おかえりの神様 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
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本棚登録 : 450
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048921893

作品紹介・あらすじ

奇跡も神通力もないけれど、ただ"そばにいてくれる"。
そんな神様との出会いがおりなす、ほっと優しい物語。

就職を機にひとりぼっちで上京した神谷千尋だが、その心は今にも折れそうだった。些細な不幸が積もり積もって、色々なことが空回り。誰かに相談したくても、今は深夜。周りを見回しても知り合いどころか人っこひとりもいない。
……でも狸ならいた。寂しさのあまり連れ帰ってしまったその狸、なんと人の言葉を喋りだし、おまけに自分は神様だと言い出して……??
『お嬢、いかがした? 何事かとそれがしに聞いて欲しそうな顔でござるな』
こうして一日の出来事を神様に聞かせる日課が誕生した。
"なんでも話せる相手がいる"、その温かさをあなたにお届けいたします。

感想・レビュー・書評

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  •  表紙でほっこり、読んでまたほっこりと癒される連作短編集です。
     出雲に神様が集まる神無月の頃、橋の上を一陣の風(神渡し)が通り抜け…。山の神と川の神が、縁結びの神から「暇なら一人でもいいから縁を結んできてほしい」と依頼されます。
     山の神様(たぬき)の言葉はなぜか武士語(〜でござる、それがし、等)、川の神様(ビーバー)はなぜか花魁語(〜でありんす、わちき、等)で、男女4人に関わります。
     ただこの神様、何をするでもなく、「悩み苦しむ自分のそばに居てくれる誰か」なのです。たまにポロッと話す言葉が、心にスッと入り沁みていく妙な説得力があるのでした。
     著者があとがきで記している通り、「そばにはいるけど何もしない」のは手抜きのようだけど、実は一番してあげることの難しい優しさかもしれません。
     老若男女、いつでもどこでも楽しめる一冊だと思います。

  • 24歳の誕生日に、些細な不幸が積み重なって色々なことが空回り。心折れそうになっていた神谷千尋は寂しさのあまり狸を連れ帰ったしまうが、人の言葉を話して自分は神様だと言い出して…
    狸(山の神)とビーバー(川の神)が4人の男女の縁結びに関わるのだけど、神様達はただ彼らのそばで寄り添って話を聞いてくれるだけなのだけど、ほっこりして心温まりました。

  • 冒頭はそこまでワクワクする出だしではなかった。
    だけど、主人公である神谷の友人の天野と、山の神様の絡みが始まるシーンあたりから面白くて、どこか心温まる感じが心地よかった。
    山の神様と川の神様それぞれが人間にちょっとしたヒントを与えて、そこから人間の努力によって物事が進んでいく展開がすごく好きだった。神様が助けすぎないところが良い。
    神谷や鳥居、それからコンビニの店員さんまで、それぞれの恋愛模様が描かれていて、それも切なくも面白かった。
    ほのぼの系も案外よくて、面白かった。

  • 何回読んでもホッコリする。
    なぜか読みたくなるのはいつも夜。

  • んー2巻目の方が面白かったかも。

  • 帰宅したら可愛らしい神様か迎えてくれるだなんて羨ましい。
    ほのぼのした空気が流れ、満足。

  • 侍言葉を話しマヨネーズをこよなく愛す狸(山の神様)と、花魁言葉でチョコレートが大好きなビーバー(川の神様)が、恋に悩む男女の話を聴いてくれます。

    何も考えず頭を空っぽにして、さくさく読め、内容もほっこりとしていて、癒されました。

    助言はなくとも誰かに話を聴いてもらうだけでも、悩める時や辛い時には救われるんだな、と改めて思いました。また、「おかえり」という何気ない一言も実はありがたい音葉だということも。

    箸を使う狸をみて、疑わない登場人物には疑問を抱いてしまいますが、そこはファンタジーだからと自分を納得のさせることに…。

    「甘味の神様」の由利佳さんは、レンちゃんの件について信也さんに嘘をつき続けるのでしょうか。二人が本当に幸せになるために、いつか真実を明かして欲しいと思ってます。

    続編も読もうと思います。

  • 奇跡も神通力もないけれど、ただ"そばにいてくれる"。
    そんな神様との出会いがおりなす、ほっと優しい物語。

    癒しを届ける作品。
    神様がいるんだから100人力でしょ、という概念の無い「自分は神様」と名乗るだけの彼ら。ただ人生経験豊富だから1つ1つの言葉に重さがあって思いやりが詰まってる。最初のモテ女(神谷さん)の話から主人公入れ替え制でご都合主義的な内容だったのが少し残念。主人公固定でなんでもない日常メインの方が癒され度としては高いし、人の悪どさも見えてちょっとふわふわと読み進めないところもあった(まぁ死んでるから騙したのか、とは腑に落ちたが)
    布袋という苗字に可愛さを感じないのは私だけか。

    シリーズたくさんあるけど今回みたいな話の流れなのかな。恋愛以外の内容があるのかしら。

  • 大人の可愛い恋愛物語。登場人物がみんな一生懸命で魅力的。神様も愛嬌があって愛でたくなっちゃう。私もこんな神様となら同居してみたい。

  • ほのぼの小説

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著者プロフィール

第22回電撃小説大賞に応募した短編を加筆改稿したデビュー作『おかえりの神様』がロングセラーとなる。シリーズ作品『ただいまの神様』『さよならの神様』『おはようの神様』『おはようの神様』も好評を博す。ほっとあたたかくなる文章に定評がある。

「2023年 『子ども嫌いな私のアパートに、座敷童が住んでました。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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