AI白書 2019

制作 : 独立行政法人情報処理推進機構 AI白書編集委員会 
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049110142

作品紹介・あらすじ

▼国内と海外の人工知能の最新動向がすべてわかる、網羅的な白書の最新版

 “ディープラーニング”(深層学習)の登場以降、大変な盛り上がりとなっている人工知能(AI)。すでに研究段階から、社会への実装へとステージが進んでいて、一過性のブームでないことは明らかです。
 しかし、海外、とくに米国・中国に比べて、AIの社会実装という面では、日本は大きく遅れをとっていると言われています。そして技術面においても、先行しており、かつ人的にも資金的にも大きなリソースを投入している米中に、日本が追いつくことは容易ではありません。これからの産業構造に大きな変革をもたらすであろうAIに、日本企業は、社会は、この先どう向き合っていけばいいのでしょうか。
 本書は、AIの基礎的な技術解説から、国内外の多様な先行導入事例、制度・政策面での取り組み、中国のAI動向データや企業経営者の意識調査結果まで、AIにまつわる幅広い話題を網羅して収録しております。企業や社会がAIを実装するにあたってのひとつの指針として、本書をご活用いただけます。

感想・レビュー・書評

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  • AIって何だ?って人には向いてないよね…近年の周辺情報を確認…

  • あまり気づきがなかった。
    とにかく大きな本なので、電子図書があるならそちらをお勧めします。

  • 重量が重い。部分的にチェス・将棋・囲碁AIの部分が面白かった。

  • 分厚いのでどんなものかと物怖じしたが、同じ内容の繰り返しが多く、書籍としてはややまとまっていない印象。網羅性という点ではもちろん素晴らしく、広く薄く参考になった。
    メモ:
    ・AIの関係企業は、ユーザー側と開発側の2つに分かれる。ユーザーは拘りすぎて自前主義に陥らないよう注意。
    ・人間の得意なことはビジネスにならない(二足歩行など)。人間の苦手なこと(単純作業の繰り返しなど)をアウトソースするべき。
    ・自社で開発すべき領域とは、自社独自のデータが取れる領域。それが出来れば大きな武器になる。
    ・製造業では、センサーデータは現状収集に至っておらず、点検日誌などの文章情報まで、という企業が最も多い。
    ・企業のAI活用が進まないのは、ドメイン知識とAI知識を併せ持つ社員がいないから。企業内でAIを学ぶ者は、AIを活用する領域を判断する責務がある。
    ・メルカリなど、AIサービスを開発したが数か月で廃止したというケースもある。トライアンドエラーが必要。
    ・何をオープンデータとし、何をクローズドデータとするか、の政策的方針が求められる。企業においても、何もかもオープンにすべきではなく、強みは囲い込む戦略が必要。

  • 行き着くところって、完全記憶のゼロイチ型の仕組みと、人間型の物質型の仕組みが残るんですかね。クリーンエネルギーと歩行ができるようになったら、人間より強い生物にもなる可能性はあるよね。

  • 情報量、わかりやすさともに素晴らしく、有益な一冊。AI界隈の人は読むべき。

  • 東2法経図・6F開架:007.1A/A11a/2019/K

  • 『AI白書』なので、現時点でのAIに関する技術概要とグローバルでの取り組みが記載されている。

    ディープラーニングについてはかなり実装が進み、ツールもそろってきたという印象がある。ImageNetやWordNet、MNIST、word2vecなどオープンデータもそろってきているのかもしれない。語彙データやWebのLOD化(Linked Open Data)という話はおもしろい。AIは精度や暴走の防止が担保されていないことが問題にもなっていたが、そういったものも深層モデル化によって使えるようになるのかもしれない。ディープラーニングとは「シグモイド関数等の活性化関数を使って非線形性を入れ、多層に構成した関数を使った最小二乗法」という説明は正確ではないが、わかりにくいかもしれない。

    ちょっと横道にそれた意識の話も面白い。グローバルワークスペース理論(GW理論・大局的作業空間理論) ... 意識は、無意識の中からフォーカスを選択され、他の知覚をマスクする、といった理論まで詳解されている、GAN(敵対的生成ネットワーク)が生物の行動と自己モニタリングに相当するのかもしれない。

    AIの進歩として挙げられた次の線表はわかりやすくて、直感的にもそれくらいかなと思う。
    ・画像認識 → 医療診断 (2014)
    ・マルチモーダルな認識 → 防犯・監視・セキュリティ・マーケ (2015)
    ・ロボティックス → 自動運転・物流・農業・製造 (2016)
    ・インタラクション → 家事・介護・
    ・シンボルグラウンディング → 翻訳・海外向けEC・
    ・知識獲得 → 教育・秘書・ホワイトカラー支援
    ・対象のモデル化 → 経済・社会・研究支援 (2030)
    ・意識/自己 → 哲学・言語学・シンギュラリティ (20XX)

    自動運転、人事などの社内システム、物流・小売りなどのサプライチェーン、スマート農業、スマートファクトリー、FinTech、などなどその影響は甚大ではある。ツールとして使いこなせるようになることがまずは必須だな。

    この分野では、米国と中国が抜きんでている実態もわかった。GAFAM+IBMやBATなどの巨大テック企業と無数のベンチャが生態系を作っている。UC Berclayなどのアカデミアも存在感を見せている。特許と論文の数も米国と中国の寡占状態だ。大学の研究も同じ。それにしても日本の政府系のAIの取り組みは各省庁にまたがっていてわかりにくいな。

    500ページもあり、覚えきれる量ではないけれども、ざっと見て知識を付けるのはよい本かもしれない。決して全文通しで見る本ではない。

    『AI白書2017』が350ページだったので、『AI白書2021』が出たら何ページになるのだろう。編集委員の顔ぶれが変わっていないのは、ある程度一貫性を持たせるには今のところよいのでしょうね。


    ※最近では、SIPと言うとSession Initiation Protocolではなくて、Strategic Innovation Programの略の方が有名になっていくのかな。

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