氷の国のアマリリス (電撃文庫)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
3.76
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本棚登録 : 247
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048915786

作品紹介・あらすじ

氷河期が訪れ、全ては氷の下に閉ざされた世界。人類は『白雪姫』という冷凍睡眠施設で眠り続け、そして、それを守るロボットたちが小さな村を形成し、細々と地下での生活を続けていた。副村長の少女ロボット・アマリリスは崩落事故による『白雪姫』の損傷や、年々パーツが劣化する村人たちのケアに心を砕く日々を送っていた。全ては-再び"人間"と共に歩む未来のために。しかしある時、村長の発した言葉に、アマリリスと仲間たちは戦慄する。「-人類は滅亡すべきだと思う」果たしてアマリリスたちが下す決断とは-!?機械たちの『生き方』を描く感動の物語。

感想・レビュー・書評

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  • こんな健気な存在、人間ではそうそう見つけられないね。でもまぁ、氷河期でも地表の状況は観測するだろうし、スノウホワイトのエネルギー源が大寒波の原因と同じってのも引っかかる。これだけの感情と思考能力を持っていながらマスターを見捨てられないのは、いいことにしておこうか。

  • 1巻完結。
    数多あるライトノベルでも相当、辛辣なことを描いている。
    話しの中で『人間』って助ける必要あるの?と問われてるシーンがあるけど、ここで言う『人間』とは種としての意味の他、『人間』らしく優雅で知的な『上流人』を指している、とも思った。そういう人達にとって他の輩はロボット同然に見えているんでしょうけど、その『ロボット』達の献身が無ければ『人間』など簡単に死ぬんだよ、と指弾している、との感想を持ちました。
    物語ラストシーンの世界は救いでしょうか?

  • 前作「雨の日のアイリス」と同じく、ロボットを題材にした作品(続編ではなく、世界観は別物)。ロボットの存在意義については前作も触れられていたが、今作ではさらに深く掘り下げられており、ロボット達がご主人様こと人間に奉仕する姿には胸を打つものがあった。
    テーマや全体的な内容自体は面白かったのだが、どうにも腑に落ちないところがあった。その最たるが、本作のキーキャラクターであるアイスバーンの過去と設定である。
    序盤から、彼の過去だけは隠されており、「この世界の真実に関係があることなのかな?」と期待していた。一人だけ殺傷能力の高い武器を搭載していた点も、「普通の奉仕ロボットではない」という予想を裏付けているように思えた。
    だが、ひた隠しにされていた過去は「やんごとない身分のお嬢様に仕える執事ロボットでした」というもの。明らかに終盤まで引っ張るような大層なネタではない。しかもそのネタばらしのあるシーンは、なぜか視点が移動している。そんな小細工をする意味もわからないし、執事だった過去を隠していた理由もわからない。長らく積み重ねていた伏線を一気に回収して読者を驚かせてくれるのでは、と期待していたが見事に肩透かしを食らい、結果として読後感も微妙なものになってしまった。

  • SFチックなファンタジー、という印象のライトノベル。

    序盤、世界観に馴染むまではちょっとしんどいかもしれないが、そこを越えれば、するすると読み進められる。話の筋としては面白い。また、SF作品が志向するような文学的な要素も楽しめる。が、後半、ややバタバタしている感じは否めない。

    とりあえずアイスバーン君は格好いい、ということで。

  • あかん。100Pも読まれへんかった。

  • ロボットたちがご主人様の目覚めを待ちながら細々と暮らす話。
    このゆったりとした時間の流れというか優しい世界という感じが好き。

    ご主人様が思ったような人格者ではなくても、たとえ誰かを蹴落としても助かりたいと思うエゴイストでも守りたいと思う気持ちは素晴らしいと思う。

    「半分こ」という考え方が結果的にご主人様とロボットを救ったと思うと、優しい気持ちになれる。

    アイスバーンの前職がまさかのあの職業。意外。
    だからこそあのチャラチャラとしたキャラなのかもしれない。

    それにしてもアマリリスが可愛いあい、ビスカリアってちょっと進撃の巨人のハンジさんっぽい。

    ところでシークレットルームのエロビデオの需要は誰なのだろうか。男女なのはともかく男同士のものも存在するって……。
    というよりも、ちゃんと仕事してくれ……。

  • 泣けるラノベと噂を聞いて。
    確かにラスト付近は泣けた。

  • どうしてもアイリス並みのインパクトを求めてしまうけど、それは酷というもの。それを抜きにしても楽しめる作品。
    アイリスが『再生』 フリージアは『再起』なら、このアマリリスは『共存』でしょうか。
    わりと厚めの388ページは絵本や童話のようなノリで読みやすい印象。
    この感動を「半分こ」しませんか?

  • 氷河期が訪れ、すべてが氷の下に閉ざされた世界。
    人間は冷凍冬眠施設で眠り続け、それを守るためのロボットたちは小さな村を形成し、細々と生活を続けていたが・・・。
    機械たちの生き方を描く物語。

    松山さんは世界観の雰囲気を出すのはホントにうまいですね!
    キャラもしっかり立てるし、読んでいていつの間にか引き込まれてしまいます。
    ただ、今回はロボットたちの立ち位置というか性能というか感情というかそのあたりに若干の違和感を感じました。
    全体的なまとまりや伏線回収は素晴らしさを感じましたけど、そこだけがねぇ。

  • あらすじに釣られて買ったら連作の三番目だった
    これ単品でも面白かったし大丈夫らしい
    新たなプレイに目覚めるピースフルストーリー今うまいこと言った

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著者プロフィール

東京都出身。代表作に『雨の日のアイリス』『白銀のソードブレイカー』シリーズがある。(いずれも電撃文庫)

「2021年 『僕の愛したジークフリーデ 第2部 失われし王女の物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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