- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048922814
感想・レビュー・書評
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読み終わって心の底からホッとしている。
よくぞこの結末に導いてくれたと作者に感謝したい。
ほんとうによかった。
翔子と咲太と麻衣の三者択一な苦しい苦しいお話の後編。
麻衣を失った咲太の絶望に胸が締め付けられ、麻衣を見つけた悦びに心が震えてしまった。
だから咲太が麻衣を選ぶ決断をしたこと自体は納得できる。
辛い辛い決断をそれでも咲太はちゃんとし、翔子さんにも告げた。
それはとても偉い。
けれど、そのことの代償に翔子ちゃんがいなくなることが苦しくて苦しくて。
だって翔子ちゃんはあんなにもいい子なのだ。
あんなにも頑張り屋さんなのだ。
あんなにも他人に優しい子なのだ。
その子を救えずに終わるなら、この物語は辛い記憶だけで終わってしまう。
そんなのはいやだ。
それはダメだと心が叫んだ。
だから、ラスト。
確かに、すべての人を救うには、この結末しかなかったのかもしれない。
それでも翔子を忘れ去ったままの未来もあっただろう。
でも、そうではなく、ちゃんと翔子との全てを取り戻してくれた展開に深く感謝したい。
これは僕の見たかった結末だ。
それにしても、小さな希望が見えた先で、何度どんでん返しで絶望に落とされたことか。
やっぱりこの物語は甘くない。
一筋縄ではいかないなあ。
それに今回の話を読んで、これまでのシリーズのすべてが、数々の思春期症候群の全てが、ここに繋がっていたのだと良くわかる。
これを最初から企図していたのだとしたら、もう脱帽するしかないな。
だからもうこれ以上のシリーズの大団円はないだろう。
それをわかった上で作者よ!この先を続けようというのは、すごい勇気だな。
そんじょそこらの展開ではこれまでの物語に太刀打ちできないと思うけど。
それでも咲太や麻衣やとりわけ翔子ちゃんのこの先が見れるのだとしたら、たまらなく嬉しい。
期待してるよ!
胸が震える場面がいくつもある。
咲太が生きている麻衣を見て涙を流す場面。
そんな咲太を麻衣が抱きしめる場面。
泣きながら翔子の将来スケジュール表に大きな花丸を書く場面。
そして海岸で咲太と翔子が再び出会う場面。
これからもそんな数々を、ううん、今度はもっと愉しい気持ちでいられる場面を、期待している。
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これが映画化した部分か……翔子さんには笑顔でいてほしい。
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読んでるこちらまで人に優しくなれそうな話だった。最後がいい終わり方でホッとした。
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鴨志田一先生の「青春ブタ野郎シリーズ」の第7巻です。2018年10月~12月にTVアニメが放送。青春ブタ野郎こと梓川咲太と思春期症候群を発症したヒロインの関係を描いた青春SF作品です。本巻は2019年公開の劇場版に相当し、ヒロインは麻衣さんと翔子さんです。前巻の衝撃的なラストからどうなってしまうのか重い気持ちのまま読み進めると、まだまだ底は深く、これ読み進めない方が良いのかなと思いましたが、今までの思春期症候群が全てここへの伏線だったことを知り驚きました。本当に素晴らしい第1部でした。早く劇場版が観たい。
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良い最終回でした…これが☆5じゃないならどれがそうなのだ?それくらい良かった。ん?あれ?続く…の?嬉しいような蛇足なような不安。
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一気に読み終えてしまった。
目を覆いたくなる怒濤の展開。
やっぱり翔子さん大好きだ~ -
せっかく過去に戻れても、朋絵がいなかったら詰んでたな。最後は翔子も助かってよかった。翔子が未来に希望を持つことで結果的にハッピーエンドになれたのかな。
双葉も普段は毒舌なことが多いけど、ちゃんと咲太のことを心配してくれていたのは驚き。 -
表紙イラストからして反則級。映画は視聴済み。前作からの問題も無事解決しホッとする。映画を観てラストのところがどうしてそうなったのかよく分からなかったけれど、ネットでネタバレ解説をいくつか読んで納得。映画では省かれていた翔子さんの指輪に気づくシーンや、古賀の「勘違いしてとかないし」とかはぜひ映像としてみたい(映画化された部分のTVアニメ化希望)。映画第2作を観た身としては、そうそうそっちの問題は残ったままなんだよなぁと、早速次が気になる。