- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048924719
作品紹介・あらすじ
イクタの推挙によって、三等文官として国政に携わることになる少女ヴァッキェ。アナライ博士の弟子で、イクタの妹弟子でもある彼女は、とても子供っぽく、見た目は愛らしいのだが、たしかに尋常な人材ではなかった。
厳粛な空気が流れる国政の場では、誰もが畏れる女帝が相手であっても理路整然と反論を声高に唱えて周囲を凍りつかせ、日常生活の中では、シャミーユが一人静かに食事をしている場に乗り込んでいって「一緒に楽しく食べよう」と女帝の顔をひきつらせる……。
その無邪気さと人懐っこさと狂気を発揮する彼女は“劇薬”として、硬直した帝国や女帝シャミーユを、どのように変えていくのか?
一方、元帥となったイクタをはじめ、トルウェイ、マシュー、ハロたちも、カトヴァーナ帝国を変えるべく、新たな地位に見合った行動をそれぞれ始めていた――。
いよいよ新展開へ向かって物語が転がり出したXI巻から目を離すな!!
感想・レビュー・書評
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4/10.
どんどんおかしい方向に行ってしまう物語。イクタとシャミーユのあのシーンはめっちゃ引いた。 -
お姫様に初めてのお友達が出来る…というようなお話のような。彼女が活躍するとイクタがかすむな(笑)
とは言え彼女の古キツネに対する態度は良い感じだな。嫌いなヤツから出たアイディアだから却下とかそう言うのは実に科学的ではないから。
でもここでキツネさんが良い奴になっちゃうと色々と困る事もあったり無かったり。帝国をあと少しで滅ぼしかねなかったクーデターとかねぇ。もっと享楽的な人かと思ってましたよ。 -
表紙のとおり女帝とヴェッキェの絡みがメインかな。イクタ復帰で多少は和らいだ印象になったシャミーユが、イクタと会った当初のように引っ掻き回される感じ。しかも近い年代の同性なのもあるのか、イクタのそれよりも直接的・近接的な接し方なんで周りは紙面で読む以上に戦々恐々だろうな(苦笑)後半はハロ=パトレンシーナの決意と奮闘が目を見張ります。前巻で落ち着けたかと思ったけどさすがに完全に折り合いついてたわけではなかったか。そしてラストで開始される会談。どの陣営も一筋縄ではいかなさそうな気配でどうなるか楽しみ。
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いやあ、今巻もまた面白かった。
11巻はいわば新キャラ、ヴァッキェの巻。
その勝手御免空気読まないハイテンションなキャラは今までなかった。
確かに彼女は劇薬だ。
ヴァッキェとシャミーユのやり取りが非常に愉しい。
子供のケンカかよ!
いいね。もっとやれ!(笑)
そんな中、クーデター後のいろんな人たちがその過去を胸に、ようやく未来へ向かって進みだしている姿を見るのは、ちょっと胸が熱くなる。
メグ少佐しかり。メトランシェ中尉しかり。
そしてハロもまたしかり。
ただ、シャミーユだけが深い闇に足を取られて抜け出せないわけだけど、さて、劇薬ヴァッキェの影響で少しは変わっていくのだろうか?
恐ろしいのは、ヴァッキェと宰相イザンマとの邂逅。
いや、これどういう化学反応が起こるのかとても興味がある。
でも、そう簡単に何かがよくなるほど甘くないんだろうな。
だって囚われたハロのエピソードを見ても相変わらずこのお話は甘くないなと再認識したもの。
さて、口絵で三国会議が描かれていたので、それがメインになるのかと思ってたんだけど、さわりだけだった。
でもアナライ博士の介入でこれは会議の行方がまったく予想がつかないな。
ただ、ヴァッキェは正しく博士の弟子だと認識した(笑) -
今作も超面白かった!新しいキャラの存在感がもう抜群で、シャミーユのヒロインらしさを引き出すのに一役も二役も買っている。この作品の特徴である物語の密度の濃さも相変わらずで、一冊で他の小説3冊分を読んだような気にすらさせてくれる。