- Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061157200
感想・レビュー・書評
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著者によると日本人は「他律集団論理」であるらしい。なるほど確かに、個よりも集団としてどう見られるかの方が気にされるし、お上に逆らうなと言われることもある。高度成長まではこの国民性を発揮して先進国の仲間入りをすることができた。しかし社会運動による権威の失墜や、過疎のような未知の事柄によって他律も集団論理もうまくいかなくなった。イノベーションを起こすためには自律個人論理が必要だが、この本が著されたときにはまだそこまでの人が出てきていなかったのだろう。グローバル化が進み、インターネットが登場したことにより、それまでは出る杭で村八分に合っていたような個人同士が繋がることができるようになり、一定の活動ができるようになったと思う。現在も男尊女卑に対し、女性が連帯することで集団論理に抵抗している最中である。
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悪名高い海外旅行から驚異的な経済発展まで、日本人の行動は世界の大きな謎にすらなっている。著者は「頑張る」「けなげ」などの日本語特有の表現や、「ユイ」というようなムラ的共同体のあり方、庶民の心情を映しだす鏡である歌謡曲などの分析をとおして、他律と集団の論理が日本人のあらゆる行動をいかに深く規定しているか鋭く解明する。豊富な海外体験にもとづく比較文化論的発想と多年にわたる民俗学的調査に裏付けられた本書は、平明な語り口、ユニークな着想、豊富な実例できわめて説得力ある日本文化論として読者に迫る……。
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少々古い本ですが、ここでの議論をもとに解釈できるものが多く考えさせられます。