おかえりの神様 (メディアワークス文庫)
- KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2016年6月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048921893
作品紹介・あらすじ
奇跡も神通力もないけれど、ただ"そばにいてくれる"。
そんな神様との出会いがおりなす、ほっと優しい物語。
就職を機にひとりぼっちで上京した神谷千尋だが、その心は今にも折れそうだった。些細な不幸が積もり積もって、色々なことが空回り。誰かに相談したくても、今は深夜。周りを見回しても知り合いどころか人っこひとりもいない。
……でも狸ならいた。寂しさのあまり連れ帰ってしまったその狸、なんと人の言葉を喋りだし、おまけに自分は神様だと言い出して……??
『お嬢、いかがした? 何事かとそれがしに聞いて欲しそうな顔でござるな』
こうして一日の出来事を神様に聞かせる日課が誕生した。
"なんでも話せる相手がいる"、その温かさをあなたにお届けいたします。
感想・レビュー・書評
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表紙でほっこり、読んでまたほっこりと癒される連作短編集です。
出雲に神様が集まる神無月の頃、橋の上を一陣の風(神渡し)が通り抜け…。山の神と川の神が、縁結びの神から「暇なら一人でもいいから縁を結んできてほしい」と依頼されます。
山の神様(たぬき)の言葉はなぜか武士語(〜でござる、それがし、等)、川の神様(ビーバー)はなぜか花魁語(〜でありんす、わちき、等)で、男女4人に関わります。
ただこの神様、何をするでもなく、「悩み苦しむ自分のそばに居てくれる誰か」なのです。たまにポロッと話す言葉が、心にスッと入り沁みていく妙な説得力があるのでした。
著者があとがきで記している通り、「そばにはいるけど何もしない」のは手抜きのようだけど、実は一番してあげることの難しい優しさかもしれません。
老若男女、いつでもどこでも楽しめる一冊だと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
24歳の誕生日に、些細な不幸が積み重なって色々なことが空回り。心折れそうになっていた神谷千尋は寂しさのあまり狸を連れ帰ったしまうが、人の言葉を話して自分は神様だと言い出して…
狸(山の神)とビーバー(川の神)が4人の男女の縁結びに関わるのだけど、神様達はただ彼らのそばで寄り添って話を聞いてくれるだけなのだけど、ほっこりして心温まりました。 -
何回読んでもホッコリする。
なぜか読みたくなるのはいつも夜。 -
んー2巻目の方が面白かったかも。
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帰宅したら可愛らしい神様か迎えてくれるだなんて羨ましい。
ほのぼのした空気が流れ、満足。 -
大人の可愛い恋愛物語。登場人物がみんな一生懸命で魅力的。神様も愛嬌があって愛でたくなっちゃう。私もこんな神様となら同居してみたい。
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ほのぼの小説