ちどり亭にようこそ ~京都の小さなお弁当屋さん~ (メディアワークス文庫)
- KADOKAWA (2016年7月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048922746
作品紹介・あらすじ
京都のお弁当屋を舞台に繰り広げられる美味しくて心温まる人情ドラマ!
ここは、昔ながらの家屋が残る姉小路通沿いに、こぢんまりと建っている仕出し&弁当屋「ちどり亭」。
店主の花柚さんは二十代半ばの美しい人で、なぜか毎週お見合いをしている。いつも残念な結果に終わるらしいんだけど、どうしてなんだ?
「結婚したいんですか?」と尋ねると「お見合いがライフワークなの」と答える彼女。
うーん、お茶目な人だ。
そんな花柚さんが作る最高に美味しいお弁当は、とても人気で、花柚さんもバイトのぼくも毎日、朝から仕出しや弁当販売で大忙し。
あ、いらっしゃいませ! どのお弁当にしますか?
感想・レビュー・書評
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☆4
シリーズ第1弾
京都の姉少路通沿いにこぢんまりと建つ、仕出し弁当屋「ちどり亭」が舞台。
店主の花柚さんが作るお料理はどれもとっても美味しそうで、読んでいてお腹が空いてきます♡
お弁当は、家を出た家族が遠く離れたところで食べることを考えて作ったもので、持ち運べる「家庭」だという話や、その他にも心に響く言葉がたくさん出てきました。
そして私自身も、誰かのために丁寧なお弁当を作ってみたいという気持ちになりました❁⃘*.゚
次巻も引き続き読み進たいと思います(*´˘`*)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
初めて読む作家さん、初めてのシリーズ。
とても素敵な出会いになりました。
もう何年も訪れていないけれど、京都が舞台の作品を読むことが好き。
その、京都にもいろいろな顔がある。
この「ちどり亭」では、二十四節気七十二候の季節感と、空気を描いている気がする。
キャラクターも、由緒ある家柄の人たち、品があり、歴史がある。
けれども、嫌味がまったく無い。
仕出し弁当屋「ちどり亭」の店主は旧家のお嬢様の、蒔岡花柚(まきおかはなゆ)さん。
とてもかわいい人。
小学校四年生のときから、花嫁修業のためにお料理を習い始める。
そのときからの「練習帖」九十六冊。しかし、途中から“未来の旦那さま”のための献立帖ではなくなってしまう。
醤油色に黒く染まっていない、素材の鮮やかな色。
でも味付けはしっかりしている。
雑味のない、おいしい出汁の味がじゅわっと口の中に広がる、京料理の煮物…そういう味わいのある作品。
京都の仕出し文化も勉強できました。
恋愛ものとしても、とても引き込まれる。
特に、京都市庁の会議のための、心づくしの櫻御膳が美味しそうだったので記しておきます。
一段目。油揚げ入り筍ご飯。木の芽をトッピング。
二段目。四つに分けたおかずの詰め合わせ。
だし巻き卵、かんぱちの照り焼き、若鶏といんげんのうま煮、生麩の白味噌田楽。
ほうれん草としらすの和え物、にんじんとごぼうのきんぴら、鹿の子蒟蒻。
飛竜頭(ひろうす)と蕗の含め煮、生湯葉の梅肉和え、みかんのゼリー寄せ。
笹巻きと黒蜜きなこ。
1.桜始開(さくら はじめてひらく)、花見といつかのオムライス。
母が亡くなる寸前、料理のできなかった父が作ってくれた、オムライス。
2.玄鳥至(つばめ いたる)、「黄色い麻薬」とお礼状
花柚さんの練習帖に貼ってあった、思い出のお礼状。
有名な書家をもてなすためのお弁当を、京都市庁に勤務する、花柚のかつての婚約者から依頼される。
3.虹始見(にじ はじめてみる)、飾り切りと青菜のおひたし
小学校二年生の“ゆうや”が、ちどり亭に入り浸るようになる。
母が仕事で忙しく、父親が家にいないらしいが…
ちどり亭のおいしいご飯を食べたいらしい。けれど、花柚は彼に食べ物を与えないようにしていた。
4.牡丹華(ぼたん はなさく)、だし巻き卵と献立帖
花柚さんの師匠とのお別れ。
『誰かのために』生きてはいけないという師匠の言葉。
彗太は、“孫弟子”として、花柚さんを見守ってほしいと、藤沢先生に託される。
5.紅花栄(べにばなさかう)、練習帖と最後のお弁当
花柚さんのかつての婚約者、永谷総一郎氏からの仕出しの依頼。
用途の欄には“結婚”にチェックが入っている。
家のために、恋愛をあきらめなければいけないのか。 -
お弁当が品があって美味しそう。
元婚約者さんとはだろうねという展開だった。
食べることは生きることですから大事ですよね。 -
妻の勧めで手にした。
読んでて元気がもらえる本だと思う。まず食欲が湧いてくる。食べたい。ちどり亭に行ってお弁当を買いたい、と素直に思わせてくれる丁寧な表現に魅了される。
そして花柚さんの魅力。こんなお姉さんに料理を習いたい。一緒に仕事したい。彗太がうらやましい。
実写化されたら絶対観るだろうな。もうされてるのかなぁ?
心に潤いと彩りを与えてくれる一冊だと思う。続編もあるみたいなので、機会をみて手に取ってみたい。 -
旧家のお嬢様の花柚さんが花嫁修行として幼い頃から修行し続けた料理の腕を使って京都で開いた「ちどり亭」。
そこで働く大学生彗太が主人公です。
花柚さんが作るのは何も特別ではないのだけれど手間暇をかけて丁寧にゆっくり作っているのがわかります。
料理だけじゃなく時間や季節、食べ物の旬も大事にしていて知らない言葉がいっぱいでてきます。
それにとってもゆっくりな雰囲気があって美味しいんだろうな、と思わせられます。
絶対ちどり亭通いたくなる!
彗太も素直でひたむきですごくいい奴。
料理を丁寧に作ろうと思えて人のことで四苦八苦できるのがいいですね。
恋も実るといいのに。 -
久しぶりに自分で購入した本。
昔ながらの家屋が残る姉小路通沿いにこぢんまりと建つ、仕出し弁当屋「ちどり亭」。店主の花柚が心をこめて作る最高に美味しいお弁当を食べれば、どんな人でも笑みがこぼれてしまう。ちどり亭を舞台に紡がれる幸せな物語。シリーズ1作目。
初めて読む作家さん。
京都の姉小路通にある仕出し弁当屋「ちどり亭」が舞台。
店主の花柚さんとバイトの大学生・彗。
記録するのが好きな私は「お弁当練習帖」にものすごくそそられた!
読んで良かった!
すごく好きな空気感。お弁当もとってもおいしそうで…。
七十二候に絡めて話が進んでいくのもいい。
ちどり亭に入り浸る、花柚さんのはとこの美津彦さんが好きだわ~(笑)
端午の節句のお重(240p)作ってみたいな。
続編ももちろん買います!
2021.3再読
ちどり亭が近所にあったら絶対に常連になる!!
季節のものを取り入れた、品数の多いお弁当が本当においしそう。
自分のお弁当を預ければ、そこに詰めてくれるのもありがたい。
店主の花柚さんはお嬢様でおっとりした雰囲気なんだけど、しっかりとした芯があって、いいこと言うんだよね~。 -
京都の小さなお弁当屋さん「ちどり亭」でアルバイトする男子大学生の一人称で進む、店長の花柚さんのお話。日めくりカレンダーの七十二候で季節を意識したり、日々の暮らしをオーガナイズするという考えがとても良い。いいところのお嬢さんである花柚さんの人柄と、彼女の元婚約者である総くんとの関係もやきもきさせつつ幸せになってくれよ!と思えるようでいい感じだった。丁寧に昔からのものを大切にする暮らしと、それを強制されたものでなく自然に身についてる感覚と、自負と迷いと、花柚さんを取り巻く小さな世界がとても素敵だった。こんな素敵なお弁当屋さんだったら通ってみたいなぁ。
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お料理一つ一つ丁寧に作っていてこれを読んでいたら自分もそのように作ってみたいと思いました。お話の内容も暖かくて凄く良かったです。
ずっと読んでいたい作品です。 -
京都のお弁当屋さんのお話。日によって変わるお弁当の内容が一つ一つ書かれていて、少し説明されていて、食欲をそそるし食べてみたい!
料理を作る時のポイントや良家の昔ながらの礼儀作法というか、料理の意味やお祝いの料理など、しつこくない程度に書かれていて勉強になる。
人間関係は複雑?ではないけど少し遠回り。でもそんなにムズムズしないのはもったいぶらないからかな?
お弁当を『持ち運べる家庭』と表現したり、不特定多数のためではなくて誰かが自分のために作るお弁当のありがたみとか大切さを語ったり、お客さん美味しいお弁当を届けるために一生懸命取り組む姿勢がとても素晴らしいと思う。 -
お弁当、献立帳、京都と、好きなもので構成されたお話でかなり楽しく読めた。
登場人物もみんな魅力的で、出てくる料理の描写もとにかく美味しそう。
久々に「出会えて良かった〜!」と思えた作品。