失恋探偵ももせ (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 167
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048915533

感想・レビュー・書評

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  • 失恋探偵、という一風変わった、それでいて広がりを感じさせるシチュエーションの本作ではあるが、内容、文章ともにわりとあっさりとした読後感。個人的には女子高生が当たり前のようにメイクをしているという描写がとても上手い。大人びた幼さというのを丁寧な距離感で表している。若干ネタバレにはなるが「何故学校を休んで室内にいるのにメイクをしているのか?」という疑問があったが、ラストを読めばその真相はかなり味わい深い。ただ、難点を挙げるならそもそもが依頼とはいえ、かなり「下世話」な活動であり、その部分に対しての言及が無かったのに少々引っかかりを覚えた。だがそれら失恋探偵という活動の掘り下げは、次巻以降に十分期待できるし、それだけのポテンシャルを秘めた小説であるとは思います。

  • ライトなミステリー+ラブコメ、といった印象のライトノベル。

    4つの短編集としても読めるが、一応ひとかたまりの物語である。

    失恋探偵とは何か?

    失恋した依頼主が望む真実を解き明かす探偵。その真実は、フられた理由だったり、(元)彼が付き合いだした新しい彼女の素性だったりとさまざまだ。探偵である百瀬さんは、失恋を乗り越えるために、真実という杖を依頼主に手渡そうとする。たとえ、それがどれほど残酷な真実であっても・・・。

    という話に、ラブコメ要素が乗っかってきて、無事電撃文庫のライトノベルになっている。

    物語の方向感覚にはとても好感が持てる。文体も読みやすい。

    若干、ミステリー要素がライトすぎるきらいはある。ミステリー小説好きの方ならば、すぐさま伏線を発見することだろう。まあ、その辺を強く期待する小説ではないということだ。

  • 『恋』という気持ちが本当に大切なものなら、事実を知って、きちんと受け止めるのが誠実な在り方ではないですか……目をそらすのが、正しい在り方だとでも言うのですか……?

  • 失恋ネタ専門の校内興信所を営む百瀬と九十九の話.ライトな推理もの+ラブコメな感じ.ラブコメの部分はなかなかバリエーション豊かで,特にギャルとの失恋話が面白かった.イラストは全然ギャルじゃないけど.ただ推理パートの部分がかなり安直で,物語のキーワードからすぐにネタが分かってしまうので,九十九がとぼけ役を通り越してただの頭の弱い男子になっている.でもラストの百瀬はとても突き抜けていたので★+1.
    ところで,口絵のカラーイラストとストーリーが完全リンクしているので,ネタバレを避けたい人はご注意を.

著者プロフィール

第19回電撃小説大賞〈電撃文庫MAGAZINE賞〉受賞。同受賞作『失恋探偵ももせ』でデビュー。以降、電撃文庫・メディアワークス文庫で青春小説を中心に執筆。

「2023年 『あした、裸足でこい。3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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