罪と罰 (手塚治虫漫画全集)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (135ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061086104

感想・レビュー・書評

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  • 本家よりこっちのほうが好きかもしれません。

    ラストシーンは「主人公が殺人を告白」するという点では同じですが、
    原作が「刑罰を受ける」のに対して、
    手塚版は「みんな殺し合いをやっていて、誰もそんな話聞いちゃいねえ」のです。

    第二次世界大戦を経験した作者の、強烈な皮肉としか思えません。
    金のために一人でおばあさんを殺した男と、
    金のために団体で戦争に加担した人たちと、
    どのくらいちがうというのでしょうか。
    今も私たちは殺し合いの渦中にいます。
    誰もラスコーリニコフを笑えません。

    原作は陰鬱な話ですが、ラストに希望を残して終わっています。
    手塚版はまるっこいキャラクターがぴょこぴょこ動き回りますが、ラストシーンには何の希望も見えません。
    もしかしたら手塚さんはドストエフスキーよりもはるかに過激でダークなのかもしれません。
    そんな手塚さんが大好きです。

  • 『罪と罰』ドストエフスキー……聞いたことぐらいはある。
    もしかしたら、家にあったかもしれないけれど、読んだ覚えがない。

    手塚治虫作品はだいたい(全部ではない)、読んだけれどこれは記憶になかったのと『罪と罰』がどんな話なのか知りたくて、借りてみた。



    ……わからない。
    漫画は読みやすいのだけれども、物語が複雑だ。
    そもそもカタカナの名前が頭に入らない。『ハリー・ポッター』も最初は名前が頭に入らなかった。



    で、何度か読み直した。漫画はサクサク読める。
    話の短さに対して、キャラクターが多い。
    誰がどこで出てきたキャラなのか、見直して確かめるけれど、やはり話がいまいち分からない。



    とりあえず、主人公が殺人を犯して自首したがる物語……という主軸(?)だけは理解した。
    たぶん、小説にはもっと複雑な事がたくさん書かれてるんだろうなと思う。
    複雑な小説の話を漫画にまとめてあるだけですごい。
    ラストに手塚先生のあとがきが載っていて、ちょっと得した気分にもなった。
    作品が描かれた背景にそんな事情が……みたいな?



    家の中を探して小説を読んでみようかな。図書館で借りても、読み切れる気がしない。

  • 何度か挑戦しようと思ったことはあるが、未だ読み切ったことがないドストエフスキー「罪と罰」。
    手塚さんの力を借りて、今回その概要と主旨を教えてもらった。罪の重さ、罰の重さ、そもそも何を罪と感じ、何を罰と感じるか。主体によって変わるそれらは、精神世界にも相対性理論的なものがあるのではないかと思わせられてしまう。
    基準はしょせん、自分の物差しでしかないのだ。

  • ぼちぼち。ギャグって、作品を作る上でそんなに必要かなぁ・・・。でも、この作品をきっかけに小説を読む人が出たり、また逆にマンガを読む人が出るかもしれないと思うと、意味ってそんなに考えないけど、そこには大きな意味があるかもしれない。

  • ドストエフスキー『罪と罰』を独自にアレンジしながら
    コンパクトに翻案したというコミカライズ作品。
    絵がかわいらしいので、シリアスな重み、残酷さ、悩ましさなどが
    あまり感じられないが、わかりやすいのが好ましい。

  • 読んでいると、手塚治虫のオリジナル作品に思えてくる不思議。

    原作を読み返したくなった。

  • 絵は可愛らしいが、内容は辛辣。

  • 貧乏学生ラスコルニコフは、金貸しの老婆を殺してしまった!犯した罪の重さに苦しむ彼のまえに、天使のような娼婦ソーニャがあらわれた……。ドストエフスキーの名作文学を、みごとに漫画化した不朽の名作!

  • 罪と罰だけササッと読みました。
    手塚治虫先生が描くとなんでも手塚治虫オリジナル作品みたいになるのがすごいなあ・・・

  • 子供向けに簡略化してあるけど、見せ方も楽しめるのはさすが御大。

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著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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