からくさ図書館来客簿 ~冥官・小野篁と優しい道なしたち~ (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 923
感想 : 101
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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048917049

作品紹介・あらすじ

京都の一角に佇む「からくさ図書館」は、優しげな図書館長の青年と可憐な少女とが二人きりで切り盛りする、小さな私立図書館。紅茶か珈琲を味わいながら読書を楽しめる、アットホームなこの図書館には、その雰囲気に惹かれて奇妙な悩みと出会ったお客様が訪れる。それぞれに悩みを抱えるお客様に、図書館長・小野篁が差し出すのは、解決法が記された不思議な書物で-。悠久の古都で綴られる、ときにほろ苦く、けれど温かなライブラリ・ファンタジー。

感想・レビュー・書評

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  • 「図書館」と「小野篁」というキーワードを見過ごせず、読んでみました。

    京都の一角に佇む煉瓦造りの洋館風な建物。
    そこは、黒髪メガネの青年と栗色の髪が美しい少女が営む私立図書館です。
    利用者はそこで珈琲や紅茶を飲みながら、自分の時間を過ごすことができるという、なんともうらやましい場所なのです。
    …が、実はその図書館、冥官・小野篁と冥官見習いの時子が現世を彷徨う”道なし”たちを探すために造った特別な場所だったのです…

    "道なし"というのは、前世でよい行いをしたため天道(=天国のような場所)にいけるはずなのに、心残りのために現世にとどまっている魂のこと。
    なので、登場する"道なし"たちはみんないい人。
    収録された4話すべてが、ハート・ウォーミングなストーリーです。
    個人的には、第2話「うまし国」が好きでした。

    篁と時子の掛け合いもおもしろいのですが、"道なし"と人間とのあいだに生まれたつながりがすてきだなぁと思いました。
    お互いの背中を押して前に進ませてくれる、そんな一期一会の出会いが描かれているから、読者も優しい気持ちになれるのでしょう。
    シリーズで刊行されるようなので、続きも読みたいと思います。

  • 小野篁と図書館!ありそうでなかった組み合わせ。
    京都の小さな私立図書館で紡がれる、じんわりほんわか、ちょっと(いやだいぶかな・笑)不思議で切ない連作でした。
    篁の淹れたあったかいお茶が飲みたい~「どの本がお好きですか」って聞かれたい~。

    篁や時子のバックボーンを知っている人は2倍面白いと思います。
    わたしは笑ったり突っ込んだりしながら楽しく読みました。

  • 仲町六絵のファンタジー作品。京都にある私立図書館を舞台に冥官と冥官見習いが"道なし"と呼ばれる魂を天道に送り届けるというお話。主人公小野篁と時子様を始め、篁の上司は陰陽師で有名な安倍晴明、施餓鬼会でお世話になるのが弘法大師と歴史上の人物が出てきます。どれも怖い話ではなく、ほんわかした雰囲気です。京都という舞台も活かせていたと思います。本作は篁と時子様の掛け合いが良かったです。篁はいざという時にはかっこいいですが、ヘタレですね。あと時子様がかわいい。これで終わるのはもったいない。続編希望。そしてアニメ化へ。

  • 1200年の昔より、冥府と現世を行き来する、冥官をしている小野篁と、新米冥官であり篁が昔にいろんなことを教えていた内親王であった時子、ふたりが居場所とする京都の図書館を舞台にした、「道なし」との物語。
    ちょっとカルい感じの冥官と鋭いお嬢様のやり取りがテンポ良く、道なしが抱える捨てられない感情に向き合うときの流れがいいなと思った。京都らしさが控えめな感じで伝わるのもいいなぁ。

  • いがった〜

  • 小野篁って以外にマイナーだったん?あとがき読んでびっくり。
    時子は知らなかった。
    マイナーな人物を取り上げてくれるのは嬉しいです。知識が増えるので。

    表紙飾ってる割に時子の出番はそんなになかったし、篁のキャラに圧されてる感があった。
    道なしにとり付かれてしまった人たちが事態をそこまで抵抗なく素直に受け入れている。
    そんないい人たちの話を読んだ気分。

    全体的にすいすい読めました。
    図書館がちょっと少女チックな感じかなー。

  • 気になっていたので購入。
    面白かったのだが、もう一つインパクトが欲しいかも。一つのストーリーと思ってたから短編連作だったのにちょっと驚いてしまった。そのせいかな。
    でも設定は面白いなと思う。もし次があるのなら、もう少し深みにはまる話でもいいかなと思う。基本的に善人しか出てこない形なので、それは話の性質上どうしようもないけれど、予想外なことがもっとあってもいいのよ、と思った。

  • 図書館を舞台にする必要があったのかな?と思います。
    現世にさまよっている道なしを天道へ導く任務を行う篁と時子様なんですが、妖系ファンタジーとしてなら楽しめたかと思います。二人の今後の関係も気になるところです。続編があるなら読んでみたいかな。
    でも、私設図書館には憧れます。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「私設図書館には憧れます。」
      読みたい!
      「私設図書館には憧れます。」
      読みたい!
      2014/03/31
  • 浮かばれない霊魂のお話でしょう?
    オカルトとか、霊とか、ホラーとか、
    そういうの苦手なんですけど(じゃあなぜ買った)

    しかし「道なし」と呼ばれるのが、
    生前に善行を積み天道へ行ける人たちの霊なので、ちっともこわくない。
    むしろ、どこかしら可愛げがある。
    特に食道楽の望月さん、シカになっちゃうんだものなー。

    こんなお話なら大歓迎♪
    久々に、買って正解だった作品。
    続編出ないかなぁ。

  • 日本史とかよく調べてあるんだろうけど、お話としては物足りないものだった。

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著者プロフィール

第17回電撃小説大2010年に『典医の女房』で、短編ながら第17回電撃小説大賞〈メディアワークス文庫賞〉を受賞。受賞作を大幅加筆した『霧こそ闇の』でデビュー。既刊は『からくさ図書館来客簿』シリーズ他。

「2022年 『あなたと式神、お育てします。第二集 ~京都西陣かんざし六花~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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