天正壬午の乱

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  • 学研プラス
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784054048409

作品紹介・あらすじ

「天正壬午」とは、「天正十年」の意味である。この年は激動の戦国時代の中でも、特に大事件が目立つ。まず、強大な勢力を誇った武田氏が滅亡する。続いて、天下布武目前の織田信長が、本能寺の露と消える。さらに信長の後継をめぐって、織田家中で明智光秀、羽柴秀吉、柴田勝家らが激突する。その間、他の大名たちは何をしていたのだろうか?領主の武田勝頼・織田信長が立て続けに没し、空白地と化した甲斐・信濃・上野に徳川家康・北条氏直・上杉景勝が兵を進める。この東国大名の争いが「天正壬午の乱」である。この争いには、秀吉の天下統一を許すこととなった萌芽や、家康の飛躍に繋がる契機が内包される。本書は戦国時代の天下の帰趨を見極める上で、原点とも言うべき「天正壬午の乱」を丹念に描いたものである。

感想・レビュー・書評

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  • ごめんなさい、平山優先生タイムアウトです
    馴染みの無いエリアだと認識できたのが唯一の成果( ノД`)シクシク…
    最強伝説のあった武田騎馬軍団が何故に、勝頼が家臣から信頼されていない程度の理由でほろびたのか、大変興味あるが力不足です
    覚えておくポイント
    勝頼と信長の和睦交渉の最中、家康の高天神城攻めがあり勝頼は見捨てた形になった(交渉経過を見ていたのか)結果、当時の人は「勝頼って信長恐れすぎ~」と思い「天下の面目」を失った訳
    強いを意識付けないと、兵の集まりにも響くからかな?
    次回は143ページから再開する(メモ)
    (同時に読んでいる本があるのが問題だよね)
    1~3.桂太郎(著者3人)
    4.南朝全史
    5.徳政令(なぜ借金は返さなければならないのか)
    6.明治人物おもしろ史話
    7.皇子たちの悲劇
    8.摂関政治と菅原道真
    9.源頼政と木曽義仲
    10.闇天狗
    数ページから200ページまで・・・
    順に読めば? (´・ω・`)

  • [評価]
    ★★★★★ 星5つ

    [感想]
    読み応えのある内容だった。増補版でないのが残念ではある。
    2016年の大河ドラマ「真田丸」の放映が始まる前に読めてよかったと思う。
    今まではほとんど注目してこなかった本能寺の変以降の甲信地方の流れがよくわかった。この著者が監修しているのであれば、極端に違和感が出ることはないと今から期待できる。
    それにしても信長の野望では見たことのない武将が多数存在していたな。依田や曾根などは昌幸よりも活発に活動し、成果を上げているようだから登場してもいいような気がするんだけどな。天正壬午の乱以降はパッとしなかったのかな?
    それにしても徳川も北条も上杉も全ての勢力が劣勢に陥っていた事には驚いた。やはり、本能寺の変が誰もが予想外で急いで行動していたからだろうか?

  • 詳細に記述されてるので全部覚えるのは無理だけど、流れは随分把握出来た気がする!この本をご紹介いただき感謝です。

  • 天下の行方は「天正壬牛」に原点あり
    本能寺の変によって生じた東国空白地をめぐる騒乱
    「本能寺にて信長死す」の報は、東国にも瞬く間に伝わった。
    徳川・北条・上杉が、旧武田領を確保すべく触手を伸ばす。
    かたや真田をはじめとする国人衆も勢力を拡大すべく躍起となる。
    戦国期にも稀有な大躍進のチャンスに各陣営はどのように動いたのか。気鋭の研究家が送る「天正壬午の乱」に関する初の本格論考。 (2011年の刊)
     第一章 武田勝頼滅亡と本能寺の変
     第二章 各勢力、動き出す
     第三章 三者鼎立
     第四章 戦乱終結へ

    買ったものの厚さに仰け反り積読状態でした。今回、意を決して読んでみましたが、めちゃくちゃ面白く一気に読みました。
    現在、新刊では入手困難のようですが、もし本書を見かけたらとにかく購入する事をお勧めします。
    内容が素晴らしいのはもちろん収録されている地図が素晴らしいです。
    さすが歴史群像シリーズで培った学研クオリティーと言えます。 (地図製作、データアトラス株式会社とあります。)

    あとがきで「徳川中心史観に与しない」とありますが、本書を読むと徳川家康が甲信を掌握したのは必然では無い事が解ります。
    本能寺の変により、関東甲信地域の織田体制がリセットされ、徳川、上杉、北条の争いの場とかします。上杉景勝は北信を押さえますが、本国越後における新発田の乱のためそれ以上に領土を拡大することが出来ません。家康は順調に信濃を攻略しますが、酒井忠次の失策により従属した国衆の離反を招きます。北条氏直は大軍を擁し信濃に侵攻しますが、優柔不断(当てにしていた春日信達の内応が露見し誅殺されたことが原因ですが、大軍の割に戦意が乏しい気がします)によりチャンスを生かすことが出来ず、甲州へ転進します。

    家康の甲州攻略は順調に進み武田旧臣を掌握します。(恵林寺再興を約束するなど人心掌握につとめます。)
    甲州での戦いは、北条方の失策などにより戦線は膠着状態となり大軍の補給に苦慮した北条側は和睦の道を選びます。

    こうした3巨頭の争いの間隙をぬって、木曽、小笠原、諏訪、真田などの国衆が生き生きと活躍するが、信州人としては痛快です。
    私的には、木曽が頑張っているのと、非常にマイナーな下条氏の大活躍が良かったです。それと家康に忠誠を尽くす依田が健気。

    家康の甲信侵攻が、織田政権の承認のうえに行われていること。織田政権による援軍の派遣が予定されていたこと。木曽義昌の後ろにも織田政権の影響がうかがえることなど、本書は読みどころ満載です。

    残念なのは、参考文献一覧がないところです。ページの都合で省略したとのことですが、非常に残念です。(文中には史料名があり、各章の最後に資料の注釈があります。)

    「天正壬午の乱」という視点から戦国史を一歩進めた大事な研究の成果と言えます。

  • 信長死後に起こった甲斐・信濃の領有をめぐる対立と一連の戦いを「天正壬午の乱」と呼ぶのだけど、じゃぁその、対立に至る流れと結果ってどういうことだったのよ? ってのを、解りやすく解説した本。

    大名の単なる領地争いというだけでなく、地方豪族や国人たちの思惑がどんなふうに歴史を動かしていたのかとか、どんな立場でこの行動をとっていたのかという点をキチンと解説されていて、読んでいて目からウロコが止まらない内容。

    面白くって勉強になるって凄いことだと思います、実際。
    学術書なのに、ページを捲る手を止められない本は久々でした。

  • 織田信長は甲斐武田氏が滅ぼし、信濃・甲斐・上野に重臣を配置するが、まもなく自身も本能寺で殺される。旧武田領国は徳川氏、北条氏、上杉氏が介入する。本書は本能寺前後の甲斐、信濃を中心とした上記3氏の動きと、国人衆の動向が詳細に描かれている。北条氏は信長に排除されていたこと、徳川氏は織田氏の混乱に便乗して甲斐・信濃を切り取ったのではなく、(実際はともかく名分は)清州会議後の体制にのっとっていたことが分かった。

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著者プロフィール

平山優(ひらやまゆう)
一九六四年、東京都生まれ。立教大学大学院文学研究科博士前期課程史学専攻(日本史)修了。専攻は日本中世史。山梨県埋蔵文化財センター文化財主事、山梨県史編さん室主査、山梨大学非常勤講師、山梨県立博物館副主幹、山梨県立中央高等学校教諭を経て、健康科学大学特任教授。二〇一六年放送のNHK大河ドラマ「真田丸」、二〇二三年放送のNHK大河ドラマ「どうする家康」の時代考証を担当。著書に、『武田氏滅亡』『戦国大名と国衆』『徳川家康と武田信玄』(いずれも角川選書)、『戦国の忍び』(角川新書)、『天正壬午の乱 増補改訂版』(戎光祥出版)、『武田三代』(PHP新書)、『新説 家康と三方原合戦』(NHK出版新書)などがある。

「2023年 『徳川家康と武田勝頼』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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