ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (10) (電撃文庫)
- KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2016年7月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048921961
作品紹介・あらすじ
胸の熱くなる展開を描く最新巻を決して見逃すな!!
帝国から亡命を図るアルデラ教徒に、捕虜収容所から脱走したエルルファイ少将をはじめとするキオカ海軍が加わることで、一気に力を増す敵を目の前に、出征しきていた女帝シャミーユは安全のために東へと移動する。
一方、〈不眠の輝将〉ことジャン率いるキオカ陸軍&アルデラ神軍に東から追撃されて、マシュー少佐らは西に向かって撤退していた。
やがてシャミーユとマシューたちは合流する。しかしそれは、彼らが東西から敵に挟まれることを意味していた。
シャミーユ、トルウェイ、マシューたちカトヴァーナ軍が陣取ったのは、垂直を越える角度で切り立つ峻険な崖が南北に数キロにもわたって続いている卓状台地の上。地形を利用して、なんとかキオカ軍の攻撃を防ごうとするのだが、ジャンの意外な策略によって、絶体絶命のピンチに陥ってしまう。もはやこれまで……と思ったとき、そこに現れたのは――!
胸の熱くなる展開に涙する第10巻!
感想・レビュー・書評
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あまりにも納得いかんから、ここで読むんやめやな。
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4/10.
後半が本当にバカバカしい。俺TUEEE系に成り下がる。イクタがなんでも読めるから面白くない。ハロの展開にも納得いかなし、シャミユもおかしくなった。腕のある著者さんだから勿体ない。どうしてご自分の傑作をこんな荒い扱いにできる?
特に最後のシーンはありえないと思う。帝室の威厳、いや、「天鏡のアルデラミン」という小説の威厳が破壊された気持ちになった。 -
ここまで一気に読めたのはありがたいなぁ。新刊を待ち望んでいた人はようやく!という展開だったんだろうな~
というわけでイクタ君無双の始まりなんだけど…やっぱり主人公はこうじゃないとねぇ。前の二巻が暗いモードだったので救われました。
でもやっぱりお姫様はなんというか好きになれないなぁ~ なんだろう、卑屈だからだろうか。思い込みが激しいからだろうか?まああんな立場にあってしかも賢い少女の精神が歪まなかったらそれはそれで嘘のような気がしないでもないですが。 -
さすが主人公……待たせただけあって一気に色々片付けましたな!まさかハロの件がこんなに早く…いやイクタが出てくれば解決しそうとは思っていましたが……
新キャラも招来されて面倒なことがバッサバッサと解決されていくのでは、という期待を抱かせつつ、ま、でもまだ何が起こるか油断できませんな! -
イクタ、復活!今までの鬱屈した展開が嘘のように晴れてきましたね。そんな一発で雰囲気を変えるようなカリスマ性があるようには見えないキャラなんだけどなぁ(苦笑)ともあれ、不眠の輝将とのやり合いできっちり「らしさ」が戻ってて一安心。続けて起こったハロ=パトレンシーナとの接触だけど個人的には上手い具合に落ち着いたかなと。賛否両論あるみたいだけど、P264の挿絵がイクタ及び騎士団復活を象徴する今巻のハイライトだと思う。願わくばもう一つの席が埋まっていて欲しかったけれど。ラストの新規二人も濃い感じだねぇ。
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一気呵成に読んでしまった!
実に久しぶりに胸のすくような気分と温かな気持ちになれる巻。
キオカ軍の挟撃を受けて苦境に陥る姫様やマシューたち帝国軍。
そんな絶体絶命の場面に登場するイクタは正しくヒーローだろう。
でも、英雄嫌いなイクタに敬意を表するならばこれは、いわば掛けがえのない仲間の帰還だ。
帰ってきたイクタの姿を見出した仲間たちの反応が実にいい。
サザルーフの絶句。
トルウェイの驚嘆。
シャミーユのゆめうつつ。
そして、文句を言いながらも抑えられない涙を流すマシューと、言葉ではすべて否定しながら募らせた想いを語るスーヤがとてもいい。
胸が熱くなった。
そんなイクタの帰還の巻だから、多少チートな展開だとしてもそれはそれでいいよね(笑)
ジャンの作戦とハロの工作のすべてを手玉にとって、ようやく主人公が返ってきたのだと実感する。
いやなんというか、イクタが返ってきて戦闘場面の情報量が10倍ぐらいに増えた気がするな。
そしてハロの件への決着。
もう少し引っ張るかとも思ったけど、イクタが返ってきたならもはや隠し通せるわけがないのだ。
でも、この決着はたぶん賛否両論あるだろう。
そういう意味でマシューはある意味読者の代弁者だといえる。
その疑問と納得いかなさと迷いは読む者の気持ちと同じだ。
だからこそ、これは一つの選択なのだと思う。
こういう選択をする仲間がいる、これはそういう物語なのだ。
そう思えば、これはこれで納得かな。
さて、物語はイクタの帰還という大きなイベントを終えて、これからどう広がっていくのだろう?
新たなキャラの登場でこれまでの軍事だけじゃなく内政と外交にスポットが当たるのだろうか?
続きを待とう。
それにしても8巻読んでからここまで3冊、一気呵成に読んでしまった。
それだけの熱を感じた。 -
文句なしの殿堂入り。
どれだけ高い評価をつけても、このシリーズの持つ底知れない魅力を表すには足りないと思う。
この巻で特に顕著であったのが、登場人物の人間性の掘り下げ方、特に二面性に関するものだ。それはスパイの心であったり、揺れ動く少女の心であったりによく投影されている。
この巻の後半で少年が仲間に放つ一見論理的でない言葉たちでさえも、物語の中で描かれる人物たちの人間性の奥深さを目の当たりにした後では、奇妙な必然性を持って受け入れられるから不思議だ。
シリーズ毎巻続く物語の濃さは相変わらずで、1冊とは思えない満足感を提供してくれる。もっといろんな人に知ってほしいシリーズだ。