軽度発達障害のある子のライフサイクルに合わせた理解と対応: 「仮に」理解して「実際に」支援するために (学研のヒューマンケアブックス)

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  • 学研プラス
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784054029743

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  • 『月刊実践障害児教育』に連載された「悩み相談=「子どもの示す困った問題」は、どう理解できるのだろう?」を元に編集されたも。保護者や先生の相談に答える形式で、出生前後・就学前・小学校・中学校の子どもたちの世代にわけて構成されている。寄せられた30の相談に対し、いずれも相談者を労いながら、子どもたちが何に困っていて、子どもたちにとってどうすることが良いだろうかというスタンスで書かれている。

    最後の章に、著者の考え方が記されている。

    「支援の本当の主役は子ども当人であり、間近にいる保護者や家族である」
    「相談・助言・指導といったやり取りが生じる相互の関係は、本来同じ目線で、各々が対等の立場でやり取りができなければならない」

    「大切なことは、まず対応ありき・戦略ありきではなく、個々の思いに身と心をはせ、相手の思いを探るところから考え始めることです。」「そのときに必要な視点は、かれらにある「障害」への対応策ではなく、障害のある「かれら」への向き合い方を考えることです」

    そして、支援者の基本姿勢として

    「支援をするためには、気がかりな相手の状況を見極めることから始めるべきでしょう」

    「関心」をもって見続け言動を「観察」し、「記録」し、どのような気持ちが隠れているのか「予想」する。
    それを行うために、子どもの言動を「まねる」、子どもと同じ環境で「感じる」、そして子どもの行動を「予測する」ことを勧めています。

    そして「伝える」技術の大切さをあげています。「要点のまとめ方」「相手の受け止め方を見極めた予測」するとともに何よりも「相手を尊重する姿勢」=わからないときは相手に尋ね、「今自分ができる範囲内」という限界を知ったうえで、「できることからはじめる」という決心が大切だと語っています。

    支援者の方におすすめしたい一冊です。

  • 「仮に」理解する、「実際に」支援する、という考え方が、勉強になりました。

  • 就学前就学後。
    それら事例を扱う。

    わかりやすくて、温かい文章。

    厚めだが、すぐ読める。

    線を引きすぎて、逆に読みにくくしてしまった。
    反省。

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著者プロフィール

こころとそだちのクリニックむすびめ院長。児童精神科医師。臨床心理士。北海道大学名誉教授。
『僕の児童精神科外来の覚書――子どもと親とともに考え、悩み、実践していること』(日本評論社、2022年)、『「発達障害」だけで子どもを見ないで その子の「不可解」を理解する』(SBクリエイティブ、2019年)

「2023年 『ADHDの僕がグループホームを作ったら、モヤモヤに包まれた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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