- Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784054033658
作品紹介・あらすじ
虐待された子どもたちは心だけでなく、脳の発達にも障害が生じるという。そのために例えば自閉症児と極めて似た症状や問題行動に苦しむ子どももいる。著者は多くの重篤な被虐待児の治療にかかわる中、このような精神医学的知見に達した。これは子ども虐待と発達障害の関係を探るという今日的な緊急課題でもある。この分野の世界的な研究者で臨床医である杉山登志郎先生が臨床例や研究から分かりやすく紹介する。
感想・レビュー・書評
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発達障害の専門家である著者が、子ども虐待という問題にからんだ発達障害(虐待の結果障害が起こる&障害があるゆえに虐待を受ける&その両者すなわち親も虐待児であったという虐待の連鎖)に関して、一般向けに症例を交えて述べた本であるが、やはりかなり専門的な内容になっていて、養護教員や障害児施設のスタッフ、小児科医師などの専門家にこそ読んで欲しい本になっている。これを読むとつくづく「愛着」が人として、更には動物として必要であることが理解できる。
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10年以上前の本だが、いま読んでもなかなか良い本だと思う。発達障害と愛着障害の鑑別など、臨床実践に基づいたデータが多くて貴重な資料である。脳科学的なデータも紹介されており、一冊でかなりの満足感。
今でこそトラウマインフォームドケアの概念が本邦でも広まり、発達障害と思われる子どもの背景にトラウマが潜んでいることに目を向けられるようになったが、それ以前からこうした実践をしていたことが驚きである。自我状態療法やEMDRも当時からしていたのかと思うと、本当に頭が上がらない。 -
P.174
レジリアンシーの反対、ぜい弱な個体の特徴の方が、子ども虐待のケアには学ぶものが多いと思う。それはちょうど強い個体の反対の次のような特徴である。
無力感、孤立、低いコミュニケーション能力、状況に対する受け身性、知的なハンディキャップ、衝動性、暴力的、著しく低いストレス耐性。こうした状況をつくらないことこそが、我々がなすべきサポートだが、これまで述べたことから分かるように、困ったことに上記のような特徴は、実は被虐待児のもちやすい特徴にぴったり重なるのである。それでも確かに、被虐待児の中にも、明るさや人への信頼を失わない子どもたちも存在する。その特徴を敢えて取りあげてみると、次のようになる。
「人からのサポートを受け入れることができる」「記憶の断裂が比較的少ない」「衝動性が比較的乏しい」 -
SDGs|目標16 平和と公正をすべての人に|
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/734778 -
読んでいると、自分の関わってきた子どもが浮かんできたりして苦しかったが、一気に読んでしまった。
当事者、関係者にとっては理解が進む本かと思う。
難しすぎずに、分かりやすかった。 -
配置場所:摂枚普通図書
請求記号:493.937||S
資料ID :95170561
子ども虐待を発達障害の視点から考えてみることに役立つご著書です。
(小児看護学 鎌田佳奈美先生推薦) -
杉山は発達障害の権威らしい。日本で軽度発達障害という概念を樹立した人物でもある。海外の研究や事例も豊富だ。しかし人間性が伝わってこない。本の体裁も変わっていてフォントが大きい二段組で読みにくい。私が誤読しているかもしれないので、お気づきの点があればご指摘を請う次第である。
http://sessendo.blogspot.jp/2016/07/blog-post_25.html -
大変だーっ!