明治あやかし新聞 怠惰な記者の裏稼業 (メディアワークス文庫)
- KADOKAWA (2017年3月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048926768
作品紹介・あらすじ
ぞわっとして、ほろりと出来る。 怠惰な記者のあやかし謎解き譚。
日がな一日サロンで惰眠を貪る日陽新聞社の記者、内藤久馬。そんな彼も好奇心が疼けば記事を書く。傍に用意するのは、怪談奇談に妖怪本。彼が書く記事は全て妖怪にまつわるものなのだ。
ある春の日、少女が新聞社へ乗り込んできた。彼女の名は井上香澄。久馬の記事が原因で、友人が奉公先を追い出されたのだという。冷たい対応の久馬に代わり香澄に声を掛けたのは、妖美な男・芝浦艶煙。曰く、むしろ妖怪記事は人助けになっており、友人は貞操の危機を免れたのだというが!?
感想・レビュー・書評
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思った以上に面白かった。どのお話も良かったけど最後の神隠しはホロリと。
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少女小説寄りあやかし系人情謎解きものとしてはしっかり成立してる内容、ちっと前のルルル文庫的な。
新人作家さんにしては安定感あるな~~と思ったら、実は他のペンネームで書いていらしたベテラン作家さんなのだと知って納得。 -
★第23回電撃小説大賞《銀賞》受賞作
【ぞわっとして、ほろりと出来る。 怠惰な記者のあやかし謎解き譚】
日がな一日サロンで惰眠を貪る日陽新聞社の記者、久馬。そんな彼も好奇心が疼けば記事を書く。傍に用意するのは、怪談奇談に妖怪本。彼が書く記事は全て妖怪にまつわるものなのだ。
ある春の日、少女が新聞社へ乗り込んできた。彼女の名は香澄。久馬の記事が原因で、友人が奉公先を追い出されたのだという。冷たい対応の久馬に代わり香澄に声を掛けたのは、妖美な男・艶煙。曰く、むしろ妖怪記事は人助けになっており、友人は貞操の危機を免れたのだというが!? -
内容(「BOOK」データベースより)
日がな一日サロンで惰眠を貪る日陽新聞社の記者、久馬。そんな彼も好奇心が疼けば記事を書く。傍に用意するのは、怪談奇談に妖怪本。彼が書く記事は全て妖怪にまつわるものなのだ。ある春の日、少女が新聞社へ乗り込んできた。彼女の名は香澄。久馬の記事が原因で、友人が奉公先を追い出されたのだという。冷たい対応の久馬に代わり香澄に声を掛けたのは、妖美な男・艶煙。曰く、むしろ妖怪記事は人助けになっており、友人は貞操の危機を免れたのだというが!?ぞわっとして、ほろりと出来る。怠惰な記者のあやかし謎解き譚。
令和4年10月19日~21日 -
【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
https://opc.kinjo-u.ac.jp/ -
現代でいうスポーツ紙的な感じで、お悩み解決!
わかりやすいお話しです。 -
これは、期待以上に好みど真ん中でした。表紙のイラストもツボだし、明治の雰囲気もいいし、登場人物たちも好き。何と言っても突進系女子な香澄がかわいい。
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【内容】トラブルを妖怪のせいにして解決する連中のお話。件、髪の妖怪、ゾンビ、神隠し。
【感想】こいつらいつかホンマモンの妖怪にお仕置きされるんとちゃう?それから、久馬はんは特に「怠惰」って感じじゃないのでサブタイトルに偽りありってとこかも。
▼あやかし新聞についての簡単なメモ
【浅田屋】呉服屋。主人の源助は悪い人ではなく信心深いが女好き。
【和泉八重】16歳で死んだ後岩井村を歩き回っているらしいゾンビ娘。
【井筒屋】桜野がいま働いているお茶屋。不忍池の近くにある。色茶屋ではない。
【内村】日陽新聞の記者。創業メンバーのひとり。
【艶煙/えんえん】芝浦艶煙。役者崩れ。細い狐目。マンガで書かれたら目が線系の人物だろうと。
【縁魔座】艶煙の出ている芝居小屋。怪異譚を好む。
【香澄】井上香澄。16歳の鉄砲玉娘。父は内務省、兄は文部省に勤めている。母は亡くなっている。「社会勉強」のために日陽新聞の雑用係として働くことになった。
【香澄の兄】官僚。25歳。香澄を可愛がってるやさしく見た目もいい自慢の兄。
【香澄の父】官僚で金持ち。娘の「社会勉強」のためならたいがいのことは許してくれる鷹揚な人物。
【久馬/きゅうま】内藤久馬。日陽新聞の記者。父は与力だった。二十代後半と思われる美形。甘いもの好き。香澄に対しては口が悪い。
【暗闇】「暗闇とは怪異そのものではないですか」(by艶煙)
【小新聞/こしんぶん】小さい紙に刷られた娯楽メインの新聞。
【桜野】香澄の友人。件という妖怪の予言のせいで奉公先の呉服屋浅田屋をクビになった。
【多恵】浅田屋の内儀。
【高梨実篤】華族のどら息子。素行がよくない。美幸のかんざしを奪った。
【千世】勝之進の妹、久馬の従妹。とある事情で行方不明。
【日陽新聞】銀座にある小新聞。元士族たちが政府を馬鹿にするために立ち上げた。らしい。
【日陽新聞の社長】恰幅がよい。
【ハル】岩井村の茶屋の娘。八重の友人。
【松野勝之進】巡査。久馬の母方の従兄。
【三田吉蔵】浅田屋の番頭。桜野の恋人。
【三羽美幸】母の形見のかんざしを奪われた少女。
【弥太郎】日陽新聞の記者。久馬の後輩。
【妖怪】「妖怪は、人のやさしさから生まれたんですよ」(by艶煙) -
「女の掛け軸の怪」
日に日に変わる彼女の表情。
雇い主である自分に逆らえないと分かっているからこそ、簡単に手を出すのだろうが逃げ場のない中彼の趣向のせいで犠牲となった者が居たら悔しかったろうな。
あれだけ屋敷の中で知られている事を奥さんが知らないとでも思っていたのか、それとも黙認してくれているとでも勘違いしたのか生きている者の怨みは怖いというのに。
「髪鬼の怪」
身分の高さを利用し行う悪事。
自分の家柄が良いだけなのに自分までもが偉くなった様に勘違いするだけならともかく、仲間まで引き連れ住人に悪さをする等呆れてものが言えないな。
彼女の簪を取り返すだけでは無く、これまでの悪事などを考えると彼は屋敷内でもかなり厄介な存在であり何かしら理由を付けてでも追い出したかったのだろうな。
「さまよう死体の怪」
彼女が各家を巡り声を掛ける。
自分の姉がゆっくりゆっくりと気付かぬ内に毒を盛られ弱っていきその末に亡くなったと聞けば、誰であろうと復讐を決意するだろうな。
彼女に妹が居たと知る者が少なかったからこそ、誰も気付かず彼女が戻って来たと信じ込みこのような噂を広める事は容易かったろうな。
「神隠しの怪」
家族との関わりから消えた娘。
これだけの事があったら逃げ出したくなるだろうし、自分の好きな人と結ばれない所か自分が売られると分かっていてその場に残る者など居ないだろう。
彼女が戻って姿を現すことを決心したのは、自分を自由にしたせいで兄や従兄を傷付けてしまっていた事に気が付いたからなのだろうな。 -
わたしが想像してたような、あやかしは出てきませんでした。世の中の理不尽を、あやかしのせいにして勧善懲悪するというお話でした。初読みの作家さんですが、中学生女子や、本を読み始めたばかりのかたならハマったかも。おばちゃんには甘すぎました。少女マンガを小説で読んでる感じです。明治ロマン大正ロマン好きなんだけど、あんまり感じませんでした。残念。後半は流し読みでした。