陽炎太陽 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048916127

作品紹介・あらすじ

村中から忌み嫌われる転校生、舞原陽凪乃。焦げるような陽射しの下で彼女と心を通わせた響野一颯は、何を犠牲にしてでもその未来を守ると誓うのだが…。時は流れ、大学生になった一颯は、離れ離れになった彼女の想い出を片隅に残しつつ嶌本和奏と交際を始める。かけがえのない歳月が流れ和奏と共に生きる決意を固めた一颯だったが、ある日、音信不通だった"彼女"が約束通り現れて…。今そこにある愛と、忘れられるはずもなかった愛。『太陽』の恋愛ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ5作目。
    幼い頃共に辛い過去を過ごした一颯と陽凪乃。
    ある事件を機に離れ離れになるも、大人になってまた現れて。
    初恋の人と現在の恋人と。揺れる心のまま当時の衝撃的な真実を知るという物語。
    主人公の身の上。物語もどこまでが真実で虚像か。
    判断できないくらい物語とリンクしてて。
    またページをめくる手が止まらない状態でした。
    終盤の彼の大きな決断。
    これで良かったと心からそう思いました。

  • ハッピーエンドのようなバッドエンドのような…
    もやもやした感じで終わったけれど、でも、すっきり…
    なんなんでしょうねw
    でも心なしか、私と彼氏に似ていて…
    彼氏を守りたい気持ちになれた。
    これも、私にとっては共感する作品です。

  • 主人公が2人の女性で思い悩むシーンは、かつて読んだ「ノルウェイの森」のシーンが頭に浮かんだ。この主人公は人付き合いが悪いとは言いながらも非常に優しい性格の持ち主だと思う。そしてそれを理解してすべてを受け入れる和奏も。種明かしの部分は、ちょっと現実的ではないかなと思うけど、「この人と幸せに暮らす」と決心したからには、心はぶれずにこれからもやっていってほしいなと願う。感想が上手くまとまりませんがこんなところです。

  • 花鳥風月シリーズ。
    吐息雪色で最後かと思ったら、2013年って結構前に刊行されてるー(°ω° )

    花鳥風月シリーズで一番薄い物語かな?


    小学生の頃に転校してきた陽凪乃。
    舞原家というだけで、村全体から嫌われ者になり、いじめの対象。
    そんな陽凪乃を、同級生の一颯は見逃せなかった。

    ある日、同級生の玲輔の兄が陽凪乃を誘拐。
    一颯は助けに行くが、陽凪乃と同様に捕まってしまった。

    一週間後に発見され、一颯は病院で目を覚ました。
    陽凪乃は死んだと伝えられた。
    しかし、陽凪乃は毎晩一颯の病室に来て、夜の冒険に出かけていた。

    一颯はショックで幻覚を見るようになったと大人たちは言った。

    幻覚を見るのが減るようにと、一颯の家族はは引越しをした。

    27歳。一颯はコンビニのバイトで出会った和奏と付き合っていた。
    そんな時、陽凪乃に出会った。
    隣の部屋に、陽凪乃が引っ越してきた…?
    一颯は和奏を捨てて陽凪乃の元へ行こうとした。
    和奏は親にも挨拶して、婚約指輪も買っていたのに。

    大家さんによると、隣はずっと空家だという。

    やっぱり一颯の幻覚だと結論付けられ、一颯は治療を開始した。
    結婚式の日、一颯はまた陽凪乃の幻覚をみた。

    それを和奏に伝えると、和奏もその姿を見たと言った。

    そもそも幻覚にはできないことが起こっている。
    オルゴールの交換。
    陽凪乃が幻覚であれば、陽凪乃が持っていたオルゴールを交換することなんてできないし、一颯が住んでいるアパートを特定するのに、探偵である零央を使ったという陽凪乃。
    零央は小学生の頃から探偵を目指していたのか?

    みんな、舞原家の両親に騙されていたのではないか。
    陽凪乃は生きている。

  • サクサク読めました。せつなくて、中盤少し内容わかったけど、最後にえって思う書き方で、再度盛り上がった。ただ、私的には舞原さんと結ばれて欲しかったなぁ。

  • シリーズ五冊目。他の話とつながっている部分もあって、また読み返したくなる。
    2013/10/09

  • “今そこにある愛と、忘れられるはずもなかった愛。”
    ロックなのかは分からないが安定した綾崎テイスト。
    それにしても舞原一族は・・・

  • 1人の青年の苦悩と後悔を描いたものだけど、陽凪乃や和奏の切ない思いも交錯して、読んでてもぐっと胸にくるお話でした

  • 一晩で読んでしまった小説。スピード感があるわけではないけど、テンポよく進む。恋愛の形はさまざま、、

  • 「陽の当たる教室で」
    彼女の為に捨てた日常。
    関係ない子供相手にここまでしても、誰一人として彼女と彼の味方になってくれないというのは残酷すぎるな…。
    村に一人取り残された彼女はあの後どんな生活を送ったのだろう。

    「陽射しの良い部屋」
    心の底に居続ける存在は。
    後悔無く彼女との関係が終わっていたら、こんなに引きずり続ける事もなかったのだろうな。
    彼女は自分に自信が無いだけでなく、何処か彼の迷いに気付いて不安なのかもしれないな…。

    「陽炎と月と太陽」
    16年ぶりに再会した初恋の彼女は。
    もう会えないと思いながらも想い続けていた相手との再会というのは衝撃的だろうな。
    心の何処かで彼女との未来を想い続けていたからこそ、彼女を選んだのかもしれないな…。

    「プロローグをもう一度」
    救出された後に現れた幻影。
    彼は本当に毎晩病院を抜け出し一人で冒険をしていたのだろうか。
    極限まで憔悴しきり生死を彷徨った挙句この様な現実を突きつけられれば誰だって壊れてしまうだろうな…。

    「陽光の下で君といつまでも」
    全てを知っていた彼女と共に。
    彼の見えている世界は始めから彼女には見えていなかったのか…。
    本人にしか分からない事だが、現実に気付かない方が幸せな場合もあるんだろうな。

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著者プロフィール

2009年に第16回電撃小説大賞選考委員奨励賞を受賞し『蒼空時雨』(メディアワークス文庫)でデビュー。「花鳥風月」シリーズ、「ノーブルチルドレン」シリーズなど、メディアワークス文庫にて人気シリーズを多数刊行するほか「命の後で咲いた花」などの単行本も刊行。講談社タイガでも「君と時計と」シリーズ(全4巻)を刊行。恋愛青春小説の書き手として10代20代女性読者から多くの支持を集めている。

「2021年 『セレストブルーの誓約 市条高校サッカー部』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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