシャ。幼く見えるがイクタより二歳年上である意味幼馴染。
    【ナズナ】アナライの弟子。難しい話を噛み砕いて説明できる。
    【ニルヴァ・ギン】キオカ軍秘密工作部隊「カラ・カルム」隊長。亡霊部隊と呼ばれる。第二巻の最後の方に出てきた忍者のような手強いヤツだと思われる。ミアラの兄。百年ほど前の帝国軍の親征によって滅びたヤボニク分立国西領出身。モデルは日本かしら?
    【ネジフ・ハルルム】生丘軍第6シチ小隊指揮官。名将ではないが堅実。
    【白聖堂】王宮にある建物のひとつ。国家の功労者を称える。
    【バジン】アナライの弟子。
    【バダ・サンクレイ】キオカ戦役において「戦犯」とされた元大将。イクタの実の父。
    【発明】イクタによると《最低でも三つのものが必要不可欠だ。まず一つ目が、怠け心――何か辛い作業に行き当たった時、これをサボりたいなぁと思う自然な感情。続く二つ目が、問題意識――この作業の何がそんなに辛いんだろうと考える心。そして最後の三つ目が、前の二つを踏まえた上での想像力》第二巻p.106
    【ハッラー】タズニヤド・ハッラー大尉。キオカの軍人。三十二歳。巨躯。性格もおおらか。指揮官としては優秀な部類。
    【ハルグンスカ】デインクーン・ハルグンスカ。北域鎮台第一連隊第二十二胸甲騎兵小隊隊長。縦にも横にもデカく声もデカい二十六歳のおっさん。清々しいほどの脳筋。パートナーは水精霊のニキ。歓迎会でヤトリに決闘を挑んだ。
    【ハローマ・ベッケル】通称「ハロ」。淡い水色の髪。パートナーは水精霊のミル。ミン・ミハエラ看護学校卒業。身長百七十六センチと長身。イルフ、ショーカ、エチリという弟たちがいる。日記をつけているようだ。
    【バンハタール】カトヴァーナ帝国首都。
    【北域鎮台】シナーク族居住地がある山岳地帯に睨みを効かすカトヴァーナ最北端の軍事拠点。天然の防壁、大アラファトラ山脈に護られけっこうヒマしており、主要な役目はシナーク族を見張ること。
    【氷菓】カトヴァーナにとってはとても希少で魅力的なスイーツ。
    【不敗の近い】中央集権が成立し秩序維持のため一配下になるため自らの剣を返上しようとしたイグセムに対し皇帝が思いとどませようとし、二刀が敗れるまではとの条件付きでそれを受けた故事。
    【マシュー・テトジリチ】イクタやヤトリと同じシガル高等学校卒業生。パートナーは風精霊のツゥ。旧軍閥のテトジリチ家出身でその家柄に誇りを抱いているが格としてはイグセム家やレミオン家よりは低い。ヤトリやトルウェイをライバル視し、イクタにからかわれ続けている。ぽっちゃりした体系だがそれなりに動ける。風銃使い。《次はおれが勝つ。もし次がダメでも、次の次はおれが勝ってやる。……絶対にいつか、マシュー・テトジリチの本当の実力を見せてやる!》第一巻p.317
    【ミアラ・ギン】ジャンの副将。初登場時二十歳。眼鏡美女。パートナーは水精霊のヤオ。亡霊部隊隊長ニルヴァ・ギンの妹。当人も戦闘力に自信があるようでまだ見ぬヤトリに敵愾心を抱いているようだが高所は苦手なようでキオカ軍の新兵器「気球」の中では縮こまっている。百年ほど前の帝国軍の親征によって滅びたヤボニク分立国西領出身。
    【水精霊】カラカラのカトヴァーナにとっては重要な精霊。
    【ミタ】キオカ軍曹長。ハッラーの部下。
    【ミルバキエ】アナライの弟子。極論好き。
    【ヤトリシノ・イグセム】通称「ヤトリ」。燃えるような赤い髪。帝立シガル高等学校首席卒業の優秀な軍人。旧軍閥の名家イグセム家の一員。パートナーは火精霊のシア。ゾーンに入ったときの戦闘力は人間の域を超えかけている。いずれ作中最強剣士になるのではなかろうか。もしかすると最後にイクタを殺すというシーンも想像できるが…?
    【ユーカ・サンクレイ】イクタの母。今上がキオカから召し取った美女をバダに賜った。
    【ユスクシラム・トァック】→トァック
    【ヨルガ】アナライの弟子。算術に滅法強い。
    【ラ・サイア・アルデラミン】アルデラ教総本山と同義の宗教国家。
    【リカン】ハザーフ・リカン中将。東域鎮台(守備専用部隊と思われる)の司令長官。船の遭難で敵領土まで流された主人公たち一行を迎い入れた。人格者。東域での戦闘は負け戦だとわかっているが立場上撤退できず戦死するしかなかった。
    【良心】《思えばそれは、戦場で守るのがいちばん難しいもののひとつだった。》第二巻p.215

  • アルデラ神軍との撤退戦。めっちゃ面白い。
    シナーク族との内戦が終わったばかりなのに、こんな連戦は本当しんどそう。

    今回は盛り上がりどころが多かったと思う。
    いい上司サザルーフ大尉、ライバル登場、マシュートルウェイの成長、ライバルとの読み合いバトルと見どころ多い!

    とは言え3巻目にしてさらに血生臭い内容に。戦争の凄惨さが出てきてる感じです。
    次巻からもサザルーフ大尉の苦難は続きそうで何より、、笑

  • 9/10.
    傑作だ。第一巻と同じように、続々と想像付かぬ面白い展開が進む。

  • ようやく図書館に予約が届いた。6/5通知あり。
    何を予約していたか忘れてたよ(苦笑)。

  • 前回の続きで。
    生田君がまじめに戦うと、ロクなことがないな。

  • 図書館で。
    少数民族との内戦?後の撤退支援終了まで。ここまでがアニメだったのかな?
    アニメではモエ系キラキラ絵ではないキャラデザを採用したのは英断だったと思います。魔法ファンタジー小説なら手足がカトンボのようなロリ少女が屈強な男を力技でねじ伏せてもまあ魔法モノだし…で納得できますがこのヒロイン達はきちんと骨と筋肉があるキャラじゃないと活きてこないよな、ウン。精霊が代わりに闘ってくれるとかならともかく。まあ小説を売るためには美少女キャラを表にドンと出した方が良いのはわかるんですけどね。

    というわけでイクタのライバル登場。英雄が過労で死ぬ…か。そこに仕事が集中するのは良くない傾向だよな、ウン。ナナがちょっとデレたのでようやくラノベ主人公ハーレムっぽくなったのか?そうでもないか(笑)
    個人的に恋愛のやきもきで職務をおろそかにする恋愛脳ヒロイン(しかも出来る子設定の割に有能さの欠片も作中発揮されず、主人公の非凡さをほめたたえるだけのキャラとなるヒロインパターンが多い…)を見ているとこんな脳内お花畑で男の事しか考えてない女性ばかりじゃないぞ!と歯ぎしりするタイプなのでヤトリは良いなぁと思います。

  • 北域鎮台、対アルデラ神軍撤退戦。

     英雄は過労で死ぬとは、けだし名言だ。が、怠惰イクタ自身にすらそれが降りかからないとも限らない。地位には責任と部下が付き物だから…。

     圧倒的に味方に不利な状況が悪化しないように支えながら、高次の目的遂行にあたる。こういう緊張感ある舞台設定を上手く構築した作者の勝ちという印象の第3巻。
     そして序章の幕が下りる巻である。

  • 圧倒的な戦力差での撤退戦。
    そして、宿敵となる軍師の登場。
    最初から最後まで息つかせない展開だった。

  • 戦乱渦巻く世界で生きるイクタ少年の半生を描いた作品の第3章。
    シナーク族と戦いを終えたが、すぐにアルデラ神軍との戦い(撤退戦)が始まる。

    ラノベらしからぬ血生臭さの度合いが上がってくるも、全体のバランスがいいのであんまり気にならないところが上手いなと思います。
    敵方に現われたライバル将校がでてきて戦略対戦略が始まったのも盛り上がってきた要因だと思います!
    今後の展開も楽しみです!

    ただ、最初に前回もでのあらすじをお願いしたな。
    いきなり本編ではちょっと置いてかれる。
    まぁ、前巻最後を読み返せって言われればなにも言い返せないけど(笑)

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著者プロフィール

2010年に「神と奴隷の誕生構文」(電撃文庫)でデビュー。「スメラギガタリ」シリーズ(メディアワークス文庫)、「ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン」シリーズ(電撃文庫)を刊行。

「2023年 『七つの魔剣が支配するXII』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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